2017年WRC開幕戦のラリーモンテカルロはすべてのSSを終了し、Mスポーツのセバスチャン・オジエが4年連続の総合優勝を獲得した。2位は復帰初戦となるトヨタ・ヤリスWRCのヤリ‐マティ・ラトバラ。3位にはMスポーツのオィット・タナックが入っている。
最終日は拠点をモナコへと移し、ふたつのステージを2度走行する4SSが行われる。21日(土)の最終サービスを終えてモナコへと移動する途中、シトロエンC3 WRCのクリス・ミークが一般車との接触に見舞われるというハプニングがあった。クルーにケガはないものの、C3 WRCは右リヤにダメージを負いリタイアに。この日のオープニングステージとなるSS14で、ベストタイムを獲得したのはヒュンダイのソルド。前を行くクレイグ・ブリーン(総合4番手/シトロエンDS3 WRC)との差を11.2秒とし、プレッシャーをかける。タイム差の開いている上位陣に大きな動きはなし。SS2番手タイムはラトバラ、3番手のオジエはすでにクルージングモードでリスクを避けた走りに徹する。しかし、総合2番手を走行するオィット・タナックのエンジンにはこの時異変が起きていた。SSトップのソルドから遅れること12.8秒のSS12番手。タナックはSS15へと向かう途中のロードセクションでマシンを止め、修復を試みることとなった。
作業の甲斐あってタナックのエンジンは息を吹き返したが、続くSS15のスタートタイムにはとても間に合わない。1分遅着するごとに10秒のペナルティが加算されていくなか、タナックは5分遅れでSS15をスタート。しかしエンジンは完調ではなく、SSベストのステファン・ルフェーブル(シトロエンC3 WRC)から1分28秒2遅れの18番手タイムとなった。この結果、タナックは総合タイム差でラトバラに逆転を許し、ラトバラから34.8秒差の3番手にドロップすることとなった。一方、このSSで2番手タイムを出したソルドは総合4番手に浮上している。続くSS16は観客が増えすぎたため、安全上の理由でキャンセルとなり、残すは最終パワーステージのみとなった。
そして迎えた最終SSは、SS15の再走ステージ。モンテカルロのアイコンといえるチュリニ峠を使うSSは、山頂付近で雪の降りしきる難しいコンディションとなっていた。刻一刻と変化する路面を相手に各車慎重な走りで駆け抜けていく。上位陣は脱落することなくすべてのマシンがSSを走り切り、この結果Mスポーツのオジエがモンテカルロ総合優勝を獲得することとなった。
オジエにとっては4年連続5度目のラリーモンテカルロ制覇(うち1回は2009年のIRCでのもの)となり、自身の通算勝利数を39とした。また、Mスポーツにとっては2012年ポルトガルでのマッズ・オストベルグ以来の勝利。総合2位はトヨタのラトバラ、総合3位はエンジン不調を乗り越えたタナックが入った。以下ヒュンダイのソルド、シトロエンのクレイグ・ブリーン、Mスポーツのエルフィン・エバンスというトップ6となっている。
パワーステージを制したのはヒュンダイのティエリー・ヌービル。今シーズンからパワーステージは上位フィニッシュ5台までポイントが加算されるため、5ポイントを獲得することに成功した。トヨタのユホ・ハンニネンもSS3番手タイムで3ポイントを加算している。
次戦は2月9日〜11日にかけて開催される第2戦スウェーデン。
WRCモンテカルロ暫定リザルト
順位 | ドライバー | マシン | タイム/差 |
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1 | セバスチャン・オジエ | フォード・フィエスタWRC | 4:00:03.6 |
2 | ヤリ‐マティ・ラトバラ | トヨタ・ヤリスWRC | +2:15.0 |
3 | オット・タナク | フォード・フィエスタWRC | +2:57.8 |
4 | ダニ・ソルド | ヒュンダイi20クーペWRC | +3:35.8 |
5 | クレイグ・ブリーン | シトロエンDS3 WRC | +3:47.8 |
6 | エルフィン・エバンス | フォード・フィエスタWRC | +6:45.0 |
7 | アンドレアス・ミケルセン | シュコダ・ファビアR5 | +9:32.7 |
8 | ヤン・コペッキー | シュコダ・ファビアR5 | +12:58.1 |
9 | ステファン・ルフェーブル | シトロエンC3 WRC | +14:43.8 |
10 | ブライアン・ブフィエ | フォード・フィエスタR5 | +16:09.4 |