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WRCポルトガル:金曜日を終えてトヨタがトップ3独占、前半首位の勝田は4.7秒差の3番手

©TOYOTA

2024年シーズンWRC第5戦ラリーポルトガル(グラベル)は、5月10日(金)の8SSを走行し、トヨタのカッレ・ロバンペラがチームメイトのセバスチャン・オジエに、1.0秒差の首位。4.7秒差の総合3番手に勝田貴元がつけ、トヨタがトップ3を独占した。

金曜日のルートは、サービスパークがあるマトジニョスの東部エリアに位置する「Mortagua(18.15km)」、「Lousa(12.28km)」、「Gois(14.30km)」、「Arganil(18.72km)」の4SSをループする8SS、126.90km。マトジニョスで中間サービスは行われず、SS5後に15分のタイヤフィッティングゾーンのみが設定された。長くタフな1日、マシンにダメージを与えず走り切ることが求められる。

木曜日に行われた舗装路でのSS1に続き、本格的なラリーが幕を上げたSS2。予想されていた滑りやすいルーズグラベルではなく、ラリーウイークに降った雨によりダンプが残るコンディションとなった。ベストタイムをマークしたのは、スタートからフルアタックを宣言していたトヨタの勝田貴元。「良いフィーリングでは走れなかった」と振り返るものの、SS2番手タイムのティエリー・ヌービル(ヒョンデ)に1.2秒、SS3番手タイムのオィット・タナック(ヒョンデ)に2.1秒差をつけてみせた。

この結果、首位ヌービルは変わらず、0.8秒差の総合2番手に勝田が浮上。総合3番手にタナックを挟み、総合4番手にセバスチャン・オジエ、総合5番手にカッレ・ロバンペラ、総合6番手にエルフィン・エバンスと、トヨタ勢が続く。

TOYOTA


SS3は、木の下など濡れている箇所があるものの、基本はドライ。今シーズンWRC初登場、後方スタートのダニ・ソルドが、ロバンペラに3.2秒差のベストタイム。先頭スタートのヌービルは「このコンディションだと、僕にチャンスはない」と肩をすくめ、総合3番手にポジションダウン。ステージ内でミスを喫して4.8秒差のSS4番手タイムとなった勝田がトップに立つ。4.2秒差でSS3番手タイムのタナックが1.5秒差の総合2番手に順位を上げた。

ドライコンディションになったSS4、ソルドがロバンペラに1.8秒差の連続ベストタイム。勝田は2.9秒差の5番手タイムながらも、総合2番手のタナックを上まわり首位をキープ。先頭スタートで苦しむヌービルをかわして、セカンドベストのロバンペラが3番手、ソルドが総合7番手から総合5番手にポジションを上げた。

午前中を締めくくるSS5は、ヌービルがロバンペラに2.2秒差の一番時計をマークし、総合2番手に順位を戻した。2.9秒差の5番手タイムでまとめた勝田が首位をキープしたものの、2.9秒差でヌービル、3.3秒差の総合3番手にロバンペラ、4.1秒差の総合4番手でタナックが続く。さらに総合5番手のオジエ、総合6番手のソルドまでが10秒差以内にひしめいている。

タフな午前中のステージを首位で折り返した勝田は「まずはタフな午前中を走り切れて良かったです。路面がかなり荒れていた箇所があって、ちょっと躊躇する場面もありました。午後もプッシュし続ける必要があります」と、さらなるアタックを誓う。

アルガニルのタイヤフィッティングゾーンを挟み、午前中のSSをリピートする後半のセクション。SS6はドライアップしたコンディションで後方スタートの有利を活かしたオジエが、ロバンペラに1.1秒差のベスト。ロバンペラは0.1秒差ながらも勝田をかわして、トップに浮上する。オジエも総合3番手に順位を上げ、トヨタがトップ3を独占した。一方、先頭スタートのヌービルは「2周目なのに、ラインがまったくなかった」と肩を落とし、5.4秒差のSS6番手タイムに沈み、3.9秒差の総合5番手にドロップしている。

HYUNDAI


SS7はソルドがこの日3度目のベストをマークし、ヌービルをかわして総合5番手に浮上。トヨタの3人と総合4番手につけるタナックも僅差で続き、上位の順位は変わらない。後方では、出走順に苦しみ総合8番手を走行していたエバンスがペースノートを紛失し、コ・ドライバーのスコット・マーティンがバックアップ用のスマートフォンを見ながら指示するというトラブルに見舞われてしまう。さらに、右フロントタイヤがホイールから外れたことにより50秒近くをロス。首位から1分14秒1も遅れた総合8番手に沈んでいる。

SS8はロバンペラがタナックに0.1秒差のベストタイム。タナックが、ステージ後半でハイブリッドを使えなかったオジエをパスし、総合3番手に浮上した。

この日の最後を締めくくるSS9はオジエがベストを獲り返し、首位のロバンペラに1.0秒差の総合2番手にポジションを戻した。午前中の順位を守れなかったものの、勝田は4.7秒差の総合3番手と上々のポジションにつける。ヒョンデ最上位は、トヨタの3人に互するタイムを刻み続けたタナック。5.4秒差の総合4番手と、まだ十分トップを狙える位置につけている。以下少し離れて、17.9秒差の総合5番手にソルド、18.1秒差の総合6番手にヌービル、31.8秒差の総合6番手にアドリアン・フルモー(Mスポーツ・フォード)が続く。

M-SPORT


競技2日目はSS10〜SS18の9SS、SS走行距離は145.02km。オープニングのSS10は、日本時間5月11日の16時05分にスタートする。

WRCポルトガル SS9後暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 1:25:00.4
2. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1.0
3. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +4.7
4. O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1) +5.4
5. D.ソルド(ヒョンデi20Nラリー1) +17.9
6. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +18.1
7. A.フルモー(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +31.8
8. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:43.2
9. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +2:27.3
10. O.ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +3:42.1



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