WRCラリージャパン、土曜日終了後の各ドライバーからのコメント(抜粋)。金曜日に波乱を起こした雨は止んだものの、乾ききらない路面によって、この日も各選手を悩ませていた。トップ3を占めるトヨタの各クルーは、チームの母国での優勝を表彰台独占で華を添えようと、あと1日リスクを冒さず戦うことに集中している。
(カッコ内は順位の前日比)
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッド
■エルフィン・エバンス/総合首位(=)
「昨日よりも路面は乾いているものの完全なドライではなく、今日も非常に複雑なコンディションだった。リスクを冒さないようにしていたが、わずかなスリップが命取りになるこのようなステージでは非常に大変だった。後続との差を維持することに集中した。午後の2本目のステージでみぞれが降ってきたときは、まさかと思ったが、無事に走り切ることができた。明日もまだまだ先は長く、ステージがチャレンジングなのは知っているから、簡単にはいかないだろうと心構えている」
■セバスチャン・オジエ/総合2番手(=)
「まだ異常なコンディションのところはあったが、よい1日だった。午前中は雨は降っていないものの、非常に滑りやすいところがあり、午後には雨がふるかもしれないと予想していたが、雪が降り出した。このことで先に出走した選手よりも遅れを取ってしまったが、順位を落とすまでには至らなかった。チームの目標である1-2-3を維持し達成する必要があるし、タカも順位を上げてきている。まだ残りの距離は多いものの、現状は良いと思う」
■カッレ・ロバンペラ/総合3番手(=)
「今日もトリッキーなコンディションだった。路面が午前中にもっと乾いてグリップが得られるかと思っていたが、雨は十分に乾いてなく、滑りやすく水も残っていた。路面に対してベストなセットアップではなかったが、まずまずの走りができた。ドライコンディションでステージを周回できるかと思っていたら、雪が降り出すなんて、本当に困った天候だ。午後の中間2本目のステージの最後の数kmではタイヤ温度が下がり、とてもトリッキーだった。目標はチームのために今の状態を維持することで、明日も天候は回復しなさそうなので、フィニッシュを目指しコース上に留まるようにする」
[ヒョンデ・モータースポーツ]
ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド
■エサペッカ・ラッピ/総合4番手(↑)
「昨日の午後にペースアップしようとした試みが、今日も同様に続けられた。コンディションが少し良くなったのに加えて、タイヤフィッティングゾーンで行ったバランス調整がとてもうまくいき、所々の期待の持てるスプリットタイムとなった。不幸にも雨で好タイムにはならなかったが、良い方向に進んでいる。いくつかのコーナーでは非常に大きなアンダーステアを出してしまったが、とどまることができた。今日の勝田は非常に好調だったので、明日の戦いはタイトなものになりそうだ。もっと差を広げておきたかったが、ペースが十分ではなかった。明日は良くなることを期待する」
■ティエリー・ヌービル/総合17番手
「昨日マシンに受けたダメージは、それほど大きなものではなく、チームが素晴らしい仕事をしてくれたおかげで直り、出走することができた。大変な道のりで、順位についてできることは限られているが、チームとして少なくても2台は戦いに残る必要がある。思い切ったタイヤ選択をして、今後のために情報を得るという手もあるが、今年の天候は特異すぎて、今後同じようなコンディションになるとは考えにくい。まだ、滑りやすいコンディションの場所も残っていたが、うまく走り切れ、いいペースで走れたことを収穫として明日の長い戦いも同じ様に戦いたい」
[Mスポーツ・フォードWRT]
フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1
■オィット・タナック/総合5番手(↑)
「今日はトラブルフリーで走ることができてポジティブな1日だった。1年かけてクルマの戦闘力を上げてきたので、あと1日フィニッシュまで戦うだけだ。今年のマシンの状況を考えると、迫ってくるタカ(勝田)との戦いは、正直厳しい。残り84km、明日もトリッキーなステージが待っている。昨日、今日と走ってきたようなスローで狭い森の中や、反対に少し広くてスピードの出るアグレッシブな路面もある」