2024年シーズンWRC開幕戦ラリーモンテカルロは、1月26日(金曜日)にラリー2日目の6SSを走行し、トヨタのエルフィン・エバンスが、チームメイトのセバスチャン・オジエに4.5秒差をつけて首位をキープした。16.1秒差の3番手にティエリー・ヌービル、1分13秒6差の4番手にオィット・タナックとヒョンデのふたりが入っている。
金曜日は、アルプ-ド-オート地方とオート-アルプ地方の3SSを、ギャップのサービスパークを挟んで2ループする6SS、105.72km。16.68kmを走行するSS3、路面は一部雪や凍結している箇所があり、非常にトリッキーなコンディションとなった。ベストを記録したのは、初日の段階で2番手につけていたヌービル。首位のエバンスは5.3秒差の2番手タイムでまとめ、しっかりとポジションを守った。
このステージ、スタートから7.7km地点の凍結したセクションで、タナックがアウト側にスタックし、40秒のロス。SS4番手タイムでまとめたアドリアン・フルモー(Mスポーツ・フォード)が総合4番手に浮上した。さらに、総合6番手の勝田貴元(トヨタ)もタナックと同じ場所でコースオフ。観客の助けを借りたものの、5分以上コース復帰がかなわず、19番手まで順位を落としている。「自分のミスです。とにかく走り続けて、何ができるか考えます」と、勝田は肩を落とした。
SS4はオジエが、エバンスに1.0秒差をつけて今ラリー初のベストタイムをマークした。リヤをスライドさせたヌービルはスピンを喫して数秒をロス。これで総合3番手につけるオジエが、一気に3.1秒差にまで迫ってきた。ベストから1.8秒差のSS3番手タイムでまとめたタナックは、フルモーを捉えて総合4番手に順位を戻している。
この日最長の18.31kmを走るSS5も、オジエがエバンスに11.2秒の大差をつける連続ベストをたたき出す。オジエはヌービルをパスし、総合2番手にポジションアップ。首位のエバンスとも10.7秒差と、背中が見えてきた。その後方、24.5秒差の総合3番手にヌービル、1分1秒0差の総合4番手にタナックと、ヒョンデのエースふたりが続く。
ギャップでのサービスを挟んだ午後のセクション、朝の段階では凍結していた路面は乾き、ほぼドライコンディションとなった。SS6はヌービルがオジエに1.6秒差の一番時計。続くSS7もヌービルがオジエに3.5秒差の連続ベストを刻む。首位のエバンスはどちらのステージも3番手タイムに留まり、オジエとの差は8.6秒に縮まった。
SS8スタート時点で日は沈み、各車ライトポッドを装着した状態でスタート。午前中の走行で泥が掻き出された路面で、オジエがこの日3度目となるステージウインをマークした。ヌービルは2.9秒差のSS2番手タイム、路面コンディションを警戒したエバンスは4.1秒遅れのSS3番手タイム。この結果、オジエは首位エバンスとの差を4.5秒にまで縮めて、ラリー2日目を終えた。オジエの11.6秒差にはヌービルがつけており、上位3台によるバトルは明日以降も続きそうだ。
一時、18秒近くのアドバンテージを握っていたエバンスは「セブとティエリーとは、以前も何度かこのような接近戦を繰り広げてきたし、明日がどうなるかだね」と、冷静にコメント。一方、首位が見えてきたオジエは「昨日のこともあったし、出走順の不利を覚悟したけれど、エルフィンとの差を縮めることができて良かったよ。明日は面白くなりそうだ」と、笑顔で語った。
トップ3台から大きく離れて、1分13秒6差の総合4番手はタナック。安定したペースを刻んだフルモーが、1分38秒0差の総合5番手、ラリー1の習熟に努めたアンドレアス・ミケルセン(ヒョンデ)は、2分58秒9差の総合6番手につけている。SS3で大きく遅れた勝田は、その後ペースを取り戻し、総合12番手まで順位を戻した。
競技3日目はSS9〜SS14の6SS、SS走行距離は120.40km。オープニングのSS9は日本時間1月27日の16時5分にスタートする。
WRCモンテカルロ 2日目暫定結果
1. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 1:25:28.9
2. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +4.5
3. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +16.1
4. O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1) +1:13.6
5. A.フルモー(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +1:38.0
6. A.ミケルセン(ヒョンデi20Nラリー1) +2:58.9
7. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +3:27.1
8. N.グリアジン(シトロエンC3ラリー2) +5:18.9
9. P.ロペス(シュコダ・ファビアRSラリー2) +5:20.2
10. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +5:25.1
11. O.ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +5:47.6
12. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +6:56.3