ランチアが、新型イプシロンのラリー2車両でWRCの舞台に戻ってくるのではという話が挙がっている。
イタリアの『アウトスプリント』によると、ラリーのアイコン的なブランド、ランチアを所有するステランティスは、かつて席巻していたラリー競技へ復帰する先駆けとして、新型イプシロンのラリー2バージョン製作に向けてゴーサインを出したという。
WRCのマニュファクチャラーズ選手権を計10回制しているランチアは、ミキ・ビアジオン、ユハ・カンクネンでもドライバーズタイトルを4回獲得している。しかし、1991年シーズンを終えてワークスレベルでの参戦から撤退。同社の競技部門は、1993年に閉鎖された。
30年の空白を経て、ランチアのラリー復帰への動きは、早ければ来月にも現実のものとなるかもしれない。アウトスプリントは、イプシロン・ラリー2プロジェクトについて2月14日に公式発表を予定していると報じている。
ランチアのラリー復帰は、ステランティスのチーフであるカルロス・タバレスが主導している。タバレスはかつて自らもラリーに参戦するなどモータースポーツ好きとして知られ、シトロエンのC3 WRCプロジェクトの指揮を執っていた。2022年のヒストリック・モンテカルロラリーでは1975年仕様のランチア・ストラトスHFを走らせ、ラリーへの関心をアピールしていた。
ランチア・ラリー2のプロジェクトが立ち上がることで、シトロエンのこのカテゴリーへの参入が終わることは、ほぼ間違いないだろう。シトロエンも同じくステランティス傘下にあり、C3ラリー2はWRC2や地域選手権での活躍には定評があるが、ステランティスグループの焦点は、C3の後継車としてイプシロンの開発に移るものとみられる。
ラリー2プロジェクトに関して、ランチアからは公式なコメントは出ていないが、1月5日には米国とカナダでランチア・ラリー037のWRC制覇を綴った映画「RACE FOR GLORY」が公開されている。
(Graham Lister)