WRCアクロポリス:次々と襲いかかるパンクとアクシデント。ティエリー・ヌービルがついに首位浮上 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
現地速報がすぐわかる! バックナンバーが読み放題。ラリプラLINE限定コンテンツ配信中

WRCアクロポリス:次々と襲いかかるパンクとアクシデント。ティエリー・ヌービルがついに首位浮上

©HYUNDAI

2024年シーズンWRC第10戦アクロポリスラリー・ギリシャ(グラベル)は、9月7日(土)に6SSを走行し、ヒョンデのティエリー・ヌービルが、ダニ・ソルドに53.7秒差の首位。1分20秒9差の総合3番手にトヨタのセバスチャン・オジエがつけている。

ラリー2日目はラミアから南部に行ったルートラキ周辺のステージが舞台となる。「SS7 Rengini(28.67km)」、「SS8 Thiva(20.95km)」、「SS9 Aghii Theodori 1(25.87km)」を走行後、ルートラキで15分のタイヤフィッティングゾーンを実施。午後は「SS10 Loutraki(12.90km)」、この日唯一のリピートとなる「SS11 Aghii Theodori 2」を走り、マラカサでのスーパーSS「SS12 EKO SSS(1.97km)」で締めくくる6SS、116.23km。

今シーズンから導入された新ポイントシステムにより、土曜日終了段階でトップ10に入っていたクルーは、最終日を完走することを条件に「18-15-13-10-8-6-4-3-2-1」の配分でポイントが与えられる。初日、デイリタイアしていた勝田貴元(トヨタ)とアドリアン・フルモー(Mスポーツ・フォード)がマシンを修復し、再出走を果たした。

TOYOTA


この日も晴天が広がり、気温は高く、コンディションはドライ。オープニングのSS1、首位スタートのオィット・タナック(ヒョンデ)が、スタートから5.6km地点で右フロントタイヤをパンク。ステージ内で交換後にリスタートするが、再度右フロントタイヤがパンクしたことで、またも交換を余儀なくされてしまう。タナックはこのステージだけでスペアタイヤ2本を使い切った上、4分以上を失い、総合4番手にドロップ。これで2番手につけていたソルドがトップに立った。

このステージでベストを刻んだのは、ようやく先頭スタートから解放されたヌービル、総合3番手を走るオジエに0.1秒差のベストを刻む。総合2番手に順位を上げたヌービルは、ソルドとの差をここだけで16.2秒も縮めており、その差は7.2秒と射程圏内に入ってきた。SS8は、オジエがソルドに7.4秒差、ヌービルに10.5秒差のベストタイム。首位ソルドとヌービルの差は10.3秒に拡大した。スペアタイヤを使い切ったタナックはペースを抑えて走行するが、しっかり総合4番手の座をキープしている。

SS9は、オジエがヌービルに5.7秒差をつけて連続ベスト。右リヤタイヤのトレッドが剥離し、マシンにダメージを負った状態で走り切ったソルドは、ベストから50秒以上遅れた6番手タイムに沈み、総合2番手にポジションダウン。初日から苦しみ続けたヌービルがついに35.3秒差をつけてトップに立った。後方では、総合5番手を走行していたグレゴワール・ミュンステール(Mスポーツ・フォード)が、スタートから5.76km地点でコースオフを喫し、ラリー続行を断念している。

ルートラキでのタイヤフィッティングゾーンを挟んだ、午後のセクション。SS10はスペアタイヤを補充し、ペースを取り戻したタナックが、オジエに2.4秒差のベストタイム。続くSS11はこの日唯一SS9をリピートする「Aghii Theodori 2」、オジエがタナックに0.5秒差のベスト。このステージでは、前日のトラブルから入賞目前の総合13番手まで順位を戻していたエルフィン・エバンス(トヨタ)が、スタートから16.8km地点で低速ロールオーバー。コースに復帰し、何度かマシンを止めながらもステージを走り切ったものの、フロントセクションに大ダメージを負っており、ロードセクションでリタイアを決めた。

SS12はマラカサでのスーパーSS。首位のヌービルが、大観衆の前でオジエに0.4秒差のベストをたたき出し、2日目を締め括った。「チャレンジングな1日だった。これ以上言うことはないよ。自分たちのプランどおりに走って、それがうまくいった。明日はいい1日になるはずだ」と、ヌービルは笑顔で振り返った。チームメイトのソルドに53.7秒のアドバンテージを持って、最終日に開幕戦モンテカルロ以来の勝利を目指す。

M-SPORT


53.7秒差の2番手にソルド、1分20秒9差の3番手にオジエ、3分19秒2差の4番手にタナック。ラリー1勢でデイリタイアせずに生き残っているのはこの4台のみとなり、以下トップ10にラリー2勢が続く。再出走を果たした勝田貴元(トヨタ)は落ち着いたペースで走行を続け、総合40番手で2日目を終えた。

競技3日目はSS13〜SS14の3SS、SS走行距離は54.05km。オープニングのSS13は、日本時間9月8日の日本時間14時59分にスタートする。

WRCアクロポリス SS12後暫定結果
1. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) 3:01:05.3
2. D.ソルド(ヒョンデi20Nラリー1) +53.7
3. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:20.9
4. O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1) +3:19.2
5. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +5:06.1
6. R.ビルベス(シュコダ・ファビアRSラリー2) +5:33.8
7. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +6:00.3
8. K.カエタノビッチ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +6:58.1
9. G.リンナマエ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +8:33.9
10. F.ザルディバール(シュコダ・ファビアRSラリー2) +9:23.2

WRCアクロポリス 土曜日終了時点暫定ポイント
1. T.ヌービル 18
2. D.ソルド 15
3. S.オジエ 13
4. O.タナック 10
5. S.パヤリ 8
6. R.ビルベス 6
7. Y.ロッセル 4
8. K.カエタノビッチ 3
9. G.リンナマエ 2
10. F.ザルディバール 1



RALLY PLUS