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【速報】WRCポーランド:急遽参戦のカッレ・ロバンペラが今季2勝目、僚友エルフィン・エバンスと1-2フィニッシュ

©TOYOTA

2024年シーズンWRC第7戦ポーランドは、6月30日(日)に最終日の4SSを走行し、トヨタのカッレ・ロバンペラが今季2勝目を獲得。チームメイトのエルフィン・エバンスが2位に入り、トヨタは今季3度目の1-2フィニッシュを達成。3位にはMスポーツ・フォードのアドリアン・フルモーが入り、今季3度目の表彰台を獲得している。

この日は、拠点となるミコワイキ近郊の2SSを2度走行する4SS、63.06km。選手たちはSS16〜SS19を、日中サービスなしで走行しなければならない。前日までの総合順位は、首位ロバンペラ、2番手にヒョンデのアンドレアス・ミケルセン、3番手にエバンス、4番手にフルモー、5番手にハイブリッドなしのプーマを駆るマルティン・セスクス、0.1秒差の6番手にヒョンデのティエリー・ヌービルというオーダー。勝田貴元は8番手からポイント獲得を狙うかたちだ。

M-SPORT


この日最初のSS16は20.80kmのGmina Mrągowo 1。前日、“スーパーサンデー”に集中するためにデイリタイアを喫していたヒョンデのオィット・タナックが先頭走者のハンデを跳ねのけてベストタイムをマークする力走。SS2番手は1.2秒差でロバンペラ、SS3番手にエバンスが続く。ここでは総合2番手につけていたミケルセンがパンクを喫し、大きくタイムロス。破損した右リヤタイヤがボディをたたき、リヤフェンダー周辺のボディパネルも失ってしまった。これでミケルセンは総合順位を4番手まで落とすことに。代わってエバンスが総合2番手、フルモーが総合3番手に浮上した。

続くSS17は、10.73kmのMikołajki 1。タナックはここでもステージウインを飾り、着実にスーパーサンデーでのリードを築いていく。SS2番手にはフルモー、SS3番手にはヌービルが続く。一方、土曜日を総合2番手で終えたミケルセンは15点を獲得する権利を守るべく、絶対完走ペースにスイッチ。これでヌービルが総合4番手、ミケルセンが総合5番手となっている。

SS16のリピートとなるSS18では、ロバンペラがトップタイムをマーク。スーパーサンデーのトップを狙うタナックも、0.6秒差のSS2番手タイムで続いた。ミケルセンはクルージングでさらにポジションを落とし、セスクスが総合5番手に浮上している。セスクスはMスポーツのマニュファクチャラーポイント獲得ドライバーとしてノミネートされていないため、ミケルセンとしては、13.3秒差で総合7番手につけるMスポーツ・フォードのグレゴワール・ミュンステールと総合8番手の勝田貴元にかわされなければ最低限の仕事は果たせるという計算か。一方、最終ステージを前に、首位ロバンペラと総合2番手エバンスの差は20.6秒、エバンスと総合3番手フルモーの差も20秒あり、よほどのことがない限りトップ3の順位に変化はなさそうだ。

HYUNDAI


最終ステージのSS19は、SS17の再走。ステージは、まずWRC2部門の上位陣がコースイン。WRC2ではトヨタGRヤリス・ラリー2のサミ・パヤリが前戦イタリアに続いてシーズン2勝目を達成した。GRヤリス・ラリー2は、ポルトガルから3連勝を果たしたことになる。ラリー1勢は、パワーステージでも最大ポイント獲得を狙うタナックからスタート。タナックは5分29秒2をマークして、後続を待つ。後に続く勝田、ミュンステールともタイム更新はならず。出走順が早まったミケルセンは、暫定SS4番手タイムでフィニッシュ。合計タイムでミュンステールを1.4秒上まわり、かろうじて6位以上を確定させた。

ノンハイブリッドのプーマで今大会を賑わせたセスクスはミケルセンのタイムを上まわり、暫定SS4番手に。これで5位以上を決めている。砂利掃除でペースを上げられず後方から這い上がってきたヌービルは、渾身の走りでタナックのタイムを1.6秒しのぐ暫定ベストをマーク。4位以上を確定している。残るトップ3、フルモーは暫定3番手タイムでフィニッシュ、今季3度目の表彰台フィニッシュを確実なものとした。エバンスは左リヤタイヤにダメージがありペースを伸ばせず、暫定SS6番手タイムにとどまる。そして、上位陣最終走者のロバンペラはSS3番手タイムをマーク、代役以上の仕事をきっちりと果たして今季2勝目を手中に収めた。

TOYOTA


これで最終SS終了時点での総合順位はロバンペラ、エバンス、フルモー、ヌービル、セスクス、ミケルセン、ミュンステール、勝田というトップ8。パワーステージはヌービル、タナック、ロバンペラ、フルモー、勝田がトップ5に入り、それぞれボーナスポイントを獲得する結果となった。

土曜日までのポイントと日曜日のポイント、そしてパワーステージでのボーナスを合計すると、ウイナーのロバンペラが27点(18点+6点+3点)、2位のエバンスが17ポイント(13点+4点+0点)を獲得。3位のフルモーも17ポイント(10点+5点+2点)で、土曜日2番手のミケルセンが15点(15点+0点+0点)、パワーステージを獲ったヌービルが14点(6点+3点+5点)、日曜日にかけたタナックが11点(0点+7点+4点)を獲得している。

ドライバーズランキング上位はヌービルが136ポイントで首位、エバンスが121ポイントで単独2番手に。タナックが115ポイントで3番手となっている。以下、今回欠場したオジエが92ポイントで4番手のまま、5番手のフルモーが91ポイント、今大会で優勝したロバンペラが63ポイントで6番手、勝田が58点で7番手という並びとなった。マニュファクチャラーズポイントは、ヒョンデが311点、トヨタが301点、Mスポーツ・フォードが156点となっている。

次戦は7月18日〜21日に開催されるラトビア。長らくラリーリエパヤとしてERCに組み込まれてきたが、初めてWRCとしての開催を迎える高速グラベルラリーだ。いわゆるバルト三国のうちのひとつで、エストニアの南部に位置する。バルト海に面したリエパヤにサービスが設けられる予定となっている。セスクスにとっては母国でもあり、ラトビアにはハイブリッド付きのプーマ・ハイブリッド・ラリー1での参戦が決まっている。セスクスはこのポーランドと同様、昨年のERCラトビアも制している。後方スタートを利した番狂わせはあるだろうか。

M-SPORT


WRCポーランド 最終暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:33:07.6
2. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +28.3
3. A.フルモー(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +42.7
4. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +1:10.8
5. M.セスクス(フォード・プーマ・ラリー1) +1:47.0
6. A.ミケルセン(ヒョンデi20Nラリー1) +2:16.6
7. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +2:18.0
8. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:26.97
9. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +7:50.7
10. O.ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +8:12.7



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