今季のWRC、開幕戦モンテカルロ、第2戦スウェーデンと連勝しているヒョンデは、今週迎えるサファリ・ラリーケニアに、ティエリー・ヌービル、オィット・タナックに加え、エサペッカ・ラッピを3台目のヒョンデi20Nラリー1ハイブリッドのドライバーに起用する。ラッピは、第2戦スウェーデンでキャリア2勝目をマークしており、2戦連続での登場となる。
今季最初のグラベルラリーを選手権リーダーとして迎えるヌービルは、マルティン・ウィダグとのコンビでのサファリ初ポディウムを狙う。
「今年のサファリで一番試練となるのは、天候。会期が3月に移ったことで、大雨の可能性もあり賭けになる部分も出てくる」とヌービル。
「いつ雨が降り始めるかによって、走行順がアドバンテージになることもあれば不利になることもある。それにケニアでは、マシンには絶対的な信頼性も必要になる。ステージがこれだけ予測不能な時は、これが一番カギになる。最速であることよりも、こうしたコンディションを生き抜かなくてはならない。自分の得意なイベントではないが、ここに参戦するのは冒険だ。過酷になることもあるが、いつもエキサイティングなラリー。2023年はステージウインも獲っているので、今年はもう一歩上に進み、クリーンなラリーにしたい」
2021年にはヒョンデから参戦したサファリでポディウムに上がっているタナック。チーム復帰の今季、初めての表彰台を狙う。
「サファリ・ラリーケニアは、特別な試練。うまく戦うためには耐久力が必要だ。特に天気が予想できず道がすごくラフになることもあるので、ここで勝つのは本当に大変」とタナック。
「ステージでは、マシンのパフォーマンスが試される。もちろん、現在のラリー1マシンでは全力で攻めることができない場所もあるが、それでもパフォーマンスはカギになる。スペインで行ったプリペアとテストは、自分たちにとって重要なものとなった。 ここ2戦はエンジンマップで悩まされてきたので、ケニアでより扱いやすい感じを得るために、高地に行くことが大切だった。個人的には、今季はまだ流れに乗れていないし、いい結果も残せていない。クリーンな走りを続けてこのラリーで好リザルトを出すことで、状況を変えていきたい」
前戦スウェーデンで勝利を収め、勢いに乗るラッピ。ヒョンデからサファリに参戦するのはこれが2回目となる。
「ケニアは、カレンダーの中でも最も予想しにくいラリーのひとつ。特に、今年は会期が早まったからね。ウエットならすごくマディになり、マシンのコントロールが難しくなる」とラッピは予想する。
「さらに路面変化が激しいので、最速のラインを見つけるのが予想しにくくなる。優勝を収めて次のイベントに向かうのはもちろん最高だが、ここからはケニアに集中して、週末を通してどこでより賢明になれるか、限界までプッシュできるかを勉強している。昨年はほろ苦い結果となり、ステージウインを獲ってトップ3タイムも出したが、テクニカルトラブルで戦線離脱してしまった。今年はコンペティティブに戦いつつ、トラブルを避けながら、最終的にいい形でフィニッシュしたい」