6月11日(日)、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリーイタリア・サルディニアの競技最終日となるデイ4がサルディニア島の北部で行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRT勢はヤリ-マティ・ラトバラが総合2位、エサペッカ・ラッピが同4位、ユホ・ハンニネンが同6位でフィニッシュ。前戦のラリーポルトガルに続き、全車が完走を果たした。
ラリー・イタリア サルディニアの最終日デイ4は、島北東部アルゲーロのサービスパークを中心に4本、計42.04kmのSSが行なわれた。風光明媚な地中海沿岸近くにグラベル(未舗装路)のSSが設定され、大勢の観客がラリーを見にSSを訪れた。オープニングステージのSS16は午前8時半過ぎにスタート。総合2位のラトバラは逆転優勝を目指して全開アタックを敢行し、2番手タイムを記録。1位オィット・タナック(Mスポーツ フォード)との差を18.8秒に縮めた。しかし、続くSS17でラトバラはコーナリング中にエンジンがストップ。再始動に時間を要し、差は25.5秒に広がってしまった。 SS16の再走SSであるSS18では、ラッピがベストタイムを、ラトバラが2番手タイムを記録。そして、パワーステージに指定された最終ステージのSS19では、ラッピが今大会最多となる6本目のベストタイムを刻み、ボーナスの選手権ポイント5点を獲得した。ラトバラは最後までアタックを続けたが、追い上げ及ばず2位でラリーを終えた。また、ラッピはヤリスWRCでの2戦目にして4位フィニッシュを果たし、ハンニネンはパワーステアリングのトラブルを乗り越え6位で完走。全選手が完走を果たし、ポイントを獲得した。トミ・マキネン(チーム代表)
「我々にとっては、間違いなく今年もっとも力強いラリーのひとつだったと思う。ヤリ-マティは優勝まで12.3秒差に迫り、エサペッカは多くのSSベストタイムを記録して、彼自身のベストリザルトを更新した。そしてユホは金曜日に一時ラリーをリードし、最終的には選手権でのポジションアップに成功した。参戦初年度の前半でこのような素晴らしい結果を残せたのは、ドライバー、コ・ドライバー、エンジニア、メカニック、そしてチームのおかげ。皆さんに心から感謝したい」
ヤリ-マティ・ラトバラ (#10ヤリスWRC)
「最終日にトップとの差を縮め、2位でフィニッシュできたことに満足している。しかし、今日だけで2回ミスしてしまったことが悔やまれる。まず、今日の2本目で深い轍の中を2速ギアで走っていた時に、エンジンを止めてしまった。同じSSの2回目の走行の時には、ジャンクションで轍がかなり深くなっていたため、うまくターンできず薮の中を突っ切るしかなくなってしまった。しかし、チームにとってはリザルト、パフォーマンスの両面で、とてもいいラリーだったと思う」
「昨日に続き、今日もステアリング系のトラブルが断続的に発生し、少しタイムを失ってしまった。また、金曜日最後のSSでのミスが悔やまれる。あのミスがなければ、土曜日はもっと有利な出走順となり、最終的な結果も違ったものになっていたかもしれないので、少し残念だ。しかし、今回はラリー中にいろいろなことを試し、今後に向けて有効な情報を集めることができたので、とてもいいラリーだった。6位は自分にとってヤリスWRCでのベストリザルト。選手権ポイントも獲得できた」
エサペッカ・ラッピ(#12ヤリスWRC)
「多くのドライバーがベストタイムを狙い全力でアタックするパワーステージで、トップタイムを記録したことにとても満足しています。もはや順位が変わるような状況ではなかったので、午前中の2本のSSではタイヤを温存して走り、そのためタイムもあまりよくなかった。そしてパワーステージの1本前のSSではスピードの感覚を確かめるために少しハードに攻め、パワーステージではクリーンな走りを心がけながら全開でアタックした。今回のラリーでは、低速でツイスティな道での走り方を学べたので、次は速度域の高い道のドライビング方法を学びたい」