WRCフィンランド事前情報:高速グラベル連戦3戦目、バーチャルシケインが初登場 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCフィンランド事前情報:高速グラベル連戦3戦目、バーチャルシケインが初登場

©FIA

2024年のWRCは8月1日〜4日に開催される第9戦ラリーフィンランドで、高速グラベル3連戦の最終戦を迎える。

1973年にWRCが創設された時からカレンダーに含まれているラリーフィンランドは、シリーズで最も象徴的なイベントのひとつ。速度域の高いグラベルステージは、ジャンプやクレストも頻発し、ドライバーにはエキサイティングな試練を与え、ファンには豪快なパフォーマンスを提供する。

今回のフィンランドには、地元フィンランド期待の若手、サミ・パヤリがトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドでラリー1デビューを飾るほか、選手権では初めて、バーチャルシケインが導入される。

バーチャルシケインは昨年、ERCイベントのラリーディローマ・キャピターレ(ターマック)で試用されたほか、前戦ラリーラトビアのシェイクダウンでも一部のクルーが試している。今回のフィンランドでは、土曜日のオウニンポウヤにWRCの競技ステージとして初めて設定される。

WRC PROMOTER

WRCの公式タイヤサプライヤー、ピレリは、ラリー1マシンにはスコーピオンKXタイヤを供給する。暖かくドライの天候ではハードが第一選択肢となり、ソフトコンパウンドは気温が低く湿ったコンディションでの選択肢となる。ラリー1勢が今回のラリーフィンランドで使用できるタイヤ本数は、ルーヒマキでのシェイクダウンで使用する4本を含めて28本となる。

■エントリー状況
ヒョンデ・シェル・モビスWRT:ティエリー・ヌービルとオィット・タナックは、現在ドライバーズ選手権では首位、2番手に立っている。3台目のヒョンデi20Nラリー1ハイブリッドのドライバーには、地元フィンランド出身のエサペッカ・ラッピを起用する。

トヨタ・ガズーレーシングWRT:このラリーフィンランドには、トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドを5台エントリー。昨年のフィンランドの覇者エルフィン・エバンスとともにレギュラードライバーを務める勝田貴元に加え、現王者のカッレ・ロバンペラは直近2戦のポーランド、ラトビアを連勝中。さらにWRC8冠のセバスチャン・オジエと堂々たる顔ぶれに、ラリー1デビューのパヤリが加わる。

Mスポーツ・フォードWRT:レギュラードライバーのアドリアン・フルモー、グレゴワール・ミュンステールが、フォード・プーマ・ラリー1ハイブリッドをドライブする。

■サポートカテゴリー
WRC2部門には31台がエントリー。前戦ラトビアを制したオリバー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)は、選手権リーダーとしてフィンランドを迎える。地元フィンランド勢は、テーム・アスンマア(ファビアRSラリー2)、ミッコ・ヘイッキラ(トヨタGRヤリス・ラリー2)、ラウリ・ヨーナ(ファビアRSラリー2)、ルーペ・コルホネン(GRヤリス・ラリー2)、エミル・リンドホルム、テーム・スニネン(ヒョンデi20Nラリー2)に加え、トヨタのWRCチーム代表を務めるヤリ‐マティ・ラトバラが、GRヤリス・ラリー2でWRC2部門にノミネートしている。

そのほか、エストニアのゲオルグ・リンナマエ(GRヤリス・ラリー2)とロベルト・ビルベス(ファビアRSラリー2)は、ERCイベントとして開催された母国ラリーを1位、2位でフィニッシュしており、同じく高速グラベルラリーのフィンランドでもトップリザルトを狙う。

さらに2023年のジュニアWRC王者のウィリアム・クレイトン(フォード・フィエスタ・ラリー2 MkII)、モータースポーツ・アイルランド・ラリーアカデミーのチームメイトであるジョシュ・マクリーン(ファビアRSラリー2)、ガス・グリーンスミス(ファビアRSラリー2もWRC2にノミネートしている。

ラリーフィンランドでは、フォード・フィエスタ・ラリー3のワンメイクシリーズ、ジュニアWRCが今季4戦目を迎え、17台がエントリーしている。トム・レンソネット、イーモン・ケリー、リービ・ラッシラ、昨年のジュニアERC王者、ノルベルト・マイオール、FIAラリースター勢のホセ・カパロ、テイラー・ギル、ロメ・ユルゲンソン、マックス・スマートが名を連ねている。

WRC3部門には、マッテオ・シャティロン(ルノー・クリオ・ラリー3)、トリスタン・シャルペンティエ(フィエスタ・ラリー3)が、WRCマスターズカップにはマウロ・ミーレがエントリーしている。

■ラリールート

TOYOTA

クラークオブザコースの「史上最高のルートのひとつ」と自負する今年のルートは、20SS・305.69kmで構成。ルートの61%が昨年から変更を受けており、SSの12%は、1997年以来の使用となる。

スタートとフィニッシュはユバスキラ・ハーバーに設定。拠点となるパビリオンキのサービスパークからの行き来も簡便な位置にある。競技は1日木曜日、舗装とグラベルのミックス路面のHarjuから始まる。

2日金曜日は9SS・116.33kmで構成。WRCイベントには初登場のSaarikasも登場する。この日は、再びHarjuで締めくくる。

土曜日は、ヤムサ地方の3SSを2ループする。名物ステージのオウニンポウヤは、今年は32.98kmとフルの距離で使用するため、山場のひとつと見られている。

スーパーサンデーはSahloinen-MoksiとLaajavuoriを2ループ。Laajavuoriの2回目は、パワーステージに指定されている。

■ラリーデータ
開催日:2024年8月1日〜4日
サービスパーク設置場所:ユバスキラ
総走行距離:1372.56km
総ステージ走行距離:305.69km(SS比率22.3%)
総SS数:20

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3
JWRC

■マニュファクチャラーズ選手権ノミネートドライバー
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]

エルフィン・エバンス(#33)
カッレ・ロバンペラ(#69)
セバスチャン・オジエ(#17)

[ヒョンデ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル(#11)
オィット・タナック(#8)
エサペッカ・ラッピ(#4)

[Mスポーツ・フォードWRT]
アドリアン・フルモー(#16)
グレゴワール・ミュンステール(#13)

■2023年ラリーフィンランド最終結果
1 E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッド)2:33:11.3
2 T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド) +39.1
3 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッド) +1:36.7

■近年のウイナー
2023年 E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッド)
2022年 O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド)
2021年 E.エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)
2019年 O.タナック(トヨタ・ヤリスWRC)
2018年 O.タナック(トヨタ・ヤリスWRC)
*2020年はCOVID-19の感染流行により開催キャンセル



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