ベルギー国内ラリー選手権の最終戦、コンドロスラリーに三菱ランサーWRC05で出場していたフランソワ・デュバル。イベントをリードしていたにもかかわらず、初日最後のステージでコースオフを喫し電柱に激突、リタイアの憂き目に遭ってしまった。
デュバルはスタート直後から速いペースで攻め、最初の3ステージでピーター・チョーエンの駆るフォード・フォーカスRS WRC07に次ぐ2番手につけていた。4つめのSSではベストを出し、チョーエンとのギャップを3.6秒に詰めるなど、MMLのプリペアするランサーWRC05で健闘。対するチョーエンも負けじとベストタイムで応戦するも、SS6-7-8とデュバルが3連続ベストで逆転を果たし、チョーエンを15.6秒後方に従えラリーリーダに立つ。初日は残すところ2本のステージのみ。
しかし、ここにワナが潜んでいた。小雨の降る6.58kmのSS9、フィニッシュの約2km手前でデュバルのランサーはコースオフし電柱に激突。これでサスペンションが丸ごともげてしまい、万事休す。
MMLのマネージングディレクター、ジョン・イーストンは語る。
「大変に遺憾だ。なにせリードしながらリタイアしてしまったんだからね。もちろん、フランソワの速さは疑う余地のないところだ。ランサーをあっと言う間に手懐けて、今年ランサーに乗っていた他のドライバーと同じくらいのポテンシャルを見せてくれた。
残念ながら今回は勝つことはできなかったが、ノートにも問題はあった。フランソワは右コーナーを深くカットしすぎてバンクにヒットしてしまったんだ。マシンが弾かれた反対側、コーナーの出口には電柱が立っていたというわけさ。したたかに打ち付けられたマシンは左リヤサスペンションを失ってしまった。それまでのペースを見ていて、ほとんど勝ったと思っていたんだがね。
我々はフランソワのリクエストどおりにマシンをセットアップしていった。ジオメトリーを変更し、車高を変え、アンチロールバーのセッティングを変え、ダンパーの減衰を変えてね。実際マシンは水を得た魚のようにステージを駆け抜けた。リタイアする前のサービスでは、もう何年もランサーをドライブしていたのではと思うくらいフランソワも馴染んでいたからね」
なお、ラリーはピーター・チューンが優勝を飾り、ベルギー国内チャンピオンを獲得している。