今週開催されるWRC第8戦ラリーラトビア(グラベル)に、ヒョンデはレギュラードライバーのティエリー・ヌービル、オィット・タナックに加え、エサペッカ・ラッピを3台目のヒョンデi20Nラリー1ハイブリッドのドライバーに起用する。第2戦スウェーデンで優勝を飾っているラッピのWRC参戦は、サファリ以来となる。
今季初めてWRCカレンダーに加わったラトビアのイベントは、長年ERCラウンドとして開催されてきており、高速グラベルラリーとして知られている。タナックとラッピは、それぞれ路面が似ているラリーエストニア、リエツバラリー(リトアニア)に参戦して準備を進めている。
前戦ポーランドでは厳しい結果となったヌービルだが、ドライバーズ選手権では15ポイント差を残しての首位を死守しており、再び迎える高速グラベルイベントで後続の引き離しを狙う。
「ラリーラトビアもチャレンジングなラリーとなるし、先頭走行で最初に路面状況を目の当たりにする立場であることは、さらに難しいもの」とヌービルは警戒を見せる。
「このイベントの路面はエストニアととても似ていて、速度域はもう少し高いかもしれないが、それまでの低速でテクニカルなイベントから感覚が変わる中で、高速グラベルラリーだったポーランドの参戦は役に立つ。ラトビアについては、ほかの選手権のオンボード動画をたくさん見て、道の性格やアイテナリー、タイヤ選択やセットアップの感覚を研究した。自分は選手権争いに専念して、ライバルとのポイント差を広げることに努めるが、砂利掃除の影響は大きいので難しい戦いになるだろう。リピート走行しないステージも多いし、スポット参戦で速いドライバーも多いので、期待はあまり高めないが、ライバルよりも上でフィニッシュしようというモチベーションは高めている」
ドライバーズ選手権では、ヌービルに21ポイント差の3番手でラトビアラウンドを迎えるタナック。
「このタイプの道をドライブするのは好きだが、過去、このイベントに参加したことがあるといっても、10年以上も前のことなんだ」とタナック。
「前戦ポーランドでは日曜日にとてもいい走りができたが、ラトビアもポーランドと道がとても似ているし、路面という点では母国エストニアのラリーとも類似している。ポーランドでは金曜日にデイリタイアしてしまい、本領を発揮することができなかったので、ラトビアはスムーズにラリーを進めたい。どんな週末になるか予想することは難しいか、ラトビアでは最大限の力を発揮したい」
今季3度目のWRC参戦となるラッピは、ドライバーズ選手権では現在10番手。冬に開催された年のラリーラトビアに参戦した経験を持っている。
「自分は2014年にラリーラトビアに参戦したが、その時は冬のイベントだったので、そんな昔の経験はあまり役立てることはできないと思う。最近のイベントの動画やオンボードをたくさんみて、経験したり、エンジニアとイベントの性格やマシンのセットアップの可能性について話し合ってきた」とラッピ。
「リトアニアのラリーに参戦したことはとても役に立った。高速ステージでは走行経験がとても重要だし、最後に参戦したのはケニアで、ラトビアとはまったく違うからね。目指すのはポディウム。このようなイベントでは、どんなことでも起こる可能性がある」