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WRCラトビア事前情報:待望のWRC初開催イベントは高速グラベルラリー

©FIA

7月18日〜21日に開催されるWRC第8戦ラリーラトビアで、ラトビアはWRCイベントを開催する37番目の国となる。

世界選手権カレンダーに初めて加わるラトビアだが、長年ERCラウンドを開催しており、2016〜2022年は世界ラリークロス選手権の舞台ともなっており、国際格式のモータースポーツイベントが行われることには馴染みがある国。

ラリーラトビアは、絶好のタイミングでWRC初開催を果たすことになった。前戦ポーランドで、ラトビア出身、24歳のマルティン・セスクスが、史上初めてハイブリッドなしのラリー1マシンでトップカテゴリーに挑戦。総合5位と大健闘を見せた。セスクスは、この母国初開催のWRCイベントでは、ハイブリッドシステム搭載のフォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1で登場する。

イベントは、基本的には2013年にウインターイベントとして始まったラリーリエパヤを拡大した内容になっているが、ラリーリエパヤは会期を初夏に移した現在は、高速グラベルラリーとして知られている。ラリーは7月17日、首都のリガに設定されるステージで開幕する。このステージは、世界ラリークロスの会場となったビケルニエキ複合運動基地の一部も走行。ここでは、インターコンチネンタル・ドリフトカップが開催されたこともある。

WRC初開催のラトビアに、公式タイヤサプライヤーのピレリは、スコーピオンKXのソフトとハードタイヤを供給する。第一選択肢となるのは、冷涼で湿ったコンディション向けのソフトコンパウンド。気温が高くドライのコンディション向けのハードコンパウンドは第二選択肢となる。ラリー1勢がイベント中に使用できるタイヤの本数は、シェイクダウンを含めて最大28本となっている。

■エントリー状況
ヒョンデ・シェル・モビスWRT:第7戦を終えてドライバーズ選手権首位に立っているティエリー・ヌービルは、ラトビアの高速グラベルステージを走るのは今回が初めて。オィット・タナック、エサペッカ・ラッピも、ラトビア初参戦となる。ラッピは、サファリ以来のWRC参戦だが、ラトビアの前身イベント、ラリーリエパヤでは、ウインターイベントとして開催された10年前に優勝を飾っている。

トヨタ・ガズーレーシングWRT:ポーランドを急きょ欠場したセバスチャン・オジエが実戦に復帰。代替で参戦し優勝を飾ったカッレ・ロバンペラは、2017年にラトビアで初めて国際格式ラリーに参戦し、その年のラトビア選手権を制している。レギュラードライバーのエルフィン・エバンス、勝田貴元を加え、チームは4台のトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドをエントリーさせる。勝田は、ラトビアの参戦経験を持っている。

Mスポーツ・フォードWRT:前戦ポーランドを3位でフィニッシュしたアドリアン・フルモーは、ラトビア初参戦。チームメイトのグレゴワール・ミュンステールは、3回の経験を持っている。セスクスとともに、3台のフォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1をエントリーする。

■サポートカテゴリー
WRC2部門には19台、WRC3部門には4台がエントリーしている。

WRC2部門の筆頭はオリバー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)。ラトビアでは2019年に、17歳8カ月3日でERC優勝の史上最年少記録を打ち立てている。そのほか、サルディニア、ポーランドと連勝したサミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2)、ガス・グリーンスミス(ファビアRSラリー2)のシリーズ強豪に加え、カナダ出身のアメリカン・ラリーアソシエーション王者、ブランドン・セメナックがトヨタGRヤリス・ラリー2でWRCデビューを飾る。

さらに2022年のWRC2王者エミル・リンドホルム(ヒョンデi20Nラリー2)、ミッコ・ヘイッキラ(GRヤリス・ラリー2)、2023年のジュニアWRC王者のウィリアム・クレイトン(フォード・フィエスタ・ラリー2 MkII)、ジョシュ・マクリーン(ファビアRSラリー2)も名を連ねる。

WRC3部門では、ERC3に参戦中のトルコの18歳、ケレム・カザスは、フォード・フィエスタ・ラリー3でWRC3デビューを飾る。

■ラリールート
WRCラウンドとして開催される初めてのラリーラトビアには、20SS・300.13kmが設定。競技は7月18日木曜日現地時間20時5分から、首都のリガで11.13kmのBikernieki Track を走行する。

金曜日は国西部のバルト海沿岸の町、リエパヤに戻り、タルシ、ツクム地方周辺を走行。1回のみ走行のステージが3本、2ループするステージが2本、設定される。この日は、2回のタイヤフィッティングゾーンのみで、日中サービスは設定されない。

土曜日はリエパヤ北部のクルディガ周辺を走行。1回のみ走行するステージを5本、2ループするステージを1本走行した後、ターマック路面のLiepaja Cityで締めくくる。

最終日はリエパヤ北東部と南西部の2本を2ループで構成。Mazilmaja(13.34km)の2回目の走行がパワーステージに指定されている。

■ラリーデータ
開催日:2024年7月18日〜21日
サービスパーク設置場所:リエパヤ
総走行距離:1348.83km
総ステージ走行距離:300.13km(SS比率22.3%)
総SS数:20

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3

■マニュファクチャラーズ選手権ノミネートドライバー
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]

エルフィン・エバンス(#33)
カッレ・ロバンペラ(#69)
セバスチャン・オジエ(#17)

[ヒョンデ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル(#11)
オィット・タナック(#8)
エサペッカ・ラッピ(#4)

[Mスポーツ・フォードWRT]
アドリアン・フルモー(#16)
グレゴワール・ミュンステール(#13)

■2023年ラリーラトビア最終結果
1 M.セスクス/R.フランシス(シュコダ・ファビアRSラリー2)1:22:47.3
2 H.パッドン/J.ケナード(ヒョンデi20Nラリー2) +41.4
3 M.オストベルグ/P.バース(シトロエンC3ラリー2) +1:04.0
*ERCとしての開催

■近年のウイナー
2023年 M.セスクス(シュコダ・ファビアRSラリー2)
2022年 M.セスクス(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)
2021年 N.グリアジン(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)
2020年 O.ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)
2019年 O.ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)
*ERCとしての開催



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