WRC第10戦ドイツは競技3日目を終えて、Mスポーツのオィット・タナックが総合首位でリードを拡大している。2番手にはシトロエンのアンドレアス・ミケルセン、3番手はMスポーツのセバスチャン・オジエという順位となった。
競技3日目は前日と打って変わって好天に恵まれ、SS9〜17の9SSが行なわれた。注目は5.7秒という僅差で争う総合首位のタナックと2番手ミケルセン。明暗を分けたのはふたりのタイヤチョイスだ。タナックがソフト3本/ハード2本、ミケルセンがソフト5本を選択しステージへと向かっていった。
このタイヤ選択が功を奏し、タナックはオープニングステージのSS9とSS11でベストタイムをマーク。序盤からミケルセンを引き離しにかかる。一方のミケルセンもSS12で一番時計を記録し応戦するが、このSS12終了時点でふたりの差は23秒にまで拡大していた。そのミケルセンの背後には、6.9秒差でオジエが迫っている。オジエは、この日のスタート時点で24.9秒あったミケルセンとの差を確実に詰めてきた。オジエもタナックと同じソフト3本/ハード2本というタイヤ選択をしており、それが効果を発揮した格好だ。
また、SS10の名物“パンツァープラッテ”は、トヨタのユホ・ハンニネンがベストタイム。SS2番手のオジエに2.4秒差をつける快走を披露した。総合3番手につけていたヒュンダイのティエリー・ヌービルはSS9でサスペンションを破損し、この日の競技続行を諦めている。
サービスをはさんでラリーは2度目のループへ。SS13〜15はヒュンダイのダニ・ソルドが3連続ベストタイムをたたき出して存在感を見せるが、前日のリタイアが響き上位入賞は望み薄といったところ。SS16はオジエ、SS17はトヨタのヤリ‐マティ・ラトバラがそれぞれベストタイムをマークしている。一方、総合首位のタナックは午前中の差を見てペースをコントロール。リスクを避けつつミケルセンとの差をキープすることに成功した。ミケルセンは一時オジエに4.5秒差まで迫られるものの、最終的に8.2秒差まで押し戻し順位を守った。
総合4番手以降はMスポーツのエルフィン・エバンス、トヨタのユホ・ハンニネン、シトロエンのクレイグ・ブリーン。7番手にはラトバラがつけている。2番手争いのミケルセン対オジエ(8.2秒差)、4番手争いのエバンス対ハンニネン(4.2秒差)が最終日の注目ポイントとなりそうだ。
競技最終日はSS18〜21の4SS。ふたつのSSを2度走行する構成で、SS距離は51.94kmとなっている。オープニングのSS18スタートは日本時間20日午後2時25分予定。
WRCドイツSS17終了後暫定リザルト
1. オィット・タナック(フォード・フィエスタWRC) 2:31:32.2
2. アンドレアス・ミケルセン(シトロエンC3 WRC) +21.4
3. セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC) +29.6
4. エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC) +1:48.3
5. ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC) +1:52.5
6. クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC) +2:06.7
7. ヤリ‐マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC) +4:04.9
8. ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC) +4:31.3
9. エリック・カミリ(フォード・フィエスタR5) +8:41.9
10. アルミン・クレーマー(フォード・フィエスタWRC) +8:54.5