WRCフル参戦への復帰が近づくシトロエン。クリス・ミークは、12月21日、アブダビで行われた新規定WRカー、C3 WRCの実戦バージョンモデルのアンベールイベントに、エースドライバーとして登場した。
エンジンパワーが格段に高まる2017年規定のWRカーでは、そのパフォーマンスを最大限に引き出すためにドライバーのスキルの重要性も高まるとミークは語る。
エアロダイナミクスの自由度が格段に高まり、アクティブセンターディファレンシャルも復活した2017年スペックのWRカー。競技ステージでは、これまで以上に豪快な走りが期待されているが、2017年を終えた時に成功を収めるのは、このマシンの魅力を最も引き出したドライバーになると考えている。「2017年規定のWRカーはエキサイティングなマシンで、2016年から大きな進歩を果たしている」とミーク。
「レギュレーションが変わった事はみんな知っているが、本気モードでドライブするとあのマシンは豹変する。あのマシンの威力を最大限に維持するためには、1m1mを必死で走らなくてはならない」
「自分としては、2017年は人間的な要素がもっと前面に出てくると思っている。あのマシンのポテンシャルを引き出すのが難しくなるところもあるからだ」
ミークはC3 WRCの開発に先頭に立って関わっており、1月のモンテカルロでマシンがどのような走りを見せるのか、待ち切れないようだ。しかし、モンテカルロ向けテストを終えたばかりのミークは、シーズン前のテストが順調だったからと言って、C3 WRCが、ライバルのMスポーツ、ヒュンダイ、トヨタを上回っていると保証された訳ではないことも自覚している。
「テストでは攻め続けたが、実際に競技が始まってライバルのドライバーやマシンと対峙するまでは何とも言えない。ここまでの進捗には満足しているが、ライバルと比較してどうか、ということは常に頭に残っている」
チームは2017年、最大4台のC3 WRCを投入することを表明しているが、モンテカルロ、スウェーデン、メキシコでは2台をエントリー。5月以降、台数を増やしていくという。モンテカルロでは、ミークとステファン・ルフェーブルがC3 WRCをドライブ。クレイグ・ブリーンはDS3 WRCでのエントリーとなる。ルフェーブルとブリーンは、シーズン中盤までにはどちらもC3 WRCに完全にスイッチ。4人目のドライバーは、カリッド・アル‐カシミが務める。