WRC第6戦ポルトガルは5月21日、競技最終日を終え、Mスポーツのセバスチャン・オジエが第1戦モンテカルロ以来となるシーズン2勝目を飾った。2位には15.6秒差でヒュンダイのティエリー・ヌービルが入り、3位には1分1.7秒差で同じくヒュンダイのダニ・ソルドが入った。
ラリー最終日はSS16~19の4SS、わずか42.93kmのステージ距離しかなく、短い距離で2番手のヌービルがどこまで首位のオジエにプレッシャーをかけられるかに注目が集まった。しかし、オープニングとなる名物ステージ、ファフェの1回目ではわずかにその差が詰ったもののその差はわずか0.8秒縮まっただけ。「この差を縮められるとは思わない。プッシュはしているけど、クリーンに走ることが優先だ。とくにこのステージでは最終パワーステージに向けてのペースノートチェックも重要だったからね」とヌービルははや諦め顔だ。
続くSS17、オジエはヌービルを3.3秒上回るベストタイムで突き放し、優勝争いに決着をつけた。
こうなると残された興味はファフェの2回目となる最終SS19=パワーステージとなる。ここで1位=5点を獲得したのは、土曜日半ばまでラリーをリードしていたMスポーツのオィット・タナック。2位にはヌービルが入り4点を獲得、総合2位入賞と合わせてこれで選手権2位に浮上した。ファフェのジャンプを豪快に飛んだオジエはパワーステージ5位=1点に留まったもののシーズン2勝目を悠々と決め、「今回投入した新しいクルマは完璧だった」と笑顔を弾けさせた。次戦はサルディニア(イタリア)。今回以上の荒れ方が予想されるラフロードで、オジエが再び貫禄を見せて混戦模様の選手権から抜け出すのか。注目の一戦は2週間後にスタートする。
WRCポルトガル最終リザルト
順位 | ドライバー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | セバスチャン・オジエ | フォード・フィエスタWRC | 3:42:55.7 |
2 | ティエリー・ヌービル | ヒュンダイi20クーペWRC | +15.6 |
3 | ダニ・ソルド | ヒュンダイi20クーペWRC | +1:01.7 |
4 | オット・タナク | フォード・フィエスタWRC | +1:30.2 |
5 | クレイグ・ブリーン | シトロエンC3 WRC | +1:57.4 |
6 | エルフィン・エバンス | フォード・フィエスタWRC | +3:10.6 |
7 | ユホ・ハンニネン | トヨタ・ヤリスWRC | +3:48.9 |
8 | マッズ・オストベルグ | フォード・フィエスタWRC | +5:29.7 |
9 | ヤリ‐マティ・ラトバラ | トヨタ・ヤリスWRC | +5:43.6 |
10 | エサペッカ・ラッピ | トヨタ・ヤリスWRC | +8:13.3 |