8月1日(木)に開幕したWRC第9戦ラリーフィンランド、レッキを終えたTGR WRCチャレンジ2期生の小暮ひかると山本雄紀に意気込みを聞いた。彼らにとってはスウェーデン、クロアチア、ポルトガル、サルディニアに続く、今シーズン5戦目のWRC参戦となる。
小暮ひかる
──レッキはどうでしたか?
いつもと違って、去年に参加した経験があるイベントということもあって、去年走ったステージは前回のペースノートを使用しているところもあります。フィーリングも悪くはなかったので、そういう意味ではレッキは比較的ラクだったのかなと思っています。でもオウニンポウヤなどは初めてのステージなので、いきなり走ってペースノートを作るというのはなかなか大変な作業でした。
──33kmは長い! という感じのステージですか?
いえ、33kmと聞いている程は長く感じなかったです。後半の一部が、去年の「ラプスラ(2023年のSS13/SS17)」と一緒で、その辺はかなり覚えていたので、ちゃんと作らなくてはならなかったのは前半の20kmくらいでしたから、そこはラクに感じました。
──ジャンプで「ここは大変そう」というところはありましたか?
いっぱいあります(笑)。スピードやラインを間違えたら、普通にコースアウトしたり大クラッシュしそうなところは何個もあるので、戻ったらレッキ時のオンボードビデオを何回も見なくてはなりません。
──それでペースノートを修正するのですか?
もちろん、スピードの部分でも何カ所か修正が必要な場所がありますし、ライン取りをどうしたらいいかという場所もあります。クレストなども多いですし、レッキでは障害物などが見つけられなかったりするので、ビデオはしっかり見る必要があります。
──カーナンバーを選べるとしたら何番を選びますか?
92ですね。僕がモータースポーツを始めて、カートで最初にエントリーした時のナンバーが92だったので、思い入れがある番号なんです。
──今回の目標を教えてください。
(コーチの)ユホ(ハンニネン)からも言われているのですが、前回の(WRCイタリアでの)クラッシュから2ヶ月間空いているので、初日はしっかりとフィーリングを確かめながら抑えめでいって、2日目以降からいけそうなところは攻めていくという感じで考えています。
山本雄紀
──レッキのコンディションはどのような感じでしたか?
「水曜日は特に雨が降っていて、週末もこのような雨になれば、かなりマディなコンディションになりそうだなと思いました。ペースノート自体はリズムに乗って良い感じに作れましたし、去年走ったステージもあるので、スムーズにいったと思います。
──ジャンプはだいたいこういう感じだろうな、という感触はあるのですか?
もちろん、どのジャンプがどの程度飛べるかということを想像しながら走るのですが、特にオウニンポウヤは、がんばってジャンプをマークしているとはいえ、必ずいくつか驚かされるジャンプがあるとは思っています。
──今回導入されるバーチャルシケインについてはどうですか?
実は2本目にオーバースピードしていたんです。本来、十分に減速できたらダッシュボードがグリーンになるはずなのですが、2回ともグリーン表示を確認できなくて。2本目に、GPSの速度が47kmになっていたので(コ・ドライバーの)マルコ(サルミネン)は行っていいと言ったのですが、測定された時速は62kmだったのです。(*規定では時速60kmまで減速しなくてはならない)
──15kmも違ったのですか!
そうなんです。おそらく、60km云々より、本当にもっと落としたらグリーンが出るのかどうかがわからないのですが、とにかくグリーンが出るまで待たないとペナルティに繋がるのではという懸念はあるので、迷わずグリーンまで落とすというところかなと思っています。
──今回の目標を教えてください。
エストニアでクリーンでいいラリーを走ることができたので、今回はもちろんより慣れた道なので、エストニアよりもいい走りをして完走したいと思います。ラリー2がたくさん出ているので順位としてはわかりませんが、自分の中で今までで一番いい走りができたらいいなと思います。
(Keiko Ito)