【ワールドラリーカレンダー2024】小林直樹カメラマンが語るカレンダー撮影秘話 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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【ワールドラリーカレンダー2024】小林直樹カメラマンが語るカレンダー撮影秘話

 

明けましておめでとうございます。本年もラリープラスをよろしくおねがいいたします。

さて、小林直樹カメラマン撮影のWRC写真で彩る「ワールドラリーカレンダー2024」、お楽しみいただいておりますでしょうか。そのなかに掲載されている写真について、小林カメラマンのひと言コメントとともに撮影秘話をご紹介していきます。

RALLY PLUS

カレンダーのコンセプトは、“絵画的に楽しんでもらえる世界の絶景とWRCマシン”。小林カメラマン曰く、「クルマは小さいですが、ラリーカーと一緒の世界感を楽しんでもらいたいという思いでセレクトしました。その国らしさが伝わり、『こんな場所でラリーをやってるんだ』っていうことも知ってもらえるような写真を集めました!」とのこと。もちろん、まだ発売中です! ご自分へのお年玉に、いかがでしょうか? ではさっそく、表紙から色々と聞いてまいりましょう。

WORLD RALLY CALENDAR 2024
ワールドラリーカレンダー2024

A2変形判・13ページ・オールカラー
撮影: 小林直樹
発行: 合同会社サンク
価格: 2860円(税込)
送料: 600円(税込)※沖縄・離島は1200円となります(税込)

ラリプラショップで購入

表紙

Naoki Kobayashi


ここはサルディニアです。メインで別のカットの写真を撮るのを待っている間に撮った写真です。写っているクルマは本当に小さいですがフォルクスワーゲン・ポロですね。ステージは写真の左側からずっと手前まで続いています。グラベルラリーは遠くからでも砂煙が見えて、マシンがどこにいるのかが分かるから、お客さんもみんな位置を確認しながら楽しんでいましたね。

1月

Naoki Kobayashi


いつもモンテカルロでは絶対に雪を入れ込んだ写真を撮りたいと思っているのですが、この年は全然雪がなくて大変でしたね。この写真はリエゾンなんですが、雪を求めてスキー場のステージまで行って、ヨーロッパらしい写真にしました。

岩肌に雪というシチュエーションは、日本のラリーにはあまりありませんし、晴れているけどヨーロッパの冬の厳しさという雰囲気を見せたかった写真です。

2月

Naoki Kobayashi


ヨルダンはこの年初めて行ったので、勝手が分からずに色々とドキドキした印象です。レッキ中には軍の演習が行われていたり、緊張感のある場所でもありましたね。

この撮影ポイントは、相当歩いてこの場所まで行った思い出です。たぶん写真の奥に見えるスタート地点から歩いたんじゃないかな? 気温が40度になるくらいの場所を4〜5km歩いて撮ったことも覚えています。写真では積み重なった地層が中東の感じが出ているのでお気に入りです。見た目どおりに崩れやすい地形で、足場が崩れて危なかった、なんてこともありました。

3月

Naoki Kobayashi


世界遺産のグアナファトが入って、メキシコのカラフルな街並みと一緒に写真が撮れる場所を探しました。中心の奥の方がグアナファトの街です。撮影ポイントの周りも家だらけで、家と家の隙間から撮影しました。けっこう高低差のある場所です。

壁がカラフルなのはメキシコ独特ですよね。メキシコはステージ自体には人がたくさん観にきていますが、この写真を撮影した時、朝イチのステージに向かう途中だったかな? 朝が早かったということもあり、沿道にはあんまりお客さんがいないですね。

4月

Naoki Kobayashi


これはカタルーニャのリエゾンなんですが、僕の中ではけっこう好きな写真です。この街で何かを撮りたくて、ウロウロしていて見つけた場所です。

このアーチを活かして写真が撮りたかったんですが、奥まっている場所なので、ラリーカーの位置を音で判断するしかないうえに、当時のカメラだとちょうどこのアーチの真ん中にマシンがくるタイミングで捉えられるかどうか分かりませんでした。さらに途中でこのおばあちゃんが歩いてきちゃって、失敗かなと思ったんだけど、このセバスチャン・ローブが来た時に1枚だけ撮れたカットが結果的にいい写真になりました。絶景とは少し毛色が違いますが、絵画的な良さがあると思います。ワンショットだけの緊張感が、いま思い出すと良かったですね。

5月

Naoki Kobayashi


葡萄畑の中に民家があったり、葡萄畑を経営する農家やワイナリーなんかがあって、そういった要素を含みながら畑の中を走る感じがすごくいいなと思って撮影した写真です。

ここは撮影と撮影の合間にこのあたりのレストランでおいしい食事をしたり、楽しかった思い出があります。このあたりは土地が結構平坦ではあったんだけど、それでも丘になっているところを探して撮影しました。葡萄畑越しに撮る葡萄畑というのが印象的でした。

6月

Naoki Kobayashi


これはラリージャパン初年度の2004年ですね。とにかく日本で初めてのWRCで我々も興奮していましたし、WRCらしい写真、北海道らしい写真を撮りたいってずっと思っていて、やっと見つけた場所です。

僕のなかではWRC=ヘリコプターみたいな印象があって、一緒に撮れたら最高だなと思っていました。天気も良くて、いかにも北海道らしい写真が撮れて安心しました(笑)。この「パウセカムイ」はラリー北海道で使っていますが、今は観戦エリアやメディアポイントには設定されていない場所です。当時ギャラリーの皆さんはバスで来ていましたね。観客スタンドがある場所もいいですが、こうやって原っぱにみんなが散らばって観ているのもラリーっぽくて好きです。

7月

Naoki Kobayashi


これはドイツですね。手前のヒマワリ狙いの写真です。ヒマワリって色々な場所に咲いているんですが、花の向きがけっこうバラバラで、比較的カメラの方を向いているヒマワリが多いのが多いのがこの場所でした。レッキの時は分かりませんでしたが、ギャラリーも結構いますし、写真の奥の方には街が写っていたり、色々な要素を入れ込んでいます。

8月

Naoki Kobayashi


白い建物と青い海。まさにギリシャっぽいのが好きなカットです。これはサービスに戻るリエゾン区間で、海岸沿いの位置を狙って撮りました。この撮影ポイントは苦労して見つけたというより、海が見える綺麗な場所を探していたら、下にリエゾン区間と海が一緒に映る場所をたまたま見つけたんです。この海沿いはレストランとかホテルが多いリゾート地で、僕も写真の中のどこかにあるホテルに泊まりました。夏は海水浴で盛り上がるみたいですよ。

9月

Naoki Kobayashi


ラリーGBって、とにかく天気が悪い印象なんですよね。この時も天気は良くなかったけど、路面が乾いていました。ラリーGBには珍しく砂煙があがっていて、緑と砂煙が面白いなと思って撮影した写真です。

カメラの性能的に精一杯引きの写真です。ここは軍事施設の中でラリーをやる場所で、写真下の方からずーっと登って、クルマが写っている位置あたりから下りが続く区間です。草が生えている部分は湿地帯で、小さな川が流れたりしています。歩いて移動するにはぬかるんでいたり、簡単に動ける場所ではありませんでした。

10月

Naoki Kobayashi


これはまだ最近、2019年のスペインで朝一発目に撮った写真です。影の長さを見てもらえば分かるとおり、ほぼ真横から朝日が照りつけている感じを撮りたくて、丘の上にどんどん登って撮ったのを覚えています。ギャラリーもいっぱいですし、光の差し方が本当に綺麗ですよね。

スペインは集落を通過するステージが多く、教会や古びた街並みなどスペインでしか感じられない良さがあります。日中もいいですけど、朝日の方が絶対綺麗だと思っていました。到着した時はまだ真っ暗でしたよ

11月

Naoki Kobayashi


これはもうラリージャパンの定番の場所になった岐阜県恵那市の岩村町ですね。日本の歴史を感じながらWRCも感じることのできる場所だと思います。これは手前にも人を入れ込んで、かなり後ろの方から撮影しました。クルマを取り囲むように人がいて盛り上がり感がありますし、日本語の看板や家並みがラリージャパンって感じがしていいですよね。

12月

Naoki Kobayashi


これはモンテカルロでのヨットハーバー。夜遅い時間、23時頃かな? 真ん中のパルクフェルメにラリーカーが置いてあるシーンです。この年はこの場所にサービスはなく、内陸のギャップでサービスを終えてモナコに移動し、最終日にチュリニ峠のステージを走る構成だったと思います。

横の海沿いはF1のコースになっていて、プールサイドコーナーのところ。コースとパルクフェルメの間は、夏はプールで冬の間はスケートリンクだったかな。この写真は王宮側の高台から撮影しました。夜の写真ってあんまり撮らなかったんだけど、モンテカルロだとやっぱり夜でも綺麗ですよね。


RALLY PLUS

全体を振り返って、小林カメラマンが一番お気に入りの写真はスペインの朝日が当たっている写真だそうです。
「スペインの街並みも本当に好きだし、なにより苦労して撮っていい写真が撮れたうれしさや達成感があるのも撮影の醍醐味ですよね」

そんな絶景カレンダーをぜひあなたの手に!
まだまだ好評発売中です!

WORLD RALLY CALENDAR 2024
ワールドラリーカレンダー2024

A2変形判・13ページ・オールカラー
撮影: 小林直樹
発行: 合同会社サンク
価格: 2860円(税込)
送料: 600円(税込)※沖縄・離島は1200円となります(税込)

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