WRC第4戦フランス(ツール・ド・コルス)は4月9日、競技最終日に設定された2SSを終え、ヒュンダイのティエリー・ヌービルが今季初優勝を飾った。ヒュンダイ・モータースポーツにとっても、i20クーペWRCの初勝利となる。
この日設定されたのは、SS9とSS10の2SSのみ。しかし、この日のオープニングステージ、SS9のAntisanti – Poggio di Nazzaは、今ラリー最長距離となる53.78kmの超ロングステージと、最大の山場と目されていた。ここでは、2番手タイムを刻んだヒュンダイのダニ・ソルドが、電気系トラブルで7番手タイムに沈んだセバスチャン・オジエを逆転し総合2番手に浮上した。また、前日を首位で折り返したヌービルもベストタイムをマークしており、0.1秒差で2番手タイムのソルドとともに、ヒュンダイの2台は前日のコメント通りセットアップの改善が効果的であることを証明してみせた。さらにヌービルから1.8秒差の3番手タイムはシトロエンのクレイグ・ブリーン。以降、ラトバラ、Mスポーツのオィット・タナック、ヒュンダイのヘイデン・パッドンと続いている。この結果、ヌービルは57.8秒差でラリーリーダーの座を堅持。2番手でデイ3をスタートしたオジエは、ソルドに逆転を許し3番手に。ラトバラはブリーンに4番手の座を明けわたし、5番手へとポジションを下げた。
しかし、オジエはSS9での電子系トラブルをリカバーし、パワーステージとなる最終SS10では、ベストタイムのヤリ‐マティ・ラトバラに0.8秒遅れの2番手タイムをたたき出す。一方のソルドはオジエから3.8秒遅れの4番手タイム。この結果、オジエが1.3秒差でソルドをかわして2位フィニッシュを飾り、ドライバーズ選手権でのリードを堅守した。SS9での状況についてオジエは「パワーもアンチラグもなく、デファレンシャルはロックされ、ハンドブレーキも使えなかった」と説明した。
オジエの2位再浮上を許したものの、ソルドも総合3位はキープし、自身にとって今季初ポディウムをマークした。以下、ブリーン、パッドンも前日からの順位をそれぞれキープしてフィニッシュ。パワーステージでは、ブリーンが3番手、ヌービルが5番手タイムを刻み、パワーステージポイントを獲得した。
なお、ユホ・ハンニネンは、SS9の48km地点でコースオフ。クルーに怪我はないが、ここでラリーリタイアとなった。
WRCフランス最終リザルト
順位 | ドライバー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | ティエリー・ヌービル | ヒュンダイi20クーペWRC | 3:22:53.4 |
2 | セバスチャン・オジエ | フォード・フィエスタWRC | +54.7 |
3 | ダニ・ソルド | ヒュンダイi20クーペWRC | +56.0 |
4 | ヤリ‐マティ・ラトバラ | トヨタ・ヤリスWRC | +1:09.6 |
5 | クレイグ・ブリーン | シトロエンC3 WRC | +1:09.7 |
6 | ヘイデン・パッドン | ヒュンダイi20クーペWRC | +2:16.3 |
7 | アンドレアス・ミケルセン | シュコダ・ファビアR5 | +8:10.7 |
8 | テーム・スニネン | フォード・フィエスタR5 | +9:17.0 |
9 | ステファン・サラザン | シュコダ・ファビアR5 | +9:23.6 |
10 | ヨハン・ロッセル | シトロエンDS3 R5 | +12:57.1 |