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WRCポーランド:アンドレアス・ミケルセンがカッレ・ロバンペラに僅差の首位、苦しむ勝田貴元は8番手

©Red Bull

2024年シーズンWRC第7戦ラリーポーランド(グラベル)は、6月28日(金)に7SSを走行し、ヒョンデのアンドレアス・ミケルセンが、トヨタのカッレ・ロバンペラに1.8秒差の首位。勝田貴元(トヨタ)は、32.3秒差の総合8番手につけている。

本格的なラリーが幕が上がる金曜日は、ミコワイキ北東に設定された「Stanczyki(29.40km)」、「Wieliczki(12.90km)」、「Olecko(13.20km)」の3SSを、オレッコでのタイヤフィッティングゾーンを挟んでリピート。最後に前日も走行した「Mikolajki Arena(2.50km)」で締めくくる7SS、113.50km。「Olecko」にはイベントの目玉となるビッグジャンプが含まれているが、ERCとして開催された前回とは逆走となっている。

長いリエゾンを経て挑んだオープニングのSS2、予想外のドラマが待っていた。木曜日に行われたシェイクダウンとSS1で一番時計をマークし、好調をアピールしていたヒョンデのオィット・タナックが、スタートから18.3km地点で鹿にヒット。彼のヒョンデi20Nラリー1はフロントセクションに大きなダメージ負い、ラリー続行を断念することになった。

このステージを制したのは、後方スタートのミケルセン。今回がラリー1初ドライブのマルティン・セスクス(Mスポーツ・フォード)に0.3秒差をつけて幸先良くベストを刻む。タナックがリタイアしたことでミケルセンが首位に浮上。2.2秒差でセスクス、「危ない走りはできない」と語りながらもSS3番手タイムで走ったロバンペラが、7.9秒差の総合3番手につけている。

TOYOTA

以下、同タイムの総合4番手にアドリアン・フルモー(Mスポーツ・フォード)とエルフィン・エバンス(トヨタ)、総合6番手にグレゴワール・ミュンステール(Mスポーツ・フォード)。「いい走りができなかった」と振り返った勝田は19.1秒差の総合7番手、先頭スタートのティエリー・ヌービルは、21.2秒差の総合8番手と大きく出遅れてしまった。

SS3はヌービル、エバンス、フルモー、勝田が走行した段階で、安全上の理由からキャンセル。ミケルセン、ミュンステール、フルモー、セスクス、ロバンペラには、フルモーが記録した5分56秒7がノーショナルタイムとして与えられた。このステージを終えて、首位ミケルセン、総合2番手にセスクスは変わらず、セカンドベストのエバンスが総合3番手に順位を上げている。

SS4も出走順を活かしたミケルセンがミュンステールに3.1秒差のベストをマークし、SS4番手タイムのセスクスとの差を7.4秒に拡大。首位から11.9秒差の総合3番手はエバンス、14.2秒差の総合4番手はロバンペラとトヨタのふたりが続く。以下、フルモー、ミュンステール、ヌービル、勝田のオーダで午前中のセクションを終えた。

オレッコでのタイヤフィッティングゾーンを挟んだ午後のセクション。SS5はロバンペラがエバンスに4.7秒差のベストタイム。マシンバランスに不満を訴えたミケルセンは14.4秒差のSS7番手タイムに沈み、ロバンペラが総合4番手から一気に首位に浮上した。ミケルセン、セスクス、エバンスが2.5秒差以内、総合5番手のフルモーも首位から9.2秒差と、この後も順位が大きく動きそうだ。

M-SPORT


SS6において、7番目にスタートしたミケルセンの走行中、観客の安全確保のため主催者がレッドフラッグを提示。インターバルを経て続くセスクスの走行からステージが再開された。ここではヌービルがエバンスと勝田に0.2秒差のベスト、フルモーが1.9秒差、ロバンペラが2.7秒差、セスクスは5.5秒差で走行。ミケルセンにはトップから0.4秒差の5分49秒7というノーショナルタイムが与えられた。

この結果、ミケルセンがエバンスに2.0秒差をつけてトップに返り咲き、ロバンペラは2.1秒差の総合3番手にドロップ。少し離れた6.2秒差の総合4番手にセスクス、10.5秒差の総合5番手にフルモーというオーダーとなった。

SS7ではスペクテイターがコースに侵入したことを受けて、ヌービル、エバンス、フルモーが走行した段階で、またも中断。その後、キャンセルが決まり、ベストタイムはエバンスに3.1秒差をつけたフルモーが獲得した。3.5秒差の3番手タイムとなったヌービルの7分20秒2が、以降のクルーにノーショナルタイムとして与えられている。

この日を締めくくるのは、ミコワイキのサービスに隣接する2台同時走行の「SS8 Mikolajki Arena 2」。大観衆が見守るなか、ロバンペラと勝田が同タイムのベストタイム。ミケルセンは0.3秒差のSS3番手タイムでまとめ、首位の座をキープした。

「午後はちょっと慎重になりすぎたね。多くのステージでキャンセルになってしまったのは残念だが、良い1日になった。明日はすべてのファンのためにもすべてのステージを走れることを願っているよ」と、ミケルセンはSSを観戦できなかった多くのスペクテイターを気遣っている。

ベストタイムのロバンペラが、エバンスをかわして首位から1.8秒差の総合2番手に浮上。エバンスは厳しい出走順ながらも、首位から2.0秒差の総合3番手。7.5秒差の総合4番手にフルモー、7.7秒差の総合5番手にセスクスと、Mスポーツ・フォードのふたりがトップを10秒差以内で追っており、ラリー最長の土曜日に上位進出を狙う。

TOYOTA


21.3秒差のミュンステールを挟み、先頭スタートでの厳しい1日を終えたヌービルが29.8秒差の総合7番手。「今日はかなり苦しめられましたし、セットアップや考え方を変える必要がありました」と振り返った勝田は、32.3秒差の総合8番手につけている。

競技3日目はSS9〜SS15の7SS、SS走行距離は124.10km。オープニングのSS9は、日本時間6月29日の15時30分にスタートする。

WRCポーランド SS8後暫定結果
1. A.ミケルセン(ヒョンデi20Nラリー1) 59:43.7
2. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1.8
3. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2.0
4. A.フルモー(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +7.5
5. M.セスクス(フォード・プーマ・ラリー1) +7.7
6. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +21.3
7. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +29.8
8. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +32.3
9. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +2:15.6
10. K.カエタノビッチ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +2:24.5



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