スバル・グループNの「STIベースチーム」を務めるアルゼンチンのバラッテロは、2010年のダカールラリーに出場するべくスバル・フォレスターをベースとしたT1プロトタイプマシンを製作している。搭載されるエンジンは2.5ℓにボアアップされたボクサーエンジン。300馬力を発揮すると言う。
「もともとダカール参戦の話は去年の段階でSTIとのミーティングによって生まれたことなんだ。バラッテロに開発はまかされている。それ以来、我々は休みなしでできる限りのことを同時進行で進めている状況だ」
バラッテロの広報担当であるポール・ハンダルは語る。
バラッテロは2009年のダカールラリーにもエントリーし、様々なエントラントにサスペンションを供給するとともに、フォレスターで討って出る際に必要となるであろう技術を学び経験を積んでいったが、折りからの不況によりスバルからの援助はストップ。それでもめげずに開発を続けた彼らは6月にプロトタイプの1号車を完成させ、すぐにテストを開始した。ブラジルで最も過酷と言われる「ラリーセルトンエス」にもエントリーし、データを蓄積。テストの結果も好調で、驚くほどのポテンシャルを見せているという。
ハンダルは続けて語る。
「我々の目標は、2010年のダカールラリーまでに少なくとも1万5000kmのテストを終わらせることだ。このプロジェクトは我々にとって大いなる挑戦であり、世界に実力を示すまたとない機会だと考えている」
開発にあたってはオーストリアのマンフレッド・ストールが加わっているという。ストール自身もプロドライブやトミ・マキネン・レーシングと同様「STIベースチーム」であるストールレーシングを主宰している。