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【速報】WRCクロアチア:セバスチャン・オジエが逆転優勝。トヨタ1‐2でクロアチア4連覇

©Jaanus Ree / Red Bull Content Pool

2024年シーズンWRC第4戦クロアチアラリーは、4月21日(日)に最終日の4SSを走行。SS18で波乱が続出した末、前日3番手のトヨタのセバスチャン・オジエが逆転で今季初勝利。トヨタはWRCクロアチア4連覇を達成した。またエルフィン・エバンスが9.7秒差の2位に入り、トヨタがWRCサファリに続いて2戦連続で1‐2フィニッシュ。前日首位のヒョンデのティエリー・ヌービルは、45.8秒差の3位となった。

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最終日は、ザグレブ北側の「Trakoscan – Vrbno(13.15km)」と「Zagorska Sela – Kumrovec(14.24km)」をサービスを挟まずにループする4SS、54.78km。最終SSとして行われるSS20は、ドライバーとチームにボーナスポイントが付与されるパワーステージとして実施される。

2日目までを終えて、首位のティエリー・ヌービル(ヒョンデ)と、2番手につけるエルフィン・エバンス(トヨタ)の差はわずか4.9秒。総合3番手のセバスチャン・オジエ(トヨタ)も11.6秒差につけており、残された距離は54.78kmと短いが、この日は日中サービスがないこともあり、まだ何が起こるか分からない。

上位陣は、ヒョンデのヌービルとオィット・タナック、Mスポーツ・フォードのアドリアン・フルモーがハードタイヤ1本にソフトタイヤ4本の組み合わせ。トヨタのオジエと勝田貴元、ヒョンデのアンドレアス・ミケルセンがハード2本にソフト3本。エバンスのみがハード3本にソフト2本を選び、サービスを後にした。

SS17は勝田が、フルモーに1.8秒差をつけて、今回初の一番時計。エバンスは2.8秒差の3番手タイム、ヌービルとオジエは5.1秒差の5番手タイムで並び、首位ヌービルとエバンスの差は2.6秒に縮まった。

Jaanus Ree / Red Bull Content Pool

SS18、首位のヌービルがスタートから3.1km地点で、ペースノートの遅れによりコースオフ。ハイブリッドを失い、リヤウイングにダメージを負ったうえ、コース復帰に20秒以上を要して、総合3番手にドロップ。さらに、総合2番手のエバンスまでもがスリッパリーなセクションでスピンを喫し、バンクにヒット。彼も20秒近くを失ってしまう。

この結果、ベストのタナックから1.5秒差の3番手タイムでまとめたオジエが、一気にトップに躍り出た。エバンスは9.1秒差の2番手、ヌービルは10.2秒差の3番手で続く。

後方では5番手を走行していたフルモーが、スタートから11.8km地点で右フロントをヒットし、ステアリングアームを破損。なんとかステージ内で応急措置を施し、23分遅れでフィニッシュ。18番手まで総合順位を落としたものの「まだ、パワーステージがある。なんとかポイントを持ち帰りたいんだ」と、フルモーは諦めていない。

@World / Red Bull Content Pool

フルモーの脱落により総合5番手に順位を上げた勝田は、SS19でエバンスに0.6秒差をつけて、この日2度目のベストタイムをマーク。首位のオジエは、「またドライビングミスをしてしまった」と振り返りながらも、3.3秒差の4番手タイムで走行しており、エバンスに6.4秒のアドバンテージを持って、最終のパワーステージに挑むことになった。

注目の最終ステージのSS20は、SS18の再走となる「Zagorska Sela – Kumrovec 2(14.24km)」。WRC2の上位陣、ニコラ・シアマン(ヒョンデ)からコースイン。WRC2はニコライ・グリアジンが38.2秒差をつけて、シトロエンC3ラリー2にスイッチしてからの初勝利を獲得。ヨアン・ロッセルとともに、DGスポーツ・コンペティションが1‐2フィニッシュを飾った。続くラリー1勢は、フルモーからアタックを開始。自力で修復したマシンで全開でのアタックして、タナックがマークした1回目のベストタイムを10秒以上も上回るタイムで走り切り、安堵の表情を見せた。続くチームメイトのグレゴワール・ミュンステール、ミケルセンとフルモーのタイムを上回ることはできず。勝田も、フルモーのタイムに6.6秒遅れ。2本のベストをマークしてスーパーサンデーではトップポイントを獲得した勝田だったが「このステージは慎重過ぎてしまい、望むような走りができなかった」と悔しさを見せた。続くタナックも、フルモーに3.8秒届かず。

オジエに18.3秒差でスタートしたヌービルはリヤウイングダメージの影響で、フルモーに32.5秒遅れのタイムとポディウム圏内を守るのが精いっぱい。続くエバンスも、フルモーに8.2秒遅れのタイムに留まったが、総合2位以上を確定。最後に登場したオジエは、ペースをコントロールして3番手タイムで走り切り、今季初、通算59度目となる勝利を決めた。 

これで最終SS終了時点での総合順位はオジエ、エバンス、ヌービル、タナック、勝田というトップ5。パワーステージはフルモー、タナック、オジエ、勝田、エバンスがトップ5に入り、それぞれボーナスポイントを獲得した。なお、土曜日までのポイントと日曜日のポイント、そしてパワーステージでのボーナスを合計すると、ウイナーのオジエが21点(13点+5点+2点)、2位のエバンス(15点+3点+1点)と3位のヌービル(18点+1点+0点)が、それぞれ19ポイントを獲得。一方、4位のタナックは、20点(10点+6点+4点)を得ることに成功している。また、日曜日単独のリザルト、スーパーサンデーは勝田がトップで、この日だけで7ポイントを獲得。土曜日の6点、パワーステージポイントの2を合わせて、合計ポイントは15だった。一方のフルモーは、8点+0点+5点で合計13ポイントとなった。

この結果、ドライバーズランキング上位はヌービルが86点で首位をキープ、以下エバンス80点、フルモー59点、タナック53点、オジエは45点で勝田と並んで5番手に浮上、今大会をスキップしたロバンペラが31点という並びとなった。マニュファクチャラーズポイントは、トヨタが176点、ヒョンデが169点、Mスポーツ・フォードが96点となっている。

WRCクロアチア 最終暫定結果
1. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:40:23.6
2. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +9.7 
3. T.ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) +45.8 
4. O.タナック(ヒョンデi20 Nラリー1) +58.6
5. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:55.5
6. A.ミケルセン(ヒョンデi20 Nラリー1) +4:01.0
7. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー) +5:11.0
8. N.グリアジン(シトロエンC3ラリー2) +9:21.3
9. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +9:59.5
10.S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +10:22.7



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