波乱の展開が続く、開催中のWRCポーランド。シリーズで長年チームディレクターを務めるMスポーツのマルコム・ウィルソンは「ラリー中、上位3人が揃って同じステージでトラブルを抱えるような事態は、いつ以来かな」と、その混乱ぶりを表した。
そして、その3人はすべて異なるマシンのドライバーだったのだから、さらに興味深い!
3人のうち最初にトラブルに見舞われたのは、トヨタのヤリ−マティ・ラトバラ。トランスミッショントラブルでストップし、この時点でデイリタイアを喫した。そしてオィット・タナックに3秒差をつけていたヒュンダイのティエリー・ヌービルは、左リアタイヤがパンクした状態で、このステージのほとんどを走らなくてはなず、20秒以上をロスすることになった。
そして最後のドラマは、フォードのタナック。リヤウイングを完全に失った状態での走行を強いられた。まるで、今年のスウェーデンでマッズ・オストベルグに起きたアクシデントと同じだ。タナックは5秒近くをロスしたが、ヌービルもパンクしていたために、タナックはこのステージを終えた時点で14秒差の首位に立っていた。
しかし、新しいウイングを装着することができるまでに、2本の林道ステージとスーパーSS最後の走行が残っていたことから、タナックのリードが減って行くのは時間の問題……。SS18でヌービルに逆転を許し、3.1秒差の2番手で最終日を迎えることとなった。
(Martin Holmes)