ラリー開催前から自然保護などを謳う反対派の活動が行なわれてきたラリーオーストラリアだが、開催期間中となった今、その動きは前にも増して活発になってきた。
実際の被害としては、新井敏弘のマシンが出走前に2人組の男に襲われてダメージを受けている。
シェイクダウン後にセッティングを変更した新井のマシンをチームエンジニアがチェックしていたところ、メイン通りから1本入った脇道でクルマに行く手を塞がれてしまった。そこで2人組の男に襲撃されたという。
運転していたクルーは無事だったが、ゴルフクラブでボンネットとフロントガラスにダメージを負ってしまった。
かけつけた警察に事情を説明したものの、犯人は「知らない」と言い張り無罪放免だったという。パーツの交換を余儀なくされてしまったため、主催者はその日の夜に行なわれるスーパーSSのホールディングエリアへの入庫時間を延長する措置をとった。
チームとしてもそれ以上の問題追求はしなかった模様。
ラリー中の投石などは他の国でも決してないわけではないが、これにはチャンピオンのローブもやや困惑気味だ。
「もちろん、頼んだわけでもないのに自分の家の前を走りまわる僕らのことを気に入らない人たちだっているだろう。そりゃあ分からないわけじゃない。だけど、これが僕らの仕事なんだ」と地元の新聞に語っている。
ラリー組織委員会のマイク・レイナーは昨日の朝、道路に描かれた落書きをいくつか消してきたと語る。
「道路に描かれた不快な落書きを消すのは、それがラリーに反対しているからじゃない。常識の範囲から逸脱しているからだ。
いくら開催に反対する人間たちがいたとしても、我々はそういったやり方は受け入れられない。それが不快なものであるならなおさらだよ。
自然との共生、それはある意味ラリーにとって永遠の課題かもしれない。だけど、その美しい自然を守ろうという人たちが、醜い落書きをするというのは理解に苦しむよ」
デイ2は7時28分スタートのSS16を皮切りに10SS、113kmの競技区間で争われる。