今週開催されるWRC開幕戦ラリーモンテカルロに、Mスポーツ・フォードは今季のフル参戦ドライバーを務めるアドリアン・フルモー、グレゴワール・ミュンステールにフォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1を託す。
チームは、英国で開催されたオートスポーツ・インターナショナルショーで今季のカラーリングを公開。1980年代のフォードの伝統的なカラーリングにインスパイアされ、白を基調としたボディに大胆なブルーのストライプが施されたデザインでの実戦は、このモンテカルロが初めてとなり、新しいドライバーズラインナップで臨むシーズンの幕開けにもふさわしいものとなりそうだ。
チーム代表のリチャード・ミルナーは「もうモンテカルロの開幕を迎えるなんて信じられない。日本で2023年シーズンを終えたのが昨日のようだよ!」と語る。
「例年どおりタフなオフシーズンだったが、ドベンバイホールをはじめとするチームの必死な作業と献身的な努力のおかげで、モンテカルロへの挑戦の準備は整った。モンテは、シーズンの幕開けとしては極めて厳しいイベントだが、アドリアンもグレゴワールも十分に準備ができていると感じている。ふたりの鍵となるのは、大きな視野を持って集中すること。まずはこのラリーをフィニッシュしなくてはならない。長いシーズンの始まりであり、一貫性が鍵となる。新しいポイントシステムでは、週末を通してポイントを獲るチャンスが広がったので、今回はポイント獲得が目標。両ドライバーがそれを達成してくれることを楽しみにしている。昨年よりはプレッシャーは少ないが、いずれにしても最高のレベルでのパフォーマンスを強く目指して臨んでいく」
ラリー1マシンで今季のWRCにフル参戦するドライバーとしては唯一のフランス人であるフルモーは、昨年はWRC2部門で活躍を見せたほか、英国選手権タイトルも獲得。最終戦ジャパンでは、ラリー1マシンでの参戦も経験した。
「モンテカルロのテストはとても順調に進んで、初日はミックスコンディションになったが、マシンにはすごくいい手応えを感じた」とフルモーは準備の進捗を明かした。
「とてもポジティブなテストだったし、またラリー1マシンに乗れてすごくハッピーだった。2日目はフルスノーのステージでターマックの部分もあったが、ラリーで雪が降ったらドライビングがどうなるかとても興味深くなってきた。それほどたくさんの雪は降らないような様子だが、少なくとも自分たちは準備は整っているし、山の天気はどうなるか分からないからね! モンテカルロでは過信してはいけない。このラリーには大きな敬意を払わなくてはならないんだ。特に今年のルートは、本格的な山岳エリアが戻ってくるから、スノーや氷のすごく難しいコンディションになることもある。フランスのこの地域はいつもそうなので、タフな一戦になることは間違いないが、本当のチャレンジは天気とステージのコンディションだ」
昨年はチリとセントラルヨーロッパでプーマ・ハイブリッド・ラリー1をドライブしたミュンステールだが、モンテカルロにラリー1マシンで参戦するのは初めて。 しかし、WRC2部門で参戦した際のタイムは、安定したパフォーマンスを披露する能力を示している。
「シーズン前のテストでは、2日間、いい時間を過ごし、1日はスノーで、もう1日はターマックだった」とミュンステール。
「スノーはすごく順調に進んで、ラリーではどんなコンディションになるかは分からないが、しっかり準備できたと思う。ターマックでのテストは、たくさん走行を重ねたし、いろいろなセッティングやタイヤの組み合わせを試した。シーズン開幕に向けてモチベーションは高まっているし、楽しみにしている。このラリーでは、ミスなくラリーをフィニッシュして、いい形でシーズンを滑り出したい。ポジティブな形でシーズンを始められれば、その勢いに乗ってペースを高めていくことができる」