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WRCラトビア:トヨタが1‐2体制を築いて最終日へ

©TOYOTA

WRC第8戦ラリーラトビア(グラベル)は、7月20日、SS9〜SS16の走行が行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンが、この日もリードをさらに広げた。さらにセバスチャン・オジエ/バンサン・ランデも順位を2番手に上げて、土曜日までの順位で1‐2を決めた。エルフィン・エバンス/スコット・マーティンは順位をひとつ上げて6番手となったが、勝田貴元/アーロン・ジョンストンはSS12でオーバーシュートを喫し、7番手に後退している。

(以下、チームリリース)


WRC 第8戦ラリー・ラトビア デイ3
ロバンペラが6本のベストタイムで首位を守り
オジエは総合2位に順位を上げる

7月20日(土)、2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第8戦「ラリー・ラトビア」の競技3日目デイ3が、ラトビア西部のリエパーヤを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)が首位を守り、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)が総合2位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合6位に、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合7位につけました。

TOYOTA

ラリー・ラトビアのデイ3は、サービスパークが置かれるリエパーヤの東から東北にかけてのエリアが戦いの主舞台に。ステージは全部で8本、その合計距離は104.00kmでした。ステージの上空には朝から青空が広がり、気温は日中24度前後まで上昇。全体的にドライコンディションの路面で戦いが繰り広げられました。

前日のデイ2で4本のベストタイムを記録し、総合2位のマールティンシュ・セスクス(Mスポーツ・フォード)に15.7秒差をつけたロバンペラは、デイ3でも好調を維持。SS9からSS12にかけての前半ループでは、ライバルよりも1本多い2本のスペアタイヤを搭載しながらも、3本のベストタイムを記録。SS11でセスクスを抜き総合2位に順位を上げたオジエに対し、34.8秒のリードを築きました。なお、この日2本目のベストタイムは、ロバンペラとハルットゥネンにとってWRCにおける200回目のベストタイムとなり、2020年にTGR-WRTでWRCトップカテゴリーにステップアップしてから50戦目での達成となりました。

ミッドデイサービスを経て始まった、SS13からSS16にかけての後半ループで、ロバンペラはさらに3本のベストタイムを記録。総合2位のオジエに対し、42.5秒のリードを築き首位を守りました。オジエは、SS11の終盤コーナリングラインが膨らみ、側溝に落ちながらも4番手タイムでセスクスを抜き総合2位にポジションアップ。トップカテゴリーのドライバーの中で、もっとも経験豊かなオジエと、経験が浅いセスクスのタイム差は、前半のループが終了した時点で0.6秒という僅差でした。しかし、後半ループのSS15でオジエはベストタイムを刻み、最終的には差を4.7秒に拡げて一日を終えました。ロバンペラとオジエは、明日の日曜日のステージを最後まで走り切れば、土曜日終了時点での総合順位に対して与えられるポイントを獲得することができ、TGR-WRTはマキシマムのマニュファクチャラーズポイントを得ることができます。

前日のデイ2終了時点で、不利な出走順2番手だったにも関わらず総合7位につけたエバンスは、デイ3でひとつ順位を上げ、ドライバー選手権で首位を争うティエリー・ヌービル(ヒョンデ)よりも2つ上の順位をキープしました。また、デイ2で2本のセカンドベストタイムを記録し総合4位に順位を上げた勝田は、SS11で2番手タイムを記録するもひとつ順位を下げ、総合5位に。続くSS12ではオーバーシュートを喫した際にパワーステアリングにダメージを負い、パワーアシストがない状態で走行を続けることになり、大幅にタイムを失い総合7位に後退しました。その後、ミッドデイサイービスでクルマは修理され、勝田はSS15で3番手タイムを、最終のSS16ではベストタイムのロバンペラと僅か0.1秒差の2番手タイムを記録。総合6位に順位を上げたエバンスと、11.7秒差の総合7位でデイ3を終えました。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
今日も素晴らしい一日でした。ドライバーたちは本当に速く走りながらも、コースから外れないように上手くコントロールしていました。また、我々のクルマがこのようなコースで非常にうまく機能していることも確認できました。カッレは今日も力強い走りでリードを広げ、セブも土曜日終了時点での1-2フィニッシュ達成に貢献してくれました。もし、明日最後まで走り切ってポイントを獲得することができたら、それはチャンピオンシップにとって大きな助けになります。貴元は順調にパフォーマンスを上げていましたが、残念ながらほんの僅かなミスが厳しい結果に繋がってしまいました。エルフィンは、ティエリーよりも多くの土曜日までのポイントを獲得可能な状況にあるので、日曜日に自分たちが何をできるのか楽しみです。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
自分たちの今日の戦いには満足できますし、とてもハッピーです。クルマのフィーリングは非常に良く、全体的には昨日よりも楽しく感じられた一日でした。正直なところ、それほどハードにプッシュする必要はなかったですし、危ないと感じた瞬間もヒヤッとすることもなく、とてもクリーンな一日でした。 セブとともに、チームに多くの、そして重要なポイントをもたらすことが可能な状況にもっていくことができましたし、明日もさらに多くのポイントを獲得できるように努力するつもりです。明日の最終日に向けて良い出走順を得ることができたので、それを最大限に活用しなくてはなりません。トップに立っていたとしても、総合優勝を獲得するのは簡単ではありませんが、良いペースを保ち、良い仕事ができるように頑張ります。

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エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
全体的には今日の結果にはあまり満足していません。午前中は悪くはなかったのですが、完璧ではありませんでしたし、午後も思うように行きませんでした。スピードが少し足りず、走りのフィーリングも今ひとつでした。リズムをつかむのに苦労し、コーナーリングラインがワイドになってしまったことで、貴重な数秒を失ってしまいました。ただし、少なくとも土曜日までのポイント獲得は確実なので、明日いい走りをすることに今は集中しています。ここまでの出走順とスピードの関係を考えると簡単ではないと思いますが、とにかくチャレンジし、最大限の結果を得たいと思っています。

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)
今日は完璧な一日ではありませんでしたが、総合2位という結果には満足するべきでしょう。 午前中は自分のパフォーマンスに不満を感じていました。十分にプッシュすることができず、少しミスをしたこともありタイムを失ってしまったからです。 午後はかなり短いループでしたが、状況は良くなり、ちょっとしたセットアップ変更が奏功していいペースで走ることができました。カッレはこの週末まるで別世界にいるようでしたが、今夜は2位に入り、チームの目標だった1-2フィニッシュを達成することはできました。もちろん日曜日の戦いも今やポイント獲得の面でとても重要ですが、2回目の走行時は深い轍が掘れると思うので、難しくなりそうです。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)
今朝はすべてが順調で、トップタイムに迫る走りができました。しかし、ループ最後のステージのシケインでつまらぬミスを犯し、オーバーシュートしてしまいました。コースに戻ることはできたのですが、衝撃でパワーステアリングが効かなくなり、残念ながらそのせいでステージの残りの区間でかなりタイムを失ってしまいました。午前中と同じ気持ちで、午後のループに戻ることは簡単ではありませんでしたし、一日が終わった時点での順位は自分が望んでいたものではありませんでした。それでも、自分はこのクルマで走ることを楽しんでいますし、自信も持っています。そして、このようなステージではそういったことが重要なのです。

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ラリー・ラトビア デイ3の結果
1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 1h58m55.6s
2 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +42.5s
3 マールティンシュ・セスクス/レナールス・フランシス (フォード Puma Rally1 HYBRID) +47.2s
4 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1m08.0s
5 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (フォード Puma Rally1 HYBRID) +1m16.4s
6 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m34.3s
7 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m46.0s
8 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +2m33.9s
9 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +3m11.1s
10 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ (フォード Puma Rally1 HYBRID) +3m40.9s
(現地時間7月20日21時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

明日のステージ情報
競技最終日となる7月21日(日)のデイ3は、サービスパークを起点に、リエパーヤから比較的近い東側のエリアで2本のステージを、ミッドデイサービスやタイヤフィッティングゾーンを挟むことなく各2回走行。そのうち、SS18の再走ステージとなるSS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。4本のステージの合計距離は64.08km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は258.42kmが予定されています。



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