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全日本ラリー丹後:TGR‐WRJの眞貝知志が進化型GRヤリスで怒濤の3連戦を走破

©“日本三景”として有名な天橋立をバックにコーナーを駆け抜ける眞貝選手/安藤選手 / TOYOTA

全日本ラリー選手権第4戦「ラリー丹後」(ターマック)が5月10日〜12日、京都府京丹後市を拠点に開催され、TOYOTA GAZOO Racing(TGR-WRJ)の眞貝知志/安藤裕一組(GR YARIS GR4 RALLY DAT)は、様々な理由で走行距離が短縮されたなか、7位でフィニッシュした。今シーズンは第2戦から第4戦までがそれぞれ2週間間隔で開催されるという過密スケジュールとなったが、チームはいずれのラリーも走り切り、貴重なデータを収集している。

(以下、チームリリース)


全日本ラリー選手権第4戦 YUHO RALLY TANGO supported by Nissin Mfg
多くの波乱に見舞われたラリー丹後
舗装3連戦を7位で締めくくる

5月10日(金)〜12日(日)にかけて、京都府京丹後市を拠点に2024年シーズンの全日本ラリー選手権(JRC)第4戦「YUHO RALLY TANGO supported by Nissin Mfg」が開催され、TOYOTA GAZOO Racing(TGR-WRJ)の眞貝知志/安藤裕一組(GR YARIS GR4 RALLY DAT)は7位で完走を果たしました。

「人材育成」と「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」の実践を目的に、全日本ラリー選手権に参戦するTGR。2024年シーズンは、2023年の知見をフィードバックし、進化を果たしたGR YARIS GR4 RALLY DATで、トップカテゴリーのJN-1クラスにエントリーしています。

ラリー丹後は、第2戦唐津、第3戦久万高原と2週間おきに開催されてきたターマック(舗装)3連戦を締めくくる一戦。丹後縦貫林道を舞台とするスペシャルステージ(SS・タイムアタック区間であり、タイムが計測されるコース)は、スムーズな路面が特徴となります。ただし、唐津や久万高原と比較すると、路面のグリップ力が低いという特徴も持っています。例年から1カ月早いスケジュールでの開催となりましたが、変わりやすい天候にも注意が必要となります。久万高原から短いインターバルながらも、チームは唐津と久万高原でのフィードバックをふまえ、足まわりとDATの制御に小改良を加えました。

多くのギャラリーに見送られる眞貝選手 / TOYOTA

快晴のもとドライコンディションとなったラリー初日、眞貝選手は新たな足まわりの感触を確かめつつ、順調なペースで走行しました。ところが、今大会最長の12.26kmを走るSS3を走行中に、眞貝選手が森林火災を発見。後続のクルーとともに消火活動にあたることになりました。SS3は停車した眞貝選手以降のクルーに主催者からタイムが与えられ、順位の変動はなし。続くSS4を終えて、眞貝選手はJN-1クラス7番手から最終日の順位アップを目指します。

この日の夜、SS3での火災を受けて、主催者は同じ場所を走行する最終日のSS6とSS7のキャンセルを決定。眞貝選手は多くのアクシデントが発生したSS5を慎重に走行、雨が降り始めたSS8もミスなく走り切り、7位でフィニッシュしました。眞貝選手は3連戦すべてのラリーで完走し、ターマックラリーでの走行に関する貴重なフィードバックをチームに持ち帰っています。

■眞貝知志(ドライバー)
2週間という、全日本ラリー選手権としては非常に短いインターバルで3戦が行われました。ドライバーとしては“温まった感覚”を維持できたまま3連戦を走ることができましたし、チームの皆さんが各ラリーで完璧な準備と整備を行ってくれたことに感謝しています。大会直前の木曜日に行われたテストで、足まわりのセットアップ変更を行いました。この少しの変更が大きな効果を生み、気持ち良く走ることができました。今回はSSの距離が短かったこともあり、その成果を披露するまでに至らなかった点が残念ですが、次戦のモントレーに向けて、前向きなフィーリングを得られたと考えています。

■俵真弘(眞貝号エンジニア)
第2戦唐津、第3戦久万高原のフィードバックを得て、GR-DATの制御に改良を加えていきました。具体的には、眞貝選手が乗り方を変更したことに合わせて、変速するポイントを調整してきています。しかし、車速が高いセクションでは、変更を加えてきた部分がうまく適合しなかったようなので、その点は今後の新たな課題となります。クルマもどんどん進化して行っていますので、それに合わせてGR-DAT側もしっかり改良していきたいと思います。次戦モントレーのあとにはグラベルラリーも待っていますので、そこも見据えて作業を進めていきたいです。

■丸田智(チーフメカニック)
クルマよりも、ドライバーに頑張っていただいた印象のラリーでした。眞貝選手と相談して決めたタイヤが路面状況と合わなかった局面もありましたが、どう運転をアジャストしていくかという課題を持って走っていただき、途中からはタイムを上げてくれました。この3連戦では、選手たちが無事にクルマを走り切らせてくれたので、整備の面では大きな負荷もなく、常にいい状態でクルマを届けることができました。これで前半4戦を終えましたが、やっとメカニックチームの力が出せてきた気がします。今後は編成なども含め、広い視野を持ちながら次の段階に臨みたいと思っています。

■神田星成(眞貝号メカニック)
昨年の第8戦ハイランドマスターズからチームに加わり、左前輪の担当とエンジニアともにGR-DATや駆動系のオイル交換タイミングなどの判断を行っています。もともとドライブトレーンの機能評価などをしていた部署にいたこともあり、GR-DATの分解・組みつけも行います。自分の組んだトランスミッションで眞貝選手に走っていただくので、責任やプレッシャーも感じますが、毎回ラリーで走った後のユニットを見ることは、楽しみでもあります。出てきた課題をエンジニアにフィードバックし、さらにクルマを良くしていくのは、やり甲斐があって楽しいです。

■山岡敏久(GR Garage CHAUPY 奈良登美ヶ丘)
眞貝選手のクルマの右後輪を担当しました。私自身、モータースポーツやクルマが大好きですが、ラリーの現場は初めてで、オファーをいただいた段階からとてもワクワクしていました。実際にチームの一員として作業する中で、ひとりひとりの仕事に対する責任感の高さを感じました。全員が同じ方向を向かないと、安全に作業を進めることはできません。そのためには仲間意識とコミュニケーションが重要だと実感しました。このような点は、会社でも参戦しているGR86/BRZ CupやYaris Cupの現場や日常の業務にもフィードバックできるはずだと考えています。

チームにはGR Garage CHAUPY 奈良登美ヶ丘より
メカニック1名が参加。眞貝選手の走りを支えた / TOYOTA

全日本ラリー選手権第4戦 YUHO RALLY TANGO supported by Nissin Mfg
JN-1クラス最終結果

1 新井大輝/松尾俊亮(シュコダ・ファビアR5) 27:25.4
2 勝田範彦/木村裕介(GR YARIS RALLY2) +10.5
3 奴田原文雄/東駿吾(GR YARIS RALLY2) +10.9
4 福永 修/齊田美早子(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +18.5
5 新井敏弘/井上草汰(スバルWRX S4) +40.0
6 鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI) +1:05.9
7 眞貝知志/安藤裕一(GR YARIS GR4 RALLY DAT) +1:06.7
8 柳澤宏至/竹下紀子(トヨタGRヤリス) +1:15.6
9 今井聡/高橋芙悠(シトロエンC3 R5) +1:23.7
10 石黒一暢/穴井謙志郎(トヨタGRヤリス) +2:35.6
11 金岡義樹/マクリン大地(シュコダ・ファビアR5) +2:37.3
12 田口勝彦/北川紗衣(GR YARIS RALLY2) +2:44.2
参戦12台、出走12台、完走12台



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