8月14〜16日、アジア・パシフィックラリー選手権第5戦マレーシアラリーが開催され、モーターイメージレーシングのコディ・クロッカー(スバル・インプレッサ)が今シーズン4連勝を飾った。
今回のラリーはマレーシアのジョホールバルを中心に16SS、総SS距離227.7kmを舞台として行なわれた。クロッカーvs田口勝彦(三菱ランサーエボリューションIX)の選手権争いに加え、前王者のカラムジット・シンがプロトン・サトゥリアネオで新規参戦するなど、注目が集まるラリーとなった。
前戦ラリー北海道を終え、クロッカーと田口勝彦のポイント差は11点。田口はここで勝っておかなければ、チャンピオン獲得に黄信号が灯ってしまう状況だ。
ところが、24.42kmのオープニングステージで田口はトップのクロッカーに1分44秒離されてしまう苦しいスタートとなった。そしてSS7、田口は滑りやすいコーナーでコースアウトしスタック。デイリタイアとなり、デイ2でのボーナスポイントを狙うこととなった。
APRC.tvの取材に対して、田口は「マッドタイヤで臨んだが、タイヤが温まり切っていなかったのかアプローチスピードが速すぎたのか、コースアウトしてしまった。非常に残念だが、何が起こるか分からないのがラリーなので、デイ2もボーナスポイントを狙っていく」とコメント。
これで楽になったクロッカーはチームメイトのエマ・ギルモアを従えて余裕のクルージング。デイ1を危なげなくトップで締めくくった。
明けてデイ2、田口はデイごとのトップ3に与えられるボーナスポイント(1位3点〜3位1点)を狙ってアタックをかける。しかしSS11、4速でコースアウト。マシンは修復不能なほどのダメージを受けて再びリタイアとなり、痛恨のノーポイントでラリーを終えることとなる。
一方のクロッカーは終始落ち着いたペースで走り切って今シーズン4度目の勝利。エマ・ギルモアが自身最高位となる2位に入りモーターイメージが1-2フィニッシュを飾った。旧式の三菱ランサーエボリューションVIIIで奮戦したリファット・スングカールが3位に入っている。
プロトン・サトゥリアネオS2000で参戦したシンはSS2でスタック、慣れない左ハンドルで苦労しながらもデイ2で再出走を果たした。
「ゆっくりゆっくり、マシンに慣れていっている状態だ。次のインドネシアまでには右ハンドルにするし、もっと速く走れると思うよ。ちゃんと成績も残せるんじゃないかな」と前向きなコメント。マシンの感触は悪くないようだ。
これでクロッカーはフルポイントの16点をゲットして63点。0点に終わった田口は36点のままと、その差は27点に開いてしまった。今シーズンも残るは2戦、10月4日のインドネシアと11月15日のチャイナだ。田口に10年ぶりの王座をもたらす奇跡の大逆転劇があるのか、注目したいところだ。