全日本ラリー選手権第7戦ラリー北海道(グラベル)と併催されるXCRスプリントカップ第4戦には、3クラス合計で総勢17台が出場している。そのなかでも近年徐々に存在感を増しているのが、三菱車だ。トライトン2台、アウトランダーPHEVが1台、エクリプスクロスPHEVが1台という内訳だ。
前戦のラリー・カムイからトライトンを投入した竹岡圭は、「前回のラリー・カムイではシェイクダウンみたいなものでしたが、3位に入賞することができました。今大会に向けて、足まわりに新しいパーツを入れる予定でしたが、部品の遅れや台風の影響で、結局前回のままです(苦笑)。ただ、前戦に比べればクルマにも慣れたので、今回は違う道でどこまでできるかですね」と語る。6日(金)には帯広市立北栄小学校でのイベントにも参加しており、大柄なトライトンは子どもたちからの人気も絶大だった。「トライトンは他のラリーカーと違って荷台に乗ることができるので盛り上がりました(笑)。みんなも積極的に色々ラリーのことを質問してくれて、小さい子どもたちにも興味を持ってもらえているんだとうれしかったですね」と、イベントを振り返った。
「実はまだクルマができたばかりで、レッキがシェイクダウンみたいなものでした」と語るのは、トライトンに乗る川畑真人。「それでもエンジンのフィーリングはいいですし、パワー感があり、車体の軽さを感じます。実際の重さはもちろんありますが、エンジンがパワフルな分、軽々と動きます。あとはギヤ比が非常にいいですね。低速から加速する、パワーバンドを外さない最適なギヤ比をもっているので、そのあたりが武器になるかなと思います。ATのマニュアルモードで走っているので、変速のレスポンスや電子制御の加減など、色々改善点もあるなというところですね。先日のAXCRで悪路の経験を積んできたので、北海道の路面はフラットに感じます(笑)」とコメント。「トライトンを普段乗りされているユーザーの方や、興味がある方々にも、競技を通じてトライトン魅力が伝わればと思っています」と締めくくった。
昨年のラリー北海道で初めてアウトランダーPHEVをラリーに持ち込んだ長谷川智秀は「昨年、GN型のアウトランダーで初めてラリーに参戦しました。しっかり完走できましたし、はじめの一歩をきちんと記すことができたと思います。今年のラリーに向けては、主に足まわりを強化してきました。マジカルカーボンを貼っている外板は昨年のままなんですが、非常に綺麗なままです。おかげさまでウチ(ハセプロ)から出しているパーツも好評ですし、ラリーでは発売前のパーツをテストしたりもしています」と参戦の意。「苦労はしていますが、文字どおりの走る実験室なんです」と、自社製品のPRおよび開発のための活動であると語っている。
今季XCRスプリントカップに参戦する三菱自動車社員有志チームでは、エクリプスクロスPHEVを走らせる。ドライバーを務める浅井明幸は、普段は商品力評価部という部署で、量産車の評価を担当している。今年ラリーデビューを飾った浅井は「前戦のラリー・カムイが初めてのダートラリーでした。走ってみて、いいところと悪いところは色々と見えてきましたが、あえてTARMACモードを使って積極的に曲げるような走り方もできましたし、市販車でやってきたことは間違っていなかったとあらためて感じました」と、クルマの印象を語る。今大会での目標については「まずは完走を目指し、あわよくば3位〜4位くらいを目指せたらいいですね」とコメントしている。