全日本ラリー久万高原:勝田範彦/木村裕介がトヨタGRヤリス・ラリー2で2勝目 – ページ 2 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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全日本ラリー久万高原:勝田範彦/木村裕介がトヨタGRヤリス・ラリー2で2勝目

©JN-1クラス優勝の勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス・ラリー2) / Jun Uruno

■レグ2
ラリー2日目は、前日の逆走となる「大川嶺リバース(13.73km)」、「大谷リバース(12.67km)」の2ステージを午前と午後でリピートする4SS、52.80km。ラリースタート直後にレグリタイアした柳澤宏至/竹下紀子(トヨタGRヤリス)、SS2においてアクシデントによりレグ離脱した奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス・ラリー2)は、それぞれマシンを修復し、無事にリスタートした。

前日から一転、快晴となったラリー最終日。路面は乾きつつあるものの、木々の下などにウエットが残っている難しいコンディションとなった。2番手以下に1分20秒以上のアドバンテージを手にした首位の勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス・ラリー2)は、滑りやすい路面を警戒してペースをコントロールする。

オープニングのSS5は、2番手の田口勝彦/北川紗衣が、トヨタGRヤリス・ラリー2で初のベストタイムを獲得。田口にとっては、全日本ラリー選手権での初ステージウインとなった。3番手の福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)は20.4秒差のSS3番手タイムと出遅れ、前日4.5秒だった差は24.9秒にまで拡大した。また、このステージでは、鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI)が戦列を去ることに。初日の最終サービスでギヤボックスとリヤデフを交換し6番手からの浮上を狙ったが、コースオフの影響により、その後走行を続けるもののパワーステアリングにトラブルが発生、リタイアを余儀なくされている。

SS6は、勝田が新井敏弘/井上草汰(スバルWRX S4)に20.7秒差をつける圧倒的なベストタイム。2番手の田口との差を1分36秒6差に拡大して、午前中のセクションを終えた。勝田から2分以上離されているものの、3番手福永と総合4番手新井敏弘の差はわずか1.3秒。最終セクションも25km以上の距離が残されており、こちらは順位が入れ替わる可能性が十分にある。

JN-1クラス優勝の勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス・ラリー2)/ Jun Uruno

サービスを挟んだ午後のセクション、勝田はSS7とSS8を連続ベストタイムでまとめ、開幕戦三河湾に続くシーズン2勝目を獲得。1分57秒7差の総合2位に田口が入り、GRヤリス・ラリー2で自身初となる全日本ラリー選手権での表彰台を手にした。

福永と新井敏弘による僅差の3番手争いは、わずか0.6秒差で凌ぎ切った福永が3位表彰台を獲得。ナローなセクションで福永に一歩及ばなかった新井は、悔しい4位。以下、4分20秒5差の5位に眞貝知志/安藤裕一(トヨタGRヤリスDAT)、6分12秒8差の6位に石黒一暢/穴井謙志郎(トヨタGRヤリス)が入っている。

JN-1クラス優勝の勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス・ラリー2)/ Hiroaki Ibuki

シーズン2勝目を挙げてポイントリーダーの座をしっかり確保した勝田は「難しいコンディションのラリーだったので、無事にトップで走り切れて本当にホッとしています。次戦まであまり期間がありませんが、今回とてもいいフィーリングで走れたので、このセットアップで丹後にも挑みたいと思います」と、喜びを語った。一方、「自分は代役」と語りながらもしっかりと結果を残した田口は「今日は予定どおり淡々と走って、2位を獲得できました。昨日の段階で得意な箇所が分かったので、それ以外のセクションはしっかり抑えて走りました。大人の走りができましたね(笑)」と、笑顔で振り返った。

JN-2クラス優勝の三枝聖弥/船木一祥(スバルWRX STI)/ Jun Uruno

JN-2クラスは、三枝聖弥/船木一祥(スバルWRX STI)が首位を快走。オープニングのSS5は小泉敏志/村山朋香(トヨタGRヤリス)が初のベストタイムをマークし、山田啓介/藤井俊樹(MCC:トヨタGRヤリス)をかわして2番手にポジションを上げた。初日だけで50秒以上のアドバンテージを得ていた首位の三枝は、SS6とSS8でもベストを刻み、2位の小泉に1分18秒9の大差をつけてシーズン2勝目を獲得。MORIZO Challenge Cupでの順位を重視した山田は、今後に向けて様々なことを試しながらペースをコントロール。最終SSで2番手タイムをマークした泉陽介/石田一輝(三菱ランサーエボリューションⅩ)が、山田をかわし3位表彰台を手にしている。

初優勝から2連勝を飾った三枝は「唐津と同じように最後はドキドキしながら、とりあえずコース内にいようと心がけました。抑え過ぎるのではなく、タイムを気にしながら走りました。1回勝っただけでは、まぐれだと言われてしまうので、2勝目ができて本当に良かったです。ただ、シリーズチャンピオン決めるまで、油断しないように頑張りたいです」と、コメント。自己ベストを更新する2位表彰台の小泉は「全日本では初めて2位に入れました。午後のループは足まわりをドライ寄りにして、『乾いてくれ』と祈りながら走りました(笑)。最初のループよりもコンディション良く、いい走りができましたね。ウエットとなった1日目で遅かったことが、今後の課題です」と、喜びを語っている。

JN-3クラス優勝の山口清司/丸山晃助(トヨタGR86)/ Hiroaki Ibuki

JN-3クラスは、2番手からスタートした曽根崇仁/竹原静香(トヨタGR86)が、乾きつつある路面となったSS5、SS6で連続ベストをマーク。首位の山口清司/丸山晃助(トヨタGR86)との差をスタート時の34.4秒から、14.1秒にまで縮めてみせる。すると午後のループでは、山口がフレッシュタイヤを投入し、SS7で曽根を突き放すベストタイムをマークし、その差を21.9秒差に戻した。山口は最終SSでもその差を守り切り、2019年の久万高原以来となる、トップフィニッシュを果たした。最終のSS8では、クラス3番手につけていた長﨑雅志/大矢啓太(トヨタGR86)が圧巻のベストタイムを叩き出して曽根に迫るが、わずか0.1秒届かず。曽根が2位で逃げ切り、長﨑は3位に留まった。

5年ぶりに全日本勝利を持ち帰った山口は「一番思い出のあるラリーなので、本当に嬉しいです。最初のループのコンディションが難しくて、だいぶ詰められてしまったので、午後は新品のドライタイヤに変えて、いいタイムが出せました」と、喜びを語った。優勝を目指しながらも、最後は長﨑に迫られてしまった曽根は「最後に長﨑選手に10秒まくられて、コンマ1秒差はしびれました(笑)。まさか負けないだろうと思っていたのですが、本当に危なかったです」と、安堵の表情を見せている。一方、0.1秒届かなかった長﨑は「本当にあと一歩でしたね。最後頑張ったんですが、午前中のシートのボルトが外れるトラブルが、後に響いてしまった感じです」と、悔しさをのぞかせた。

JN-4クラス優勝の内藤学武/大高徹也(スズキ・スイフトスポーツ)/ Jun Uruno

JN-4クラスは、初日トップの内藤学武/大高徹也(スズキ・スイフトスポーツ)が、ウエットとドライが混在する難しいコンディションとなった最終日もSS5からSS7まで3連続ベスト。最終SSは西川真太郎/本橋貴司(スズキ・スイフトスポーツ)にベストを奪われたものの、それまでのマージンを活かし、高橋悟志/箕作裕子(スズキ・スイフトスポーツ)に18.8秒差をつけて、総合でも8位に食い込む速さを見せてシーズン初勝利を飾った。高橋も総合9位と、JN-4クラスがハイレベルの戦いを見せた。3位の西川も10.1秒差で続いた。

全ステージ制覇は叶わなかったものの、待望の勝利を持ち帰った内藤は「最後のSSは、タイヤがかなり厳しかったです。それまでのマージンでギリギリなんとか帰ってこられました。やっとチャンピオンとして勝てました。これで気が楽になったので、チャレンジャーとして丹後に挑みます」と、安堵の表情。最終ステージこそ内藤を上まわったものの、ここで連勝が止まった高橋は「本当に悔しいです。今回、流れは悪くなかったんですが、タイヤの使い方やセッティングなどツメが甘かったです」と、悔しさを露わにした。

JN-5クラス優勝の大倉聡/豊田耕司(トヨタGRヤリスRS) / Jun Uruno

JN-5クラスは、初日首位の大倉聡/豊田耕司(トヨタGRヤリスRS)が、オープニングのSS5でベストタイム。しかし、1.6秒差の2番手タイムで続いたは河本拓哉/有川大輔(マツダ・デミオ)は、続くSS6で大倉に20秒以上の大差をつける一番時計を叩き出し、その差を一気に10.6秒にまで縮めてみせた。サービスを挟んだ午後のセクション、SS7は大倉がSS5に続きベストタイムで、その差を13.1秒に広げる。河本は、最終のSS8でベストを獲り返すが5.7秒届かず、大倉が今シーズン初勝利を獲得した。3番手を走行していた小川 剛/山本祐也(トヨタ・ヤリス)がSS6で側溝にはまってリタイアしたことで、初日の5番手から順位を上げた嶋村徳之/佐々木裕一が、自身初の全日本表彰台となる3位に入った。

逃げ切った大倉は「全開で走ったんですが、最後も7秒くらい負けていましたね。今年はここまで苦しんでいますが、クルマも良くなりそうですし、ダンロップが素晴らしいタイヤを用意してくれて勝つことができました。チーム一丸の勝利で、本当に嬉しいです」と、笑顔で喜びを語った。2位に終わった河本は「一歩届かず、残念です。かなり迫ったんですけど、5.7秒足りませんでした。最終日に速く走ることができましたが、ちょっと攻め過ぎたので、無理をしないでも速く走れるようにしたいです」と、反省点を口にした。

JN-6クラス優勝の天野智之/井上裕紀子(トヨタ・アクア) / Jun Uruno

JN-6クラスは、天野智之/井上裕紀子(トヨタ・アクア)が、体調不良を抱えながらも、全てのステージを制して開幕3連勝。2位の清水和夫/山本磨美(トヨタ・ヤリス)、3位は中西昌人/山村浩三(ホンダCR-Z)が入り、初日のオーダーでラリーを終えた。

今回も完全勝利でクラスをリードする天野だが、「とりあえずは勝てて良かったですし、体調も最後までもって良かったです。ハイブリッドは3kmくらいの上りセクションであればなんとかなるのですが、5kmを超えてしまうとキツイですね」と、課題を指摘する。天野との差は広がったものの清水は「今回もまた2位ですが、得るものが多かったです。雨や霧の中を走ったことで、路面やタイヤに関して色々と経験を積むことができました。全体的にはちょっとずつ差が縮まっている実感はありますが、路面、走り方、ペースノート、やることが多いです」と、成果を語った。

全日本ラリー第3戦久万高原ラリー 最終結果
1 JN-1 勝田 範彦/木村 裕介(トヨタGRヤリス・ラリー2) 1:25:28.0
2 JN-1 田口 勝彦/北川 紗衣(トヨタGRヤリス・ラリー2) +1:57.7
3 JN-1 福永 修/齊田 美早子(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +2:38.8
4 JN-1 新井 敏弘/井上 草汰(スバルWRX S4) +2:39.4
5 JN-1 眞貝 知志/安藤 裕一(トヨタGRヤリスDAT) +4:20.5
6 JN-1 石黒 一暢/穴井 謙志郎(トヨタGRヤリス) +6:12.8
7 JN-2 三枝 聖弥/船木 一祥(スバルWRX STI) +6:42.4
8 JN-4 内藤 学武/大高 徹也(スズキ・スイフトスポーツ) +7:40.5
9 JN-4 高橋 悟志/箕作 裕子(スズキ・スイフトスポーツ) +7:59.3
10 JN-2 小泉 敏志/村山 朋香(トヨタGRヤリス) +8:01.3


12 JN-3 山口 清司/丸山 晃助(トヨタGR86) +8:35.3
17 JN-5 大倉 聡/豊田 耕司(トヨタGRヤリスRS) +10:42.4
30 JN-6 天野 智之/井上 裕紀子(トヨタ・アクア) +16:26.9

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