WRC第7戦サルディニアは6月9日、競技2日目を終えて、ヒュンダイのヘイデン・パッドンが総合首位に立った。しかし、トップ5が15秒以内にひしめく激戦となっている。
この日は、SS2〜SS9まで、いずれも15〜20km程度のミドルステージ4本を2ループする8SSを走行。ステージ走行距離の合計は125.46km。
シーズンで最も暑いイベントとしてエントラントも警戒されるサルディニア戦をフルモードで戦う初日は、今年も厳しい戦いとなった。この日は4人が入れ替わりで首位に立つ大混戦の展開に。午後になって首位に立ったパッドンも、トラブルが頻発する中を耐え抜く状況だ。イベント最長の土曜日に向けて、有利な走行順を得るために、ノーミスで走り切ったというパッドンは
「午後は難しかった。マシンに小さなトラブルがあり、なかなかうまく進まなかった。明日に向けて、いいスタート順を得ることを目指したが、それは果たせた。明日は好きなステージだし、自分にも、マシンにも向いている」。
8.2秒差の2番手につけたのは、昨年のサルディニア覇者でチームメイトのティエリー・ヌービル。サンディな路面をスタート順2番手という難しいコンディションでの走行となったが、徐々に順位を上げてきた。スペア1本積みで勝負に出る中、オーバーシュートと2回のパンクとトラブルなしとはいかなかったが、うまく乗り切り好位置につけた。
しかし3番手には、オィット・タナックが1.3秒と僅差で追っている。この日は、着地での強打とハーフスピンだけにトラブルを抑え、待望のWRC初優勝も射程圏内だ。さらにヤリ‐マティ・ラトバラは、スタート順3番手と同じく厳しい路面コンディションに対応して、タナックとはわずかに0.3秒の4番手で続いている。一方、序盤首位に立ったのはユホ・ハンニネンだったが、この日最後のステージでバンクにヒット。衝撃でラジエターパイプにヒビが入ってしまった。水漏れと戦いながらサービスのあるアルゲーロまで何とか帰還し、6番手でこの日を終えた。
選手権リーダーとして先頭からスタートしたセバスチャン・オジエは、1ループ目はルーズグラベルを掃きながらの走行となり予想通りグリップに苦戦。パッドンから41秒遅れの7番手でこの日を終えた。8番手にはエサペッカ・ラッピ。午前中は2速が使えなくなり、午後はダンパーが破損とトラブルが続く一方で、SS5(14.14km)では自身初となるステージ勝利をマーク。その後、SS6、SS7と3本連続でベストを叩き出した。
シトロエンから初めて2017スペックのWRカーで参戦を果たしたアンドレアス・ミケルセンは、この日は9番手。午後はエンジンストールを6回喫し、タイムロスが重なった。しかし、その他のシトロエン勢は悪い流れを断ち切ることができず、クレイグ・ブリーンは、SS3でギアボックスからのオイル漏れでストップ、デイリタイアとなった。さらにクリス・ミークはこの日最初のステージでベストタイムを刻んで首位に浮上したものの、SS5で転倒。日中サービスには戻ったが、ここでロールケージにダメージが確認されたためラリーリタイアとなった。Mスポーツのエルフィン・エバンスは、クラッシュを喫してリタイア。ヒュンダイのダニ・ソルドはターボトラブルで11分以上の遅れと、憂き目に遭ったドライバーも続出した。
デイ3は、3本のグラベルステージを2ループする計6SS・143.16kmのステージが設定される。1ループが70kmを超えるこの日は、タイヤのマネージメントが重要となるエントラントが最も警戒を高めているデイだ。
オープニングのSS10は日本時間10日(土)12:00にスタートする。
WRCイタリアSS9終了後暫定リザルト
1 ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC) 1:31:02.6
2 ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) +8.2
3 オィット・タナック(フォード・フィエスタ WRC) +9.5
4 ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC) +9.8
5 マッズ・オストベルグ(フォード・フィエスタWRC) +14.7
6 ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC) +38.0
7 セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC) +41.0
8 エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC) +1:05.3
9 アンドレアス・ミケルセン(シトロエンC3 WRC) +1:57.9
10 エリック・カミリ(フォード・フィエスタR5) +4:08.0