SUPER GT/ニュル24時間レースのトークショーでは、辰己総監督が今年のBRZの秘密を写真とともに少しだけ先行公開。現在開発中のニューマシンはフロント周りの空力パーツに大幅な改良を施していると言い、ホイールはBBSとともに1本あたり400gもの軽量化とともにマットなシルバーでイメージを一新しているという。
「スバルの得意なところはシンメトリカルレイアウトによる低重心、コーナリングスピードです。昨年は劣っているパワーをどうにかしようとしてきましたが、今年はスバルのいいところを伸ばす方向で進めています」と語ると、井口選手も「コーナリングが速くなったマシンに体が余裕でついていけるように、このオフは山内選手とともにトレーニングで体を追い込んでいます」とオフのトレーニングに余念がない。今年もGTに加えてニュル24時間に抜擢された山内選手は、「これまでレースで勝って泣く、という経験はありませんでした。(ニュルクラス優勝は)人生で一番感動した」と昨年を振り返り、「4人で力を合わせてチーム、ファンの気持ちをひとつにして2冠を達成したい。そのためにもぜひ現地に応援に来てください」とファンに向けて現地での応援を繰り返した。実は本音は「向こうで日本人に会うとホッとするんです」とのことで、寂しがりな一面も垣間見え、来場したファンからは暖かい拍手が沸き起こった。
続いてメンバーを入れ替え、ラリーの新井選手、鎌田選手、勝田選手と、86/BRZレースに参戦している井口選手、久保選手が登壇。新井選手はチャンピオンを獲れた要因について、「まったく新しいマシンで先入感なしにゼロから作れたのが良かった。息子(大輝選手)も出てきて負けるわけにはいかないとも思いました」と昨年の心境を吐露。リベンジを誓う鎌田選手は「今年は全日本ダートラでもWRX STIを使うので、勝負をするとなればタイムも出しやすいしセッティングも進められるはず」と期待十分のコメント。シリーズ2位の勝田選手は「とにかく雨がすごく嫌いで、去年は雨が多かった。今年は開幕戦の11連覇から勢いに乗りたい」と、得意の開幕戦唐津で勝利宣言。今季もスバルをドライブするこの3人がラリーを盛り上げてくれるだろう。トークショーの後半では再び全員が登壇。ドライバーからドライバーへのQ&Aでは、辰己総監督のホールインワン秘話、井口選手の100kmにも及ぶ自転車トレーニング、山内選手の1週間誰とも口を聞かない時があるといった暴露話も飛び出し、会場は笑いの渦に。また、ファンから鎌田選手への「ふたりのベテランをどこのラリーでねじ伏せてチャンピオンを獲りますか?」との質問には、「みんな全部勝つつもりで戦っているんです。もちろん、1戦目からぶっちぎります、という予定です」と強気に先輩ふたりをけん制していた。
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