今週開幕するWRC第1戦ラリーモンテカルロ。ヒョンデ・モータースポーツは、ティエリー・ヌービル、チームに復帰するオィット・タナックのフル参戦ドライバーふたりに加え、ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッドのサードカーをアンドレアス・ミケルセンに託す。3クルーは2週間前にイベント前テストを実施。特に、ラリー1マシンでの参戦は初めてとなるミケルセンにとっては、貴重な時間となったようだ。
チーム代表と兼任する形でヒョンデ・モータースポーツの社長就任が発表されたシリル・アビテブールは「2024年のWRCシーズンが開幕し、またステージでの戦いに戻れることを楽しみにしている」と意欲を見せる。
「アイテナリーや現状の天気予報から、今回のラリーモンテカルロは昨年とはかなり違った状況になりそうだ。我々の目標は、クリーンな週末にしてタイトル争いが仕切り直しとなる機会を最大限に活かすことだ。シーズンは長いし、新たに加わるオィット、アンドレアスもいるので、トリッキーなコンディションの中で勢いをつかむためには多少時間がかかることを覚悟しなくてはならない。また、新しいポイントシステムで戦うのも、みんなが初めてだ。いいパフォーマンスを見せたいし、そのための準備はできていると信じたい」
ヒョンデからのWRC参戦11年目を迎えるヌービルは「11年目もヒョンデと一緒に旅を続けることができてうれしい。自分に全幅の信頼を置いてくれているし、自分はこの2年間はマシンの開発にも貢献してきた」と語る。
「2024年に目指すのは、ドライバーズ、マニュファクチャラーズの両タイトルに向けてハードにプッシュすること。そのための第一歩は、モンテカルロでいい走りをすることだ。天気の予測が難しく路面変化も激しいので、特に夜はチャレンジング。これまでも競争力を見せられているラリーなので、どうすればポディウムに上がれるかも心得ている。今年は最高のリザルトを狙っていきたい」
Mスポーツ・フォードで1年を過ごし、再びヒョンデからの参戦を迎えるタナックは、これが150回目のWRC参戦となる。
「モンテカルロでシーズンの開幕を迎えるのは、チャレンジングなものだ。今年は拠点がギャップに戻るので、ここ数シーズンよりも雪やアイスが増えて、コンディションがミックスになってトリッキーになると予想している」とコメント。
「テストは1日しか走れなかったが、コンディションには恵まれて、スリックタイヤでウエットや凍った道を走ることもできた。全体としてマシンのフィーリングはいいし、いいリズムもつかんだ。このラリーでの目標はポディウムフィニッシュだが、もちろん、できる限りいいリザルトのためにプッシュする」
昨年はWRC2タイトルを奪還し、待望のトップクラス返り咲きを果たしたミケルセン。2022年のモンテカルロでは、WRC2優勝を飾っている。コ・ドライバーのトルステイン・エリクセンは、これが50回目のWRC参戦となる。
「WRC2からトップクラスに戻ってくるのは本当にワクワクするし、ヒョンデ・モータースポーツに戻ってきてとてもいい感じがしている」と待ち切れない様子を語るミケルセン。
「マシンも規定もまったく新しいので、昨年とは環境がかなり違うが、このチャレンジに挑む準備はできている。今年をモンテカルロから始められるのは、本当にハッピー。いろいろな点で戦う要素があるエキサイティングなラリーだ。タイヤチョイスの戦略はここでは成功の鍵を握る大きな要素となるので、マシンにあまり慣れてなくてペースを完全につかめていなくても、いいリザルトを収めるチャンスがあるということ。最大限いいリザルトでラリーをフィニッシュしたいし、2022年はWRC2優勝を飾っているので、できる限り多くのポイントを獲るために最後の最後までプッシュしていく覚悟だ」