Mスポーツ・フォードは、2024年のWRCでフォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1を駆るドライバーズラインナップとして、アドリアン・フルモー/アレクサンドル・コリアとグレゴワール・ミュンステール/ルイス・ルーカを発表した。
フルモーとミュンステールはいずれも、2023年はラリー1での参戦は限定的でWRC2部門を主軸に参戦していたが、2024年はラリー1マシンでのフル参戦シートを獲得した。Mスポーツ・フォードは若手育成において長い歴史を誇り、今後も才能あるドライバーをトップレベルのドライバーに育てていく姿勢を見せている。
フランス出身のフルモーは、2023年はサルディニアでWRC2部門優勝、フィンランドでも2位に入ったほか、選手権ノミネート外で参戦したセントラルヨーロッパではWRC2勢最上位でフィニッシュ。さらに英国ラリー選手権でタイトルを獲得した。
ルクセンブルク出身、24歳のミュンステールは、ベルギーのジュニアタイトルを2回獲得しており、WRC2参戦を開始した2022年は、トップ5フィニッシュを連発。このトシのラリージャパンでWRC2部門優勝を飾っている。2023年からMスポーツ・フォードに入り、フィエスタ・ラリー2で参戦を始めると、ギリシャでWRC2チャレンジャー部門勝利。フィエスタ・ラリー3で参戦したエストニアでは、ジュニアWRC部門での優勝も獲得している。2023年は、チリとセントラルヨーロッパでラリー1での参戦にも挑んでおり、特にセントラルヨーロッパでは自己ベストの4番手タイムをマークした。シーズンを通して安定した速さを見せ、2024年は念願のラリー1マシンでのフル参戦に臨む。
両クルーは2024年、新しいカラーリングのプーマ・ハイブリッド・ラリー1でラリーモンテカルロから参戦。新しいリバリーは、2024年1月12日に英国で開催されるオートスポーツインターナショナルショーで披露するとしている。
チーム代表のリチャード・ミルナーは「2024年はこれまでと違うアプローチを採る。若手が才能を披露するために支えて育成していくという、エキサイティングな形でWRCに挑んでいく」とコメント。
「トップ陣の中にはフルシーズンを戦わないドライバーも何人かいるので、若手がサプライズを起こすようなチャンスも生まれるだろう。まだ結果を残すための体制は整っているので、チームは、モンテカルロからほぼ白紙の状態で再スタートする意欲を燃やしている。クルーはいずれも強い決意を持ち、モチベーションを高めている。若いチームは素晴らしいエネルギーを生み出すことができる。また彼らと一緒に取り組んで、秘めた力を引き出すことを楽しみにしている」
2024年はシーズンを通してラリー1マシンで参戦することが決まったフルモーは「2024年にまたラリー1に乗ることが決まり、とてもうれしい」とコメント。
「このシートを獲得することが2023年の目標だったので、来年、プーマでフルシーズンを戦えることにワクワクしている。Mスポーツ、フォード、レッドブルが自分を信頼してトップレベルでの参戦チャンスを与えてくれたことを、うれしく思う。2023年はフィエスタ・ラリー2で成長することができたし、これからラリー1で戦うシーズンにも役立つと思う。新しい規定やポイントシステムも導入されるので、誰にとっても興味深いシーズンになるだろう。必死に取り組んで最高の結果を出し、チームが本領を発揮できるための計画を立てている。また、WRCのトップレベルでフルシーズンを戦う唯一のフランス人ドライバーであることをとても誇りに思うよ!」
ミュンステールは「2023年にほぼWRC2をフルシーズンで戦ったことは、とてもポジティブなことだった。ほぼすべてのWRCラウンドに参戦して走行経験を積むのは、自分にとって初めてのチャンスだった」とコメント。
「プーマで2回参戦したことは、2024年の準備に向けてもとても役立つ。WRC2チームとラリー1チームが同じ体制で仕事をしているので、ラリー1での参戦を準備する上でも、慣れ親しんだアットホームな雰囲気を感じることができるよ! モンテカルロのスタートが待ち切れないし、2024年はいいリザルトを残してラリーの度にペースを上げ、ミスを避けてとにかく経験を積むことを目指す。世界チャンピオンを相手に戦っていくのでビッグチャレンジになるが、心から楽しみにしている」