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WRCフィンランドで実戦初導入のバーチャルシケイン、反響は様々

©HYUNDAI

WRC第9戦ラリーフィンランドのオウニンポウヤで、選手権として初めて導入されたバーチャルシケインは、様々な反響を呼んだ。

このバーチャルシケインは、道幅が狭く物理的なシケインを設置することが困難な区間に表示を設置し、当該区間ではドライバーは時速を60kmまで落とさなくてはならないというもの。使用されたGPSの問題が報告されたため、目標速度に到達したことを示す緑色灯の信号表示が遅れるという苦情があったものの、この新しい規定を支持する声もあった。

ヒョンデのチーム代表、シリル・アビテブールはそのひとりで「バーチャルシケインはよかった。ちょっと論争になった部分もあったが、新しい取り組みを後押ししたFIAとテクノロジーに敬意を表したい」と語っている。

Mスポーツ・フォードのドライバー、アドリアン・フルモーは「機能はしていた。ただ、再び加速する前にちょっと待ちすぎてしまった。(物理的なシケインに多用される)牧草ロールの入手が難しいイベントには、いい選択肢になるかもしれないが、自分たちとしてはちょっと奇妙にも感じる。普通は、何かを見たらブレーキをかけるものだが、ストレートを走っているのにブレーキを踏んで、緑色灯になるまでダッシュボードを見なくちゃいけないんだからね。普通の道路で赤信号で止まってまた進むような、そんな感じがちょっとする」と感想を述べている。
「牧草ロールを置くよりも安定しているはずだとは思う。前のクルマが牧草ロールに接触して位置をずらしてしまったら、後続には牧草ロールの間隔がさらに広くなることもあるからね。ポジティブな点とネガティブな点がある。それに牧草ロールでは、マシンにダメージを負う可能性もある」

トヨタのWRCチャンピオン、カッレ・ロバンペラは「2回の走行、いずれも問題なかった。もちろん、ちょっとモヤモヤするところもあるし、このシステムをもう少し改善し、ドライバーからの見え方をもう少し明確にすることができれば、うまくいくはずだとは思うが、もう少し様子を見る必要がある」

このラリーを制したWRC8冠のセバスチャン・オジエは「GPSの信号次第だと思うが、反応が遅いし安定感も欠けている。自分たちはコンマ秒差で戦っているのに、こういったものを使わなくてはならないのは、適切だとは感じられない」
(Graham Lister)



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