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WRCドイツ:ラッピ「今季の目標は来年のモンテのスタート順を少しでも良くすること」プレ会見

©TOYOTA / @World

WRCドイツのスタート前に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。フィンランドでの鮮烈な初優勝から2週間。エサペッカ・ラッピに寄せられる期待は高まるばかりだが、一転して迎える難関ターマック戦を前に、若きフライングフィンは慎重な構えを見せ長期的な目標を掲げた。

●WRCプレイベントカンファレンス出席者
ティエリー・ヌービル=TN(ヒュンダイ・モータースポーツ)
セバスチャン・オジエ=SO(MスポーツWRT)
エサペッカ・ラッピ=EL(トヨタ・ガズー・レーシングWRT)
イブ・マトン=YM(シトロエン・トタル・アブダビWRT)

Red Bull

Q:ティエリー、今朝のシェイクダウンではトップだった。天王山となるかもしれないラリードイツに向けての自信はどうか。
TN:自信は、もちろん高まっている。ここ数戦、いい結果を出しているからね。フィンランドは違ったかもしれないが。それに、またターマック戦を迎えるが、いいペースが出せることは分かっているので、もちろん強い走りで首位争いをしていきたい。

Q:セバスチャン・オジエとは同ポイントなので、その差はこれ以上詰まりようがない。ミスができないプレッシャーは感じているか。
TN:ラリーでは常に同じ、ミスはできない。今年は、そのいい例を何度も見てきていると思う。開幕2戦で自分はミスをした。とても小さいが、代償は甚大だった。前戦ではセバスチャンもミスをしたし、そうなると重要な選手権ポイントを失うことになる。もちろん、2人が同じ位置につけているので、確実にミスを避けなくてはならないが、それと同時に速くなくてはならない。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:ここからは一戦も落とせない段階に入っていくが、これまでのやり方と何か変えることはあるか。
TN:正直、ない。自分は自分の方法でやるし、すべて同じだ。忘れないようにしなくてはならないことはあるが、やり過ぎないようにしようとも思う。それで惑わされてしまいかねないからね。毎回、同じように準備をしていく。テストのような感じだ。チームはマシンをドライブする機会をより与えてくれるし、それは間違いなく助けになることだ。

Q:ドイツのステージで、一番タフなのは。
TN:たぶん、バウムホルダー。でも、マシンにいいフィーリングを感じていれば、いいステージでもある。ドイツに参戦した最初の2年くらいは嫌いだったが、ここの特別なステージで経験を積むたびに好きになっていっている。楽しいステージになると思うよ。

Q:セバスチャン、ドイツに向けての気分は。自信はいつものように高まっていると思うが、ポイント争いではティエリー・ヌービルと接戦だ。ナーバスになっているか、全くなっていないか。
SO:プレッシャーもゲームの一部だし、長年、プレッシャーには対応している。それが大変な時もある。でも一日を終えれば、自分のやっていることを楽しまなくてはならない。それが一番重要なことだ。ドイツを迎えて、フィーリングはいい。最も重要なことは、またターマックを迎えることだと言えるね。うれしいよ。何戦もグラベル戦で砂利掃きに苦労させられてきたから、当然だ。舗装に戻れてうれしいし、優勝争いができるチャンスもある。楽しみにしているよ。

M-SPORT / @World

Q:このラリーではいつも天候に左右され、毎年のようにドライとウエットのミックスになる。ドイツ向けのテストでも、いろいろな天候での走りを試すことができたか。
SO:今年は、テストのコンディションにはかなり恵まれたと思う。両方のコンディションでテストできたし、60%はドライで、残りはウエットだった。少なくとも、いろいろなセットアップを模索することができたので、よかったよ。でも、ここでの問題は、次のステージの直前にサービスがあるわけではないので、適切なタイヤを使うことができない。だからチャレンジングになることもあるし、妥協しなくてはならないこともある。今回も、そんな感じになりそうだ。金曜日は雨になりそうだし、その後はどうなるか様子を見ないとね。スリッパリーになるしウエットセクションもあれば、ドライもあるだろう。面白くなりそうだ。

Q:パンツァープラッテは、きみにも一番タフなステージか。
SO:ティエリーも言ったように、バウムホルダーに気をつけなくてはならない。この週末で、一番長い試練だ。通常、ここで差がつく。ティエリーと同じようなフィーリングを、自分も感じている。自分でコントロールが利かないのは好きではないので、このステージを好きだと思ったことはなかった。それに、パンクなど不運に見舞われやすい。でも、このステージですべてが噛み合えば、とても速いしすごく楽しめる。

Q:エサペッカ、フィンランドではWRC初優勝をマークした。2週間経ったが、今の気分は。
EL:起きたことを忘れようと、努めていたよ。かなり忘れられたと思う。それに、ここではあまり自信を感じていない。

Q:ターマックは得意の路面ではないが、結果を出せるのでは。
EL:言ったようにあまり自信を感じていない上、明日は雨が降るし走行順もあるので、ビッグチャレンジになる。マシンが走る毎にどんどん泥が出て来るから、どんどん難しくなる。何のトラブルもなく走れればトップ5か6は可能だと思うが、トラブルを一切避けて、さらに相応のスピードを維持しなくてはならない。

Q:ターマックでのテストはどうだったか。テストの時は自信を感じていたか。
EL:金曜日にいいテストができた。ドライとウエットのコンディションで走ることができた。フィーリングはよかったが、明らかに遅過ぎた。テストではプッシュが足りていなかった。興味深いラリーになるよ。

Q:レッキで見た感じでは、パンツァープラッテが一番厳しいステージだと自分も思うか。
EL:いや、どのステージも自分には難しい。

Q:今後について、また優勝する姿を目にすることができるだろうか。
EL:正直言えば、そうは思わない。フィンランドは自分が一番得意とするラリーであることは分かっていた。何度も走っているからね。あのラリーは、自分にとっては例外的に強い。今は、あの時のことを忘れて、初めてWRカーで参戦したラリーの時のようなアプローチで走行を重ねることに専念する。ターマックのテストは3日間しかやっていないからね。経験を積む必要がある。だから、今シーズンの残りの目標は、できる限りポイントを獲得して選手権で順位を少しでも上げて、モンテカルロでのスタート順を良くすることだ。

Q:イブ、このイベントの前には、セバスチャン・ローブがターマックでC3 WRCをテストした。テストの様子はどうだったか、セブからのフィードバックは。
YM:まず、彼はとても楽しんでいた。WRカーをまたドライブできて、とてもうれしそうだった。とても速かったし、午前と午後でコンディションがミックスされたので、いいフィードバックも与えてくれた。このコンディションでの、マシンに対するアイデアも与えてくれた。彼がドライブしたセッティングは、アンドレアス・ミケルセンとクレイグ・ブリーンのもの。クリス・ミークのは、よりレーシングスタイルに近いので、少しだけだ。セブはかなりハッピーだった。ターマックをドライブする上では、いいレベルにあると言っていた。

CITROEN / @World

Q:マシン全体を評価するには、グラベルでのテストも必要だ。その予定はあるのか。
YM:彼からのフィードバックには、我々はかなり満足している。2017スペックのマシンと旧型や、マシンの改良について彼が比較するのはいいことだ。彼はラリークロスとクロスカントリーでかなり忙しいが、いつか何らかの形では可能だろう。

Q:またローブがWRCに参戦することになるのだろうか。今年か来年は可能か。
YM:間違いなく2017年はない。このことについて語るのは、時期尚早だ。彼のレベルを知るのは、不可能だった。次のステップはグラベルでテストすることだと思うが、もちろん短期間でのプランではない。

Q:現在チームのドライバーは、来季も契約が残っている。他のドライバーも視野に入れているか。
YM:そうした話に興味が行く時期だ。誰もが、みんなと話をしたがっている。クレイグ、ステファン、クリスはみんな契約中で、来年もチームのメンバーだ。アンドレアスもそうだし、ラリーを勝ったり、勝利目前といった他のドライバーとも話をしている。9月はあまりイベントが立て込んでいないので、予定を立てることができてラッキーだ。そうすれば、CEOに提案し、決断を下すことができる。

Q:シトロエンC3 WRCは、グラベルでは思うようなパフォーマンスが出せていない。今年の、グラベルでのマシンの開発については。2018年に向けての、次のステップは。
YM:スウェーデンとサルディニアの後は、間違いなくいい仕事をしていた。ジョーカーを使って、新しいパーツの公認を取った。リスクも覚悟で、それを進めようと決断した。公認前にテストをしていないパーツもあるが、自分たちの判断については満足している。まだポテンシャルはあるので、作業を続けなくてはならない。ここから年末までの間に、マシンに新しい取り組みを行おうとは思わない。公認済みのパーツにも、まだやらなくてはならないことが残っている。



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