2010年開幕戦のラリーモンテカルロを約1カ月後に控え、マシンをスイッチするドライバーの動きがちらほらと見えるようになってきた。
先週11日に、シュコダより2008年のIRCチャンピオンであるニコラ・ブイヨーがラリーモンテカルロでチームに加わる旨発表がされた。さらに、2009年三菱ランサーエボリューションIXで出場していたフランツ・ビットマンもシュコダ・ファビアへのスイッチを考えているという。
そのファビアは現在2010年規定に合致した“エボリューション”を製作、ヤン・コペッキー、ユホ・ハンニネンにブイヨーを加えた3人でモンテカルロに向けたテストを精力的に行なっている。
シュコダ・モータースポーツのマネージャー、ミカル・フラバネクは以下のようにコメントした。
「ラリーモンテカルロは2010年シーズンにおいて最も重要なイベントのひとつだと思っている。それに、他のどのラリーと比べても群を抜いてチャレンジングだ。2009年のモンテカルロでは、その後のシーズンに向けてチームクルーのモチベーションを上げる非常にいい結果を出すことができた。デビュー戦だったファビアS2000はそのポテンシャルを見せつけることができた。2010年のモンテカルロもそうありたいものだね。
ニコラ・ブイヨーは知ってのとおりトップクラスのドライバーだ。IRCでの戦績も目覚ましいものがある。モンテカルロ参戦にあたって彼の加入はとても心強い。それだけでなく、我々のビジネスにも貢献してくれるものと考えている。フランスは我々にとってターゲットマーケットのひとつだ。ファビアS2000にとっても、シュコダそのものにとってもね」
このような流れの背景には、(現時点でIRC登録している)もっとも優れたS2000マシンがファビアであることに加え、フィエスタS2000を発表したフォード/Mスポーツが現時点でIRCにマニュファクチャラー登録を行なっていないことが考えられる。またPWRCでもパトリック・サンデルが駆り戦績を残しているファビアの方がユーザーにとっても安心であることは間違いない。
バラエティに富んだマシン、メーカーはIRCの売りのひとつと言える。つい先日もスバルがマニュファクチャラー登録することを発表したばかりだ。しかしこのままシュコダの独走が続けば、やがてはこの構図も危うくなる可能性もある。グランデプントの限界が見えはじめたアバルトや、3年連続王座を獲得したものの“フェイズ2”の登場が待たれるプジョー、今後の開発が待たれるプロトンなど他チームの巻き返しはあるのだろうか。