2023年オーストラリアラリー選手権は、最終戦ラリーオブキャンベラ(グラベル)が11月18日〜19日に開催され、トヨタ・ガズーレーシング・オーストラリア(TGRA)のハリー・ベイツとコーラル・テイラー(トヨタGRヤリスAP4)がタイトルを獲得した。
チームの拠点であるオーストラリアの首都キャンベラで開催されたこのイベントを前に、選手権争いでは弟のルイス・ベイツ/アンソニー・マクローリンが23ポイントのリードを握っての首位に立っていた。しかし、ラリーが始まるとハリーが11SS中7本でステージウインを奪取。ルイスに3.9秒の差をつけて最終パワーステージを迎えた。
このステージで会心の走りを見せたハリーは、2.1秒差をつけてのベストタイムをマーク。ラリーを制したほか、タイトル争いではルイスをわずか1ポイント上まわって、王者の座を勝ち取った。2023年のタイトルは、ハリーにとって2度目、テイラーにとっては5度目となる。またトヨタは、前戦アデレードですでに今季のマニュファクチャラーズタイトル獲得を決めている。
「今シーズンはルイス/アンソニーと毎戦、最大ポイントを争ってきた。この最終戦は、そんなシーズンを表しているかのようで、波乱の連続だった」とハリー。
「この週末、何度も首位が入れ替わったが、タイトルを獲るためにはこのラリーで勝ち、パワーステージでポイントを獲得しなければならないとわかっていたので、とにかくペースを上げ続け集中を維持した。ルイスとアンソニーとは、本当に僅差だったからね」
「この週末を勝利で収められて本当によかった。僕ら4人は必死で戦ったし、チームはマシンをしっかり準備してくれたので、この勝利はコーラルと自分だけのためではなく、TGRA全体のものだ」
トヨタ・オーストラリアのチームマーケティングオフィサー、ビン・ナイドゥーは、激戦を展開したハリーとテイラーはルイスとマクローリンを称え、オーストラリアのラリー界にとって素晴らしいシーズンだったと評価した。
「ハリーとコーラルは、週末を通して見事なドライビングでタイトルを獲得してシーズンを締めくくっただけでなく、シーズンを通してトップを目指すために常にプッシュしてくれた」とナイドゥー。
「ルイスとアンソニーにとっても信じられないようなシーズンになった。素晴らしい走りで、最終戦の最終ステージまでタイトルを争った。各戦でポディウムに上がったこと自体も素晴らしい結果だ。とても誇らしく思う」
「最後に、ニール・ベイツ・モータースポーツが運営するTGRAにも、心からの感謝と祝福を送りたい。一年を通して見事なパフォーマンスで、TGRAをシーズン1‐2、マニュファクチャラーズタイトル獲得に導いてくれた。ニール・ベイツ・モータースポーツ一同の活躍のおかげで、勝利を重ねることができたのは素晴らしいことだ」
ARC最終戦キャンベラ 最終結果
1 H.ベイツ(トヨタGRヤリスAP4) 2:01:03.0
2 L.ベイツ(トヨタGRヤリスAP4) +6.0
3 E.マグワイア(シュコダ・ファビアR5) +2:02.5
4 T.ギル(スバル・インプレッサWRX) +3:22.4
5 L.アネア(フォード・フィエスタMkII) +3:34.2
6 T.ドウェル(フォード・フィエスタ・ラリー2) +3:42.9
7 M.テイラー(スバルWRX STI) +4:25.2
8 P.ルロ(ヒョンデi20ラリー2) +5:26.8