©MITSUBISHI
2024年のアジアクロスカントリーラリー（AXCR）は、8月15日（木）、レグ4に設定されたセレクティブセクション（SS）4の走行が行われ、三菱から技術支援を受けるチーム三菱ラリーアートの三菱トライトンは、2022年覇者のチャヤポン・ヨーターが総合首位に浮上。田口勝彦は、判断が難しい形状のルートでミスコースに苦しみながらも総合5番手の座は死守。残り2日間での挽回を狙う。
（以下、発表リリース）
後半戦初日、チャヤポン・ヨーターが総合首位に
田口勝彦は総合5番手からの順位アップを目指す
8月15日（木）、2024年アジアクロスカントリーラリー（以下、AXCR）の競技4日目となるLEG4/SS4が行われ、チーム三菱ラリーアートの『トライトン』103号車をドライブするチャヤポン・ヨーター（タイ）／ピーラポン・ソムバットウォン（タイ）が総合首位に浮上した。一方、総合5番手につけていた107号車の田口勝彦（日本）／保井隆宏（日本）はミスコースに苦しみペースを上げられない展開となったが、総合5番手を堅守し、ラリー終盤に挑む。
MITSUBISHI
セレクティブセクション（SS）4は、ホアヒンを出発し今大会最後の拠点となるカンチャナブリへと向かう全長172.15km。隣国ミャンマーとの国境近くに広がる山間部が戦いの舞台となる。途中、多くの集落を通過するため、選手たちには細心の注意が求められ、ジャンクションあり、岩場あり、川渡りありという難所が連続する難しいステージ構成となっている。チーム三菱ラリーアートが走らせる4台の『トライトン』も無傷とはいかず、大なり小なりのダメージを負いながらの戦いを余儀なくされている。
この日、2番手スタートのヨーターは早々に先行するライバルをパスして首位に浮上、難しいステージながら落ち着いた走りで後続を引き離すことに成功、合計タイムでは2番手のライバルに対して、23分57秒もの差を築いた。スタックしたクルマに道を塞がれ大きくタイムをロスしてしまった田口はSS13番手フィニッシュ。さらに先行車の後ろを走っている時間が長く、思うようにペースを上げることはできなかったが、30分3秒の遅れにとどめ『トライトン』ラリーカーをサービスまで持ち帰った。田口は終盤2SSでのさらなる順位アップを目指す。なお、サクチャイ・ハーントラクーン（タイ）／ジュンポン・ドゥアンティップ（タイ）は、後半のコースでスタックしたが、小出一登（日本）／千葉栄二（日本）のクイックサポートで脱出。しかしその後トラブルに見舞われてしまい、この日の競技から離脱を余儀なくされた。小出もエアコンの不調により体調面で競技続行が難しくなったことで、この日は走行を取りやめたが、翌日以降もチームのサポートを継続する。
MITSUBISHI
16日（金）の競技5日目、LEG5/SS5はカンチャナブリを拠点として西〜北西のエリアで行われる全長228.87km。今大会で最長のSSが設定される。最終日は86.73kmが設定されており、この日の出来が勝敗の行方を左右するカギと言っても過言ではない。ラリーは午前7時に二輪部門の先頭走者からスタートする予定。
107号車ドライバー 田口勝彦のコメント
「今日はすごい山登りがあったのですが、我々が到着した時には、前のクルマやバイクが登れなくなっていて、道が詰まっていたんです。いつまでたっても動かないので、保井選手がクルマを降りてバイクを排除するのを手伝いました。それでようやく通過することができたんですが、『トライトン』はスタックすることもなく、まったく問題ありませんでした。ただ、コマ図の“道なり”と、我々ふたりの“道なり”の感覚が違うようで、走れば走るほどミスコースで遅れていくような、フラストレーションの溜まる1日でした。一方でクルマは絶好調です。メチャメチャいいです。ハンドリングもいいですし。残り2日、好転できるように、やれることをやっていきたいですね」
チーム三菱ラリーアート総監督 増岡浩のコメント
「大会4日目、今日は本当に大波乱でした。いいニュースでは、エースであるチャヤポン（ヨーター）選手が、トップに立ちました。ずっと苦しい戦いの中、復調できた点は良かったです。田口選手も、色々ありましたがしっかりトップグループに食らいついてくれているので、終盤、チームが全力を尽くして支えたいと思います。サクチャイ（ハーントラクーン）選手はSSの中でトラブルがあり、小出選手が助けたんですが、小出選手もエアコン不調で体調を崩して、今日はデイリタイアということになりました。いずれにしても後半2日は、チャヤポン選手と田口選手の2台を、チームの総力を尽くして点検整備を行い、万全な状態で送り出します。とにかく最後まで諦めずに、粘り強く戦っていきたいと思います」
