今週開催されるWRC第6戦ラリーイタリア・サルディニア(グラベル)に、ヒョンデはレギュラードライバーのティエリー・ヌービル、オィット・タナックに加え、前戦のポルトガルから引き続きダニ・ソルドをヒョンデi20Nラリー1ハイブリッドのサードカーのドライバーに起用する。
ポルトガルでは、タナックとヌービルがそれぞれ2位、3位でフィニッシュして今季初めてダブルポディウムを達成。マニュファクチャラーズ選手権では、王者トヨタを抜いて首位に浮上した。ヌービルとマルティン・ウィダグも、ドライバーズ、コ・ドライバーズの選手権リードを死守しており、サルディニアでは3選手権でのリードを広げることを目指す。
ヒョンデはサルディニアと相性がよく、2014年以降、4勝・ポディウム14回をマークしている。今年のサルディニアは、金曜日の午前にシェイクダウンを行った後、48時間で競技が完了するというコンパクトなフォーマットで設定されており、総ステージ走行距離も266.12kmと比較的短い。このため、全クルーは、序盤から全開でプッシュすることが求められる。
ドライバーズ選手権では24ポイントのリードを握ってサルディニアを迎えるヌービル。このイベントでは過去7回、ポディウムに上がっている。
「サルディニアは非常にテクニカルなラリーなので、週末を通してミスのない走りをしなくてはならない」とヌービルは気を引き締める。
「正確なペースノートを作らなくてはならないし、いいセッティングも必要だ。ステージも、1回目と2回目の走行での違いは、かなり大きくなることがあるので、こうした変化にマシンを合わせられることも求められる。暑さ、タイヤの摩耗、一日の長さも、このイベントで直面する最大の試練のひとつだ。睡眠時間が少ない一方でリエゾンが長いのも、このイベント独特の試練。この週末に向けての自分たちのアプローチは、いつもどおりだ。コンディションやマシン、そのほかラリーに影響する重要な様子に配慮しながら、最大限のリザルトを目指してプッシュする。イベント前のテストは行わず、シェイクダウンも実際のステージとは違う性格なので、これも大きな障害となるだろう。でも、これを克服するために作業をしていくし、最高のリザルトを持ち帰る」
前戦ポルトガルでは、ヒョンデ復帰後としては初めてポディウムに上がったタナック。サルディニアでは過去2勝をマークしている。
「ポルトガルはいい週末になったので、この勢いに乗っていきたい。ペースをつかめるようになって、少しホッとしている」とタナックはコメントしている。
「サルディニアは、すごくスリッパリーで、必要なだけのグリップを得ることが難しくなることもあり、大きな試練となる。気温も高いので、試練はさらに厳しくなる。1ループ目と2ループ目を同じタイヤのセットで走るのは、全体のパッケージを組み立てる上で難しくなるので、トラクションがたくさん得られるようなセッティングが必要となる。特に、走行順が早いからね。興味深い点がたくさんあるラリーだし、いつも楽しみにしている。ポルトガルでは、パンクに見舞われるまでは優勝にも近づいていたので、サルディニアではさらに上を目指す」
今季2度目のWRC参戦となるソルド。サルディニアでは、2019年、2020年と連覇を果たしている。
「サルディニアは、ポルトガルと路面が非常に似ているが、もう少しスリッパリーになるところもある」とソルドは語る。
「ポルトガルは、サルディニアに向けてのいい準備になり、グラベルでの走行経験を積むことができた。今年のサルディニアは距離がかなり短いので、土曜日以降のためにいい走行順を得るためには、最初から速さを出すことが求められる。走行順が非常に重要になるイベントなので、最大限に活かせる方法を考える。とてもナローで安全に走り切るにはグリップがより求められるため、正確なマシンが必要だ。ターゲットはもちろんポディウムフィニッシュだが、さらに1段上で、優勝争いができたらすごくいいね」