2024年シーズン全日本ラリー選手権第3戦「久万高原ラリー」は、4月28日(日曜日)に4カ所のスペシャルステージを走行し、トップカテゴリーのJN-1クラスは、勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス・ラリー2)が、田口勝彦/北川紗衣(トヨタGRヤリス・ラリー2)に1分57秒7差をつけてシーズン2勝目を飾った。2分38秒8差の3位には福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)が入っている。
ラリー2日目は、前日の逆走となる「大川嶺リバース(13.73km)」、「大谷リバース(12.67km)」の2ステージを午前と午後でリピートする4SS、52.80km。初日のSS2においてアクシデントによりレグリタイアした奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス・ラリー2)はマシンを修復し、無事リスタートしている。
前日から一転、快晴となったラリー最終日。路面は乾きつつあるものの、木々の下などにウエットが残っている難しいコンディションとなった。2番手以下に1分20秒以上のアドバンテージを手にした首位の勝田は、滑りやすい路面を警戒してペースをコントロール。オープニングのSS5は、総合2番手の田口がGRヤリス・ラリー2で初のベストタイムを獲得した。総合3番手福永は20.4秒差のSS3番手タイムと出遅れ、当初4.5秒あった差は24.9秒にまで拡大した。このステージでは、鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI)が戦列を去ることに。初日の最終サービスでギヤボックスとリヤデフを交換し、総合6番手からの浮上を狙ったが、コースオフの影響によってパワーステアリングにトラブルが発生、リタイアを余儀なくされた。
SS6は、勝田が新井敏弘/井上草汰(スバルWRX S4)に20.7秒差をつける圧倒的なベストタイム。総合2番手田口との差を1分36秒6差に拡大して、午前中のセクションを終えた。勝田から2分以上離されているものの、総合3番手福永と総合4番手新井敏弘の差はわずか1.3秒。こちらは、最終セクションも25km以上の距離が残されており、順位が入れ替わる可能性は十分にある。
サービスを挟んだ午後のセクション、勝田はSS7とSS8を連続ベストタイムでまとめ、開幕戦三河湾に続くシーズン2勝目を獲得。
「難しいコンディションのラリーだったので、無事にトップで走り切れて本当にホッとしています。次まであまり期間がありませんが、今回とてもいいフィーリングで走れたので、このセットアップで丹後にも挑みたいと思います」と、喜びを語った。
1分57秒7差の総合2位に田口が入り、GRヤリス・ラリー2で自身初となる全日本ラリー選手権での表彰台を手にした。
「今日は予定どおり淡々と走って、2位を獲得できました。昨日の段階で得意な箇所が分かったので、それ以外のセクションはしっかり抑えて走りました。大人の走りができましたね(笑)」と、田口は笑顔で振り返った。
福永と新井敏弘による僅差の3番手争いは、わずか0.6秒差で凌ぎ切った福永が、3位表彰台を獲得。ナローなセクションで福永に一歩及ばなかった新井は、悔しい4位。以下、4分20秒5差の5位に眞貝知志/安藤裕一(トヨタGRヤリスDAT)、6分12秒8差の6位に石黒一暢/穴井謙志郎(トヨタGRヤリス)が入っている。