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WRCポーランド:トヨタは緊急参戦のカッレ・ロバンペラが優勝、エルフィン・エバンスも2位でフィニッシュ

©TOYOTA

WRC第7戦ラリーポーランドは、6月30日に競技最終日を終え、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンが今季2勝目をマーク。エルフィン・エバンス/スコット・マーティンは順位をひとつ上げて2位に入り、チームは1‐2フィニッシュを果たした。勝田貴元/アーロン・ジョンストンは8位を維持してラリーを終えている。

(以下、チームリリース)


WRC 第7戦ラリー・ポーランド デイ4
ロバンペラが優勝、エバンスは総合2位に入り
TGR-WRTは今季3回目の1-2フィニッシュ

6月30日(日)、2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリー・ポーランドの最終日デイ4が、ポーランド北東部「ミコワイキ」のサービスパークを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)が優勝。エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は総合2位で、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は総合8位でフィニッシュしました。

TOYOTA

ラリー・ポーランドの最終日デイ4は、サービスパークの周辺から西側にかけてのエリアで、2本のステージを各2回走行。4本のステージの合計距離は63.06kmでした。最終日も天気は良く、4本のステージともドライコンディションでの戦いとなりました。

前日、首位に立ち総合2位のアンドレアス・ミケルセン(ヒョンデ)に9.4秒差を築いたロバンペラは、オープニングのSS16で2番手タイムを記録。また、ミケルセンと6.7秒差の総合3位につけていたエバンスは、3番手タイムを記録しました。そして、このステージでミケルセンがタイヤのトラブルにより大幅にタイムを失ったことにより、エバンスは総合2位に順位を上げました。その後、SS18ではロバンペラが今大会9本目となるベストタイムを刻み、総合2位エバンスとの差を20.6秒に拡大。そして迎えた最終のパワーステージでロバンペラは3番手タイムを記録し、第3戦サファリ・ラリー・ケニア以来となる今シーズン2勝目を飾りました。ロバンペラはこれでWRCトップカテゴリーでの優勝回数は「13」となり、69号車をドライブするロバンペラにとって、WRC69戦目での勝利は特別なものになりました。一方、エバンスはパワーステージでタイヤから空気が抜け、7番手タイムと遅れをとりました。それでも総合2位の座はしっかり守り、今季4回目の表彰台を獲得しました。

日曜日の合計タイムによってのみ争われる「スーパーサンデー」は、ロバンペラが2位、エバンスが4位でぞれぞれポイントを獲得。ロバンペラは土曜日までの順位で獲得したポイントに、スーパーサンデーとパワーステージで得たポイントを加え、ドライバー選手権6位に順位を上げました。また、エバンスはパワーステージのポイントこそ逃しましたが、合計では選手権首位を争うライバルたちよりも多くのポイントを獲得。ドライバー選手権では単独2位に復帰し、首位ティエリー・ヌービル(ヒョンデ)との差を15ポイントに縮めました。なお、TGR-WRTはマニュファクチャラー選手権2位の座を守り、首位チームとの差を10ポイントに縮めました。

今回がラリー・ポーランド初出場だった勝田は、最終日も総合8位を守りフィニッシュ。パワーステージは5番手タイム、スーパーサンデーでは6位に入り、合計6ポイントを獲得してラリーを終えました。

TOYOTA

サポート選手権のWRC2では、サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン組(プリントスポーツ)が今シーズン2勝目を獲得。GR Yaris Rally2は、ラリー・ポルトガル(ヤン・ソランス/ロドリゴ・サンフアン組)、ラリー・イタリア サルディニア(パヤリ/マルコネン組)、そして今回のラリー・ポーランドと、デビューイヤーにも関わらず既に3勝を記録しています。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
カッレとヨンネがこのラリーで優勝できたのは、信じられないことです。火曜日の午後カッレに連絡してポーランドへの出場を依頼した時、優勝は期待していないと彼に伝えました。カッレの実力ならば、少なくともトップ5に入れることは分かっていましたし、それでも選手権では我々にとって有利になるだろうと考えていました。準備期間のない状態でラリーをスタートさせるのは、選手たちにとって決して良い方法ではないことは分かっていました。それでもチームのことを考え、全力でサポートし、多くのポイントをもたらしてくれた彼らに心から感謝します。また、この週末カッレとヨネをサポートするために全力を尽くしてくれた、エルフィンとスコットにも感謝します。1-2フィニッシュという結果は、これ以上ないほど素晴らしいものです。エルフィンがより多くの選手権ポイントを獲得できなかったことは残念ですが、それでも全体的にはポジティブなリザルトを得られたと思います。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
とても素晴らしい一週間であり、同時に非常に厳しい一週間でもありました。ハードに仕事をこなしてきたので、今は非常に疲れています。準備期間が限られていたので、常にプッシュし続けなくてはならない、このようなハイスピードラリーでは楽ではありませんでした。限られたスケジュールの中で常に作業を行い、事前に決めた計画に従ってステージを走り、自分たちにできる限りのことをやったことが、最終的に報われました。日曜日は、走行距離が長くテクニカルなステージもある重要な一日でした。自分たちは昨日と同じようなペースで走り、勝つために十分安全を確保しながらも、さらに多くのポイントを獲得しようと試みました。そして、 フィニッシュではチームのために多くのポイントを獲得することができました。火曜日にチームから連絡を受けた時、そうすることが自分たちの目標だったので、ポーランドに出場したのは正解だったと思います。

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エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
自分たちの最終的な総合順位には満足しています。日曜日のポイントは、前日までと同じくらい重要なので、今日はできるだけ多く獲得しようと頑張りました。すべて順調でしたが、残念ながら最後のパワーステージでパンクを喫してしまいました。コーナリングライン上に石があり、私たちにできることはあまりなかったと思います。失ったタイムはほんの数秒でしたが、このポイントシステムでは、このような小さな問題でも大きな損失に繋がってしまいます。このような形でラリーを終えるのは残念です。今週末のスピードは悪くありませんでした。金曜日は出走順を考えれば良かったですし、土曜日もタイヤの問題が起こるまでは順調でした。これまでのラリーよりも、クルマのフィーリングが格段に良くなっているのは間違いありません。この調子で、今回ここで学んだことを活かし、次のラトビアで良い結果を残せるように頑張りたいと思います。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)
この結果を勝ち取ったカッレ、ヨンネ、そしてチーム全員を祝福します。自分にとっては困難なラリーでした。金曜日の午前中にかなり苦戦し、それが土曜日と日曜日の出走順を悪くすることに繋がってしまいました。最終日にできることは限られており、チームのために望んでいたような良い結果を出すのは難しかったです。ただし、それと同時に、このようなコンディションで上手くドライブする方法について多くを学ぶことができました。上手く走ることができたり、良いフィーリングを得られた区間もあったので、ラトビアで開催される次のラリーでは、それを活かすとともに、あまり良くなかった部分を改善し、さらに良い走りができるように頑張ります。

ラリー・ポーランドの結果
1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 2h33m07.6s
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +28.3s
3 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (フォード Puma Rally1 HYBRID) +42.7s
4 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1m10.8s
5 マールティンシュ・セスクス/レナールス・フランシス (フォード Puma Rally1) +1m47.0s
6 アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +2m16.6s
7 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ (フォード Puma Rally1 HYBRID) +2m18.0s
8 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +2m26.7s
9 サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン (トヨタ GR Yaris Rally2) +7m50.7s
10 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +8m12.7s
(現地時間6月30日16時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

第7戦 終了時点でのドライバー選手権順位
1 ティエリー・ヌービル 136ポイント
2 エルフィン・エバンス 121ポイント
3 オィット・タナック 115ポイント
4 セバスチャン・オジエ 92ポイント
5 アドリアン・フォルモー 91ポイント
6 カッレ・ロバンペラ 63ポイント
7 勝田 貴元 58ポイント
8 アンドレアス・ミケルセン 29ポイント
9 ダニ・ソルド 27ポイント
10 エサペッカ・ラッピ 23ポイント

第7戦 終了時点でのマニュファクチャラー選手権順位
1 Hyundai Shell Mobis World Rally Team 311ポイント
2 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team 301ポイント
3 M-Sport Ford World Rally Team 156ポイント

次回のイベント情報
WRC次戦は、7月18日(木)から21日(日)にかけて開催される、第8戦「ラリー・ラトビア」です。バルト3国のラトビアでWRCが開催されるのは今回が初めてであり、ここ数年WRCが開催されていたエストニアと入れ替わる形でシリーズに加わります。ラリーは首都リガからスタートしますが、サービスパークはバルト海に面する西部の都市「リエパーヤ」に置かれ、その周辺のグラベルロードが戦いの舞台となります。ステージは全体的にハイスピードで、ラリー・ポーランドと同じように路面はやや軟らかめで、轍ができやすい道が多いことが特徴です。



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