TOYOTA GAZOO Racingは、2月9日より行われるFIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦ラリー・スウェーデンで、雪と氷に覆われた高速ステージに挑む。初戦ラリー・モンテカルロでは、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ(#10号車)の表彰台獲得という期待を上回る成績をおさめたが、今シーズンを「数多くの学びを得るための復帰初年度」とする位置付けは変えずに、スウェーデンでも2台の完走を目指す。
ラリー・スウェーデンは、1973年にWRCに組み込まれて以来、WRC唯一のオールスノーラリーとして開催されてきた。タイヤに埋め込まれたスタッド(いわゆるスパイクタイヤ)が氷の路面に突き刺さることでグリップを生み、ドライバーは、コースサイドのスノーバンク(雪壁)をも巧みに使いながら、コーナーを駆け抜ける。
2月9日(木)夜カールスタッドで行われるスーパースペシャルステージで競技はスタートし、金曜日はスウェーデンとノルウェーの国境を跨ぎながら競技が行われる。土曜日には、コリンズ・クレストと呼ばれるジャンプの名物ポイントがあり、日曜日の12:18スタート予定のトルスビューパワーステージで幕を閉じ、表彰式が行われる。今年は総ステージ走行距離331.74kmの60%以上が新設である。
チーム代表トミ・マキネンとラトバラ(#10号車)はラリー・スウェーデンで3回勝利しており、トヨタもまた、この場所で過去3回の勝利を経験している。ラトバラとユホ・ハンニネンは、ラリー・スウェーデンに向け、フィンランドで5日間のテストを行った。
トミ・マキネン(チーム代表)
「ラリー・モンテカルロの後、雪上テストと日本で行われたプレスカンファレンス出席など、慌ただしく過ごしてきました。我々のパフォーマンスがどのくらいの位置にあるか、ある程度は分かっているため不安は少ないですが、ラトバラが初戦で2位を獲得したことにより、彼への期待は大きくなっていると思います。これまで雪とグラベルで多くのテストを行ってきましたし、高速コースでのテストも行ってきたので、準備はできていると言っていいでしょう。初戦で10号車に起きた小さなトラブルは、既に課題として取り組んでいますが、まだ多くの事を学ぶ必要があり、ラリー・スウェーデンでもさらに開発を積み重ねていきたいです」
「ラリー・スウェーデンは、2008年に最初に勝利したラリーなのでとても良い思い出があるのですが、当時と状況は異なるでしょう。クリスマス前、そして先週雪上テストを実施し、その間にもクルマの改善を重ねることができました。今年の我々の目標は、開発を着実に続けることなので、とても良かったと思います。
ラリー・モンテカルロでは期待以上の成績をおさめることができましたが、我々は新しいチームで、新しいプロジェクトに取り組んでいるので、ラリー・スウェーデンでも同じ結果を得られるとは思っていません。現時点では、スウェーデンは暖かいとのことなので、昨年同様の難しいコンディションになると思いますが、気温が下がり雪が増えれば、ベストな走りを皆さんにお見せできるのではないかと思います」 ユホ・ハンニネン(ヤリスWRC #11号車)
「良いセットアップを見つけるために、3日間雪上テストを実施しました。ラリー・モンテカルロでは、ラリーの始まる前にとても良いセットアップができ、クルマに自信を持って臨むことができました。モンテカルロでは多くの事を学びましたが、ラリー・スウェーデンは全く違うラリーなので、初めから学ばなければなりません。テストでは、実際にラリーで走るであろう少し荒れた路面のコースを使うことができ、クルマの挙動のチェックや、タイヤからスタッドが外れた際のシミュレーション等も行えました。
スウェーデンは、私が最も多く経験したことのあるラリーのひとつで、タイヤの選択もモンテカルロに比べてシンプルですし、楽しみにしています。今回もアプローチを変えることなく、一歩ずつ学ぶ姿勢で取組みたいと考えています」