実は、開幕戦の後にトミ(マキネン、監督)やヨウニ(アンプヤ、講師)とミーティングがありました。その中で「全開での速さに関しては雪でもグラベルでもテストなどでチームには充分証明できているから、この2年はリザルトよりも、とにかく完走してその後に向けてラリーの経験を積むことだけを考えろ。今のラリーの経験値では、95%で走っていてもペースノートの精度やドライビングもコーナーによってバラツキがあるから、限界の100%を超えてしまった時に大きなクラッシュにつながる。だから今は完走し経験を積んで、それに伴って徐々にペースも上げていけ」と言われました。
これまでは、結果を求め過ぎていた自分がいたので、講師役の2人にそう言われたことで、自分が今ラリーでやるべき事をしっかり理解できました。
今年から、コ・ドライバーは英国人のダニエル・バリット(編集部注:PWRC参戦時には奴田原文雄と組んだこともある英国人コ・ドライバー。昨年まではエルフィン・エバンスとともにMスポーツからWRCに参戦していた)と組んでいます。ダニエルとのフィーリングは、とても良いです。ダニエルは昨年までWRCを戦っていたので、海外の経験も豊富。たくさん勉強させてもらってます。人間としてもコ・ドライバーとしても尊敬できる方で、すごく助けられています。ダニエルとは、リーディングはもちろんレッキの時にも良いディスカッションをしながら良いペースノートを作る事ができています。これまでは日本語のペースノートだったり、ノートが英語でも読むのは日本人だったため聞き取りやすかったので、ダニエルのリーディングを最初聞いた時、ステージ走行中にペースノートを聞いてから理解するまでにラグがありましたが、今はもう日本語の時と同じようにすぐ聞き取って頭の中でイメージも作れるので、走れば走るほど、どんどん次のステップに進んでいっている手応えがあります。
ダニエルを含め、これまで6人のコ・ドライバーの方と組ませていただきましたが、相手に恵まれているなとつくづく思います。本当に感謝です。これまでに組ませていただいたコ・ドライバーの方々は、いずれも経験豊富な全日本のトップランカーだったので、 その方々との経験が今、すごく糧となっています。
今は自分のやるべき事をよく考えて、しっかり地に足をつけて、2年後には全開で走っていられるようにしたいです。次戦に向けても、今回と同じでまず完走! そして今回学んだ事を活かして、少しずつペースを上げていけたらなと思います。それを繰り返していけば、きっと気付いたら勝手にリザルトも付いてくると思うので、今は焦らずに頑張ります。このような環境を作ってくださったTOYOTA GAZOO Racingさんや、TMRの皆様に感謝しています。
勝田選手と新井選手が次に挑むフィンランド選手権は、3月11−12日開催の第3戦ターコラリーです。2人の成長と活躍に期待しましょう!