昨年12月、突然のスバルWRC活動休止によりシートを失ったアトキンソンは今シーズンこれまで、シトロエン・ジュニアチームからアイルランド1戦に参戦したのみ。
それも初めてのC4ながら結果は5位と、まずまずのポジションでフィニッシュしたものの、その後は指をくわえてみているしかない状況が続いていた。
それでもアトキンソンは辛抱強くWRC参戦の機会を窺ってきた。そして機会さえ与えられれば、2008年と同じく5度のポディウムを獲得することが可能であるということを彼は信じている。
アトキンソンはwrc.comの取材に「もちろん僕の目標はWRCで走り、そしてチャンピオンを獲得することだ。だけど残念ながら、現状ではその機会は多くない」とコメント。
「正直なところ、今年はもうラリーに出場するのは難しいだろう。だからすでに来年に目は向いているよ。いくつか話し合いを進めている最中だ。色々な人と話をしている。ボーっとしてたら忘れられちゃうからね。それこそ“去るものは日々に疎し”だから。
自分で言うのもアレだけど、去年のリザルトは悪くなかった。ペター(ソルベルグ)とも互角以上にやりあえていたし。そのペターはいま旧型で苦労しているだろう? 勝ちが臨めない状態であるなら、僕はタイミングを見計らいたい。
たとえばマーカス(グロンホルム)を見てごらんよ。たしか彼はプジョーワークス入りした時すでに30歳を超えていた。セバスチャン(ローブ)だって初勝利は30歳近くなってからだ(実際は29歳)。
僕はギリギリだけど20代。まだピークをすぎたわけじゃあない。あと10年は戦えるさ。1年くらいの休みはどうってことないよ。そりゃあ、すぐに復帰できるにこしたことはないけどね」
9月4日から始まるラリーオーストラリアはアトキンソンのホームイベントだが、彼はラリー会場には姿を現さないだろう。
「僕は今、モナコに住んでいるけど、もしもオーストラリアでやるべき仕事があるのなら、喜んで行くさ。だけど、ドライブもできないのにラリーを観に行くつもりはない。そりゃドライブしたいけど、トップクラスのワールドラリーカーでなければ、獲れるポイントだっておぼつかないんだから。
今は時間があるからトレーニングは前よりもハードに続けているし、モチベーションもみなぎっている。4kgほど絞ったよ。じっくり腰を据えてかかろうと思っているんだ」