WRCポーランド:SS1を終えて、トヨタはエルフィン・エバンスが3番手、勝田貴元が4番手 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
現地速報がすぐわかる! バックナンバーが読み放題。ラリプラLINE限定コンテンツ配信中

WRCポーランド:SS1を終えて、トヨタはエルフィン・エバンスが3番手、勝田貴元が4番手

©TOYOTA

WRC第7戦ラリーポーランドは、競技初日の6月27日にミコワイキ・アリーナで行われたSS1の走行を終え、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティンが3番手、勝田貴元/アーロン・ジョンストンは4番手につけた。急遽参戦となったカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンは7番手から上位を目指す。

(以下、チームリリース)


WRC 第7戦ラリー・ポーランド デイ1
7年ぶりWRC開催のラリー・ポーランドが開幕
エバンスが総合3位、勝田が総合4位につける

6月27日(木)、2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリー・ポーランドが開幕。ポーランド北東部「ミコワイキ」のサービスパーク近くで1本のスーパーSSが行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)が総合3位に、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合4位に、急遽代役出場が決まったカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)が総合7位につけました。

2017年以来、7年ぶりにWRCのカレンダーに復帰したラリー・ポーランドに、TGR-WRTは当初エバンス、勝田、セバスチャン・オジエの3名のドライバー・ラインナップで臨む予定でした。ところが、ステージの事前下見走行である「レッキ」で、火曜日の午前中にオジエと一般の方が運転する車両との交通事故が発生。オジエとコ・ドライバーのヴァンサン・ランデ、そして事故に遭った相手の車両の乗員二人は病院で検査を受け、幸いにも命に関わるような大きな怪我はありませんでした。そして、オジエについては火曜日の夜、引き続き医師の観察下に置かれた後、翌朝退院し自宅で過ごすことになりました。

TGR-WRTにとって関係者の健康は最優先事項であり、アクシデントに遭った全員の回復を願っています。なお、レッキは通常通りロードカーによって行われ、速度は主催者によって常に監視されており、アクシデント発生時も制限速度内でした。チームは、競技への不出場が決まったオジエとランデの代役として、当初の出場プログラムに含まれていなかったロバンペラとコ・ドライバーのハルットゥネンに出場を依頼。彼らは急遽ポーランド入りし、通常よりも大幅に圧縮されたスケジュールでレッキを行いました。ロバンペラにとってラリー・ポーランドは初めて出場するイベントであり、事前にポーランドでGR YARIS Rally1 HYBRIDをテストしていなかったことから、27日(木)の午前中に行なわれた「シェイクダウン」がポーランドでの最初の走行となりました。

シェイクダウンは、一部にターマック(舗装路)の区間が含まれる全長5.1kmのグラベル(未舗装路)ステージで行われ、勝田が6番手タイムを、エバンスが7番手タイムを、ロバンペラが8番手タイムを記録しました。その後、ミコワイキでのセレモニアルスタートを経て、夜7時過ぎから競技がスタート。サービスパークのすぐ近くに設けられた「ミコワイキ・アリーナ」で2台同時スタートのスーパーSSが1本行われ、エバンスは首位と1.3秒差の総合3位で、勝田はエバンスと0.3秒差の総合4位で、ロバンペラは首位と2.1秒差の総合7位で、それぞれ順調に競技初日を走り終えました。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
ポーランドに再び戻ることができたのは嬉しいことですが、残念ながら、セブとヴァンサンがレッキ中にアクシデントに遭遇したため、急遽予定を変更しなければなりませんでした。幸いにも誰も大きな怪我を負いませんでしたが、セブは安静が必要ということで、医師から出場許可が出ず、私たちは急いで代替案を考えなければなりませんでした。私たちにとって最善の選択肢は、カッレをポーランドに呼ぶことでした。もちろん、彼はビデオによるステージチェックやプレイベントテストなど、通常の出場準備をすることはできませんでしたが、私たちは彼に助けが必要であることを説明し、彼はそれを理解した上でチームをサポートしたいと申し出てくれました。チームのことを考えてくれた、カッレとヨンネには本当に感謝しています。カッレには優勝を期待しているわけではないと伝えましたが、彼の持ち前のドライビングがあれば、良い結果を残し、エルフィンと貴元とともにチームの助けになってくれることは十分可能だと思っています。チームとしては常に勝利を目指していますが、今回に関しては2台が表彰台を獲得し、週末を通してライバルを上回る成績を残すことをできたならば、素晴らしい結果といえるでしょう。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)

TOYOTA


ここ数日は本当に忙しい日々でした。まず最初にセブ、ヴァンサンを含む全員が無事だったと聞いて安心しました。そしてチームからポーランドに来てほしいという連絡があり、もちろんチームの助けになりたいと思いました。ただし、急いで準備をするのは簡単ではありませんでした。通常なら、現地に入る前にステージのビデオを見て準備をするのですが、その機会はありませんでした。そして、今朝シェイクダウンで3回走行したのが本番に向けての唯一のテストになりましたが、少なくとも3回走った時点でクルマはいいフィーリングでした。今日は既に大勢のファンが来てくれていて、とても嬉しかったのですが、ペースノートを確認しなくてはならないため、自分たちにとっては長い夜になりそうです。決して簡単ではありませんが、とにかくミスをしないように走り、クリーンな週末を過ごし、チームを助けるために最善を尽くして速く走ることができればいいと思っています。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)

TOYOTA


ラリーのスタートを嬉しく思います。サイド・バイ・サイドの競い合いはファンにとって常にエキサイティングなものです。ただ、私たちはクリーンにラリーをスタートすることだけを考えて走りました。ポーランドに来るのは本当に久しぶりですし、ステージには新しいセクションがたくさんありました。そのため、レッキではほぼ白紙の状態からペースノートの作成を始めました。シェイクダウンでは、クルマのフィーリングは上々でしたが、実際のステージはシェイクダウンよりも少しテクニカルになると思うので、まだ適応の必要があるかもしれません。それでも非常に楽しみですし、楽しんで走った上でどうなるか、様子を見たいと思います。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)

TOYOTA


今晩、スーパーSSで、大勢のファンの皆さんの前でラリーをスタートすることができて心が踊りました。自分にとってポーランドは初出場のラリーなので、大きな挑戦となるでしょう。レッキでは非常にハイスピードなステージと、コーナーインカットが多く見られました。最初から100%の力を発揮するのはきっと簡単ではないでしょうし、2回目にステージを走る時の路面コンディションは、誰にとっても難しいものになると思います。シェイクダウンはコーナーが少なく非常に高速だったので、ペースの判断が難しかったですが、フィーリングは上々だったので、明日もベストを尽くして、ここポーランドのステージを楽しみたいと思います。

ラリー・ポーランド デイ1の結果
1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 1m42.5s
2 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1.0s
3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1.3s
4 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1.6s
5 アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1.8s
6 アドリアン・フォルモ−/アレクサンドレ・コリア (フォード Puma Rally1 HYBRID) +1.9s
7 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +2.1s
8 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ (フォード Puma Rally1 HYBRID) +2.7s
9 マールティンシュ・セスクス/レナールス・フランシス (フォード Puma Rally1) +3.7s
10 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +5.7s
(現地時間6月27日21時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

明日のステージ情報
競技2日目となる6月28日(金)のデイ2は、いよいよグラベルステージでの一日を通しての戦いがスタート。ミコワイキの北側から東側にかけての広いエリアで、3本のステージを日中の「タイヤフィッティングゾーン」を挟んで各2回走行します。そのうち、ポーランドの北部で行われる全長29.40kmのSS2/5「スタンチキ」は、今大会最長のステージとなります。その後、一日の最後にはSS1と同じコースで2.50kmのスーパーSSが1本行われます。7本のステージの合計距離は113.50km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は544.82kmとなります。



RALLY PLUS