WRC最終戦フォーラムエイト・ラリージャパン2023開催まで1週間ほどとなった2023年11月7日(火)、このラリージャパン参戦のために帰国している勝田貴元が、自身の母校である長久手市立南小学校を訪問。後輩となる児童たちにラリーの魅力を伝え、デモンストレーションランを披露した。
この特別授業を受けたのは、長久手市立南小学校の5年生の児童たち。体育館に集まった125名の児童には、まずはTOYOTA GAZOO Racingのスタッフからラリーについての簡単な講義が行われ、次に、南小学校に昨年に引き続いてやってきた勝田がこの学校での2度目の講義を行う流れとなった。小学生時代はサッカー選手になるつもりでいたことや、将来に向けた夢をもつことが大切だと語りかけた。
そして、事前に集められた質問の中から「ラリーカーを運転している最中、酔うことはありますか?」、「ラリーを行っている中で一番うれしい、楽しい瞬間はいつですか? 逆に悲しい、悔しい瞬間はいつですか?」、「今、ラリーにおいて一番意識していることは何ですか?」、「ゴールした瞬間は、どんな気持ちですか?」、「一番尊敬している人は誰ですか?」、「苦しい時や挫折しそうな時、どのようにして立ち直ってきましたか?」、「今後の目標について教えてください」という7つの質問について、直接勝田が答えるセッションが設けられた。
そのラリー講義が終わると、学校の校庭でデモンストレーションランの時間となった。すでに校庭にはトヨタ・ヤリスWRCが用意されており、エンジンがかけられる。南小学校の立地は閑静な住宅地の中ということもあり、激しいエキゾーストノートが響き渡るのも住民の了解も得たうえでの実施だという。学校の近所の住民も校庭の脇からこの様子を見守っていた。
この日の早朝まで降っていた雨の影響もあって、校庭の隅にはまだ水たまりもあったものの、豪快に砂をまき散らしながら走行を重ね、幸運な4名の児童がそのデモランの助手席に座ることができた。クラスメイトたちはGAZOO Racingの赤いフラッグを振りながら「がんばれー!」と、乗車する児童に声援を贈り、世界トップドライバーの助手席に座るという貴重な体験をする児童も、デモラン中も手を振ってこれに応えていた。そして、いずれの児童もデモラン後には笑顔で車両から降りてくる姿が印象的だった。走行後は記念撮影を行い、車両を取り囲んだ児童たちとの触れ合いの時間となった。
勝田はその後、長久手市役所に出向き、佐藤有美長久手市長、大澤孝明長久手市教育委員会教育長、長久手市のくらし文化部・門前健部長、高木昭信次長の4名が表敬訪問を受けた。9月に長久手市長に就任した佐藤市長は、この南小学校でのラリー教室とデモンストレーションランを視察しており、「ラリーカーが走っているところを直接見たことがなくて」とその迫力ある走りに感動していた様子。
今大会では勝田とラリージャパンが協力して、“長久手市の小学生を対象に、豊田スタジアムのSSに招待する”という企画を実施。勝田が一部費用を負担し、保護者も合わせて約1000人の招待が実現したことから、佐藤市長からはそれについて感謝の言葉も。話の内容はラリー競技の大変さから、交通安全の意識といった話にまでおよび、最後は子どもの話になり、フィンランドでの教育まで、多岐にわたった。
FIA世界ラリー選手権(WRC)最終戦「フォーラムエイト・ラリージャパン2023」は、2023年11月16日(木)より開幕となる。
(Yoshiaki Aoyama)