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ヒュンダイのミシェル・ナンダン「センターデフの復活はいい結果をもたらしてくれる」WRCフランス現地インタビュー

©Martin Holmes Rallying

大御所WRCメディア、マーティン・ホームズが、長年の経験に基づく独自の視点で切り込むMartin’s eye。今回は、2017年WRカーの開発や始動したばかりのR5プロジェクトへの対応と、忙殺の2016シーズンを過ごしてきたヒュンダイ・モータースポーツの代表、ミシェル・ナンダンに、WRCフランス戦で行った独占インタビューをお伝えする。


2017年、WRカーの新規定が導入されたことで、WRCエンジニアが重点的に取り組むエリアは格段に広がった。4マニュファクチャラーから新しいマシンが走行を続けている中、すべてが安定しているとは言えないまでも、技術的な面では、最高の走りを引き出すためには、さらに多くの作業が待っている。

今回、私はヒュンダイ・モータースポーツの代表、ミシェル・ナンダンに話を聞いた。2011年以来、WRカーには取り入られてこなかったセンターディファレンシャルが、2017年のWRカーからベーシックな形で復活した。今後の開発において最も大きな試練は何なのだろうか。

ミシェル・ナンダン(=MN):もちろん、センターディファレンシャルを最適に活用することだ。マシンの挙動をできる限りいい形にしようとするだけでなく、タイヤの摩耗、フロントもリアもいい方向に進ませなければならない。そして、もちろんパワーがアップしたことで、サスペンションにもまだ取り組んでいかなくてはならないことがある。トラクションは最も重要な案件だからだ。

マーティン・ホームズ(=MH):センターディファレンシャルについて、何を変えなくてはならないのか。システムの開発か、それともドライバーの動かし方か。
MN:両方が少しずつ必要になる。始めるにあたって、ドライバーが新しい開発に対応しなくてはならない問題があった。ドライバーのほとんどは、すぐにドライビングを対応させることはできなかった。最後にセンターディファレンシャルが使われてから、すでに何年も経っているからだ。マシンの挙動を最適に引きだして、コーナーでのドライビングが本当に容易なマシンにするために、彼らはドライビングをかなり調整しなくてはならなかった。だから、対応するには、少し時間がかかった。様々なコンディション、違う路面コンディションでかなりテストを重ねる必要があるからだ。しかし、ここまでのところ、このシステムは我々にとってかなりいい結果をもたらしてくれているし、もちろん今後もテストを重ねて改良を続けることができる。

Hyundai Motorsport GmbH

MH:ヒュンダイ・モータースポーツでは、R5の作業もかなり忙しいようだね!
MN:最初は、マシンの組み立てを整えるために非常に忙しかったが、今はマシンを改良する局面を迎えている。改良を行うだけでなく、それぞれ様々なコンディションに向き合うことになるカスタマーのために、基本的なセットアップを見いだす作業もある。そのためには、それぞれの道でのテストを重ねていく必要がある。マシンが走ることになる道は実に多様だし、それぞれのカスタマーにキッチリと合うことが求められる。

現状行っている作業のほとんどは、カスタマーが走る事になる様々なタイプのステージで、それぞれに対応したタイプのセットアップを提案することだ。また、マシン全般を改良させるためのアイテムを開発する作業も行っている。いくつか、ジョーカーのホモロゲーションを取得しなくてはならない。おそらく、今シーズンの中盤か終わりになるだろう。ご存知の通り、R5マシンには来年、パドルシフトシステムが導入される可能性がある。だから、この点についても取り組んでいるし、そのテストも必要になってくる。

(Martin Holmes)



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