ヒョンデは、2025年のWRC参戦に向けて、ティエリー・ヌービル、マルティン・ウィダグとの契約を更新したことを発表した。ヌービルがヒョンデからWRCに参戦するのは12年連続、ウィダグは5年連続となる。2025年は、オィット・タナック/マルティン・ヤルベオヤ組とともに、再びタイトルを狙うラインナップを形成するとしている。
ヌービルは過去12年間、ヒョンデのWRC参戦プログラムの構築において欠かせない役割を担い、チームとともに数々の節目を過ごしてきた。ヌービルは2014年のドイツで、自身WRC初勝利をヒョンデでマーク。以降、通算20勝、ポディウムフィニッシュ59回、ステージウイン317回を記録し、チームのWRCタイトル争いの一翼を担ってきた。ヒョンデは2019年、2020年とマニュファクチャラーズタイトルを獲得。一方、自身初のドライバーズタイトル獲得に挑むヌービルは、27ポイント差をつけての首位で今週の第10戦アクロポリスを迎える。
2025年のWRCもヒョンデは今季同様、ヌービル、タナックの二枚看板でタイトル争いの布陣を敷く。ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッドのサードカーのドライバーについては、今後発表する予定としている。
チーム代表のシリル・アビテブールは「ティエリー・ヌービルがオィット・タナックとともに活動してくれることが決まり、うれしく思う」とコメント。
「でこの競争力のあるラインナップを維持する決定を下したことは、2025年に再び3つのタイトルすべてを狙うというシリーズへのコミットメントを強調するものだ。ティエリーは、ヒョンデ・モータースポーツの初期段階からプロジェクトに加わっており、ステージでもファクトリーでもチームにとってかけがえのない存在であることを証明してきた。ティエリーとコ・ドライバーのマルティン・ウィダグと来季の契約を結んだことで、我々はラリーの頂点で戦い続けるために必要な要素をすべて手に入れた」
2025年もヒョンデからのWRC参戦続行が決定したヌービルは「2025年のWRCもヒョンデとの契約が更新できて、とてもうれしい」と喜びを語る。
「モータースポーツ界で、我々ほど長期にわたって協力関係を結ぶ例は多くないが、自分たちは2014年から素晴らしい成功をともに収めてきた。以前にも言ったことがあるが、このチームは自分にとってふたつめの家族になっており、自分たちの野望やモチベーションは年々高まっている。今シーズンを終えて、自分にとって初めてのドライバーズタイトルをこのチームで獲得できれば本当に名誉なことだし、それを参戦12年目にもつなげていけたらと思う。僕らにどのような将来が待っているのか、本当に楽しみだ」
タナックとヒョンデとの契約についてチームは公式に発表は行っていないが、情報筋によれば、2024年に復帰した際の契約に2025年の参戦についてのオプションも含まれており、今回のヌービルの契約更新の発表のなかでタナックとのラインナップを発表したことで、タナックの残留も確定したと見られる。