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WRCスウェーデン:選手権リード拡大を目指すTGR、チャレンジプログラムのふたりはラリー2で初WRCへ

©Toyota GAZOO Racing WRT

トヨタ・ガズーレーシングWRTは、2月15日から18日にかけてスウェーデン北部のウメオを拠点に開催される2024年WRC第2戦ラリースウェーデン(スノー)に、WRC2連覇中のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンを今季初めて参戦させる。エルフィン・エバンス/スコット・マーティン、勝田貴元/アーロン・ジョンストンと3台のトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドをマニュファクチャラーズ選手権にノミネート。選手権リードの拡大を狙う。また、ロレンツォ・ベルテッリがカスタマーとして4台目のGRヤリス・ラリー1ハイブリッドで参戦。TGR WRCチャレンジプログラムの2期生、小暮ひかると山本雄紀は、トヨタGRヤリス・ラリー2でWRC2にエントリー。初めて4WD車両でWRCラウンドに挑む。

(以下チームリリース)


WRC 第2戦 ラリー・スウェーデン プレビュー
優勝と選手権リードの拡大を実現すべく
シーズン唯一のフルスノーイベントに挑む

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、2月15日(木)から18日(日)にかけて、スウェーデン北部で開催される、2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦「ラリー・スウェーデン」に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)の3台のGR YARIS Rally1 HYBRIDで参戦。今季初勝利を目指して戦います。

シーズン唯一の「フルスノーイベント」であるラリー・スウェーデンは、雪と氷に覆われた道が舞台となります。チームにとっては素晴らしい思い出のあるラリーであり、TGR-WRT としてWRCに参戦した初年度の2017年、第2戦目のこのイベントで現チーム代表のヤリ-マティ・ラトバラがヤリスWRCを初優勝に導きました。それを含めて過去6大会で4回表彰台の頂点に立つなど、TGR-WRTはこれまでラリー・スウェーデンで好成績を残してきました。

2024年シーズンの開幕戦ラリー・モンテカルロで表彰台の両端を得たチームは、今回のラリー・スウェーデンで2年連続王者のカッレ・ロバンペラがラインナップに復帰します。ロバンペラは2022年にこのラリーで優勝しており、今季もフルタイムでシーズンを戦うエバンスは、2020年大会を制しています。また、前戦モンテカルロに続き今回もマニュファクチャラー登録ドライバーとして出場する勝田も、このスノーラリーを得意としています。勝田は、TGR WRCチャレンジプログラムのドライバーとしてR5車両(現、Rally2車両)で出場した2018年大会で、WRC2カテゴリー初優勝を飾りました。また、2022年はGR YARIS Rally1 HYBRIDで総合4位に入っています。

彼ら3名のドライバーに加え、今回はイタリア人のロレンツォ・ベルテリがTGR-WRTカスタマープログラムのドライバーとして出場。昨年に続き、今年もGR YARIS Rally1 HYBRIDをドライブします。また、モンテカルロでWRCデビューを飾ったGR Yaris Rally2は、今回のスウェーデンにも出場。サミ・パヤリ(プリント・スポーツ)、ゲオルグ・リンナマエ(レッドグレイ・チーム)、ミッコ・ヘイッキラ(TGS)、ローペ・コルホネン(ラウティオ・モータースポーツ)、ヤン・ソランス(テオ・マーティン・モータースポーツ)、そしてTGR WRCチャレンジプログラムの小暮ひかると山本雄紀がWRC2カテゴリーに挑みます。なお、小暮と山本にとっては、今回が4輪駆動のRally2車両で出場する初めてのWRCイベントとなります。

2022年大会より、ラリー・スウェーデンは豊富な積雪が見込まれるスウェーデン北部に開催地を移動。北極線の南側約400kmに位置する北部最大の都市「ウーメオー」にサービスパークを置き、ステージは全て新しくなりました。森林地帯を中心に展開するステージは雪と氷に覆われた未舗装路であり、ラリーカーは金属製のスタッド(=スパイク)が埋め込まれた、雪道専用の「スタッドタイヤ」を装着して走行します。スタッドがしっかりと氷雪路面に食い込むと高いグリップ力が発生し、雪壁に囲まれたコーナーを高い速度で駆け抜けることができます。

2024年のラリー・スウェーデンは15日(木)の午前中にシェイクダウンが行われ、同日の夕方7時過ぎからウーメオーの市街地近くで全長5.16kmのSS1「ウーメオー・スプリント」が行われます。森林地帯での本格的な戦いは翌日16日(金)の朝9時前から始まり、デイ2としてウーメオーの西側から北側にかけてのエリアで3本のステージを各2回走行。SS2/5「ブラットビー」、SS4/7「フロダ」のステージは昨年と変わりませんが、SS3/6「ノルビー」は大部分が異なります。また、一日の最後には再び「ウーメオー・スプリント」がSS8として行われます。17日(土)のデイ3は、ウーメオーの西側から北側にかけてのエリアで3本のステージを各2回走行。そのうちSS9/12は新ステージであり、SS11/14は昨年行なわれたボッツマークのステージと一部が重なっています。また、一日の最後にはウーメオー・スプリントの走行距離を延長した「ウーメオー」がSS15として行われます。最終日となる18日(日)のデイ4は、ウーメオーの北東で1本のステージを2回走行。最終ステージとなるSS18「ウーメオー2」は、土曜日のSS15の再走となり、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全18本で合計300.10km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1202.11kmが予定されています。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
ラリー・モンテカルロでは堅実にシーズンのスタートを切りましたが、ラリー・スウェーデンは我々のチームにとってホームラリーのようなものです。2017年はチームが初めて優勝したラリーでしたし、ウインターコンディションは自分たちにとって馴染のあるものです。昨年は少々苦戦したので、今年こそは優勝争いに加わりたいと思い、しっかりと準備を進めてきました。フィンランドでのテストに加え、アークティック・ラップランド・ラリーにも参加することで、できる限りの準備ができたと思います。カッレは今回のスウェーデンでシーズンをスタートしますが、このようなスノーラリーで彼は本当に強いですし、出走順もトップ争いをする上で助けになるでしょう。エルフィンもスウェーデンで優勝したことがありますので、彼がトップに近い出走順でもベストなパフォーマンスを発揮できるように準備に力を注いできました。また、貴元もスノーロードは得意ですし、昨年はとてもいいスピードを見せたので、我々の全ドライバーにとっていいイベントになることを期待しています。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
ラリー・スウェーデンのようなイベントでシーズンをスタートできることに興奮しています。雪道でのドライブはいつだって楽しいですし、ラリーカーを運転していて最高の気分を味わえるシーンのひとつです。先週のアークティック・ラップランド・ラリーと、プレイベントテストで再びクルマを走らせることができて嬉しかったです。スウェーデンはこれまで自分たちにとって相性の良いイベントでしたが、昨年はあまり強さを発揮できなかったので、今年は優勝争いに加わりたいと思っています。スウェーデンは唯一のスノーラリーなので、数日間のテストだけで完璧なセットアップを見つけるのは簡単ではありません。それでも、テストではいくつか有効なセットアップが見つかりましたし、正しい方向に進んだとも思うので、ラリー本番が楽しみです。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
雪と氷の上を走るのは特別なことですし、だからこそラリー・スウェーデンは唯一無二のイベントなのです。このラリーでは過去に何度か良い成績を残していますし、昨年の大会からクルマのフィーリングを改善しようと努力してきました。ラリー・スウェーデンを前にフィンランドで走れたのは、雪道を走る時間を確保できたというという点で有効でした。いくつかのことを試すチャンスが得られましたし、いいステップを踏むこともできたと思います。ラリーでステージを2回目に走る時は、雪の下からグラベルが出てくるなど、コンディションが大きく変化することがありますし、それに上手く対応できるかどうかが非常に重要です。また、速いドライバーたちよりも早い出走順でステージを走るのは簡単ではありませんが、いつものようにベストを尽くして戦い、最大限の結果を残せるように頑張りたいと思います。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)
ラリー・スウェーデンは常にエキサイティングですし、WRCのカレンダーの中でも好きなイベントのひとつです。TGR WRCチャレンジプログラムでヨーロッパのラリーに出始めて以来、雪や氷の上を走ることを心から楽しんできました。昨年のスウェーデンでは速さを発揮することができたので、今回もいい走りをした上で、いい結果も出したいと思っています。このイベントはいつでも大きなチャレンジですし、今回はカッレを含む速いドライバーたちが自分よりも後方からスタートするので、上位争いをするのは簡単ではないでしょう。それでもハードにプッシュして、自分にできる最大限のことをしたいと思います。



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